繊維工学に基づくファイバーソフトアクチュエータの創製
概要
研究成果の概要(和文):
本研究では高分子ゲルを用いたファイバー状ソフトアクチュエータの創製を目的とし、芯材となる導電性ファイバーへの高分子材料の均一塗布方法を確立し、芯鞘構造ゲルファイバーを開発した。このゲルファイバーを陰極、導電性ファイバーを陽極として、2つのファイバーの撚り合わせ方法やファイバー径、ゲルコーティング厚などの最適化を実施し、400V印加時に約0.5mm収縮するファイバーソフトアクチュエータを創製した。また、構造を変えることで伸縮変位と伸展変位を選択することも可能となった。
研究成果の学術的意義や社会的意義
近年、人の生活圏へのロボットの導入が進み、ロボットはより身近な存在となっている。未だハードタイプのロボットが主流であるが、本研究によりファイバーソフトアクチュエータが開発・実用化されたならば、人間親和性を重視した革新的なソフトロボットやソフトロボット工学の実現に寄与することができる。
また、繊維工学に基づいてファイバーから織物へ展開することも可能であり、着用者への動作支援を目的としたアクティブに変形する衣服など、その応用展開は多岐にわたる。
研究成果の概要(英文):
The purpose of this study is to create fibrous soft actuators using polymer gels. First, we elucidated a method for uniformly coating a polymer material on a conductive fiber as a core material, and then developed a core-sheath structure gel fiber.
This gel fiber is used as a cathode and the conductive fiber is used as an anode in a fiber soft actuator. We compared the twisting method, fiber diameter, gel coating thickness, etc. of the two fibers in order to find the optimum structure of the fiber soft actuator. As a result, we created a fiber soft actuator that contraction by about 0.5 mm when 400 V is applied. Furthermore, the actuator can also select contraction displacement and extension displacement by changing the structure.
キーワード:高分子アクチュエータ PVCゲル 人工筋肉 ファイバーソフトアクチュエータ 芯鞘構造 撚糸構造繊維工学 ゲルファイバー