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大学・研究所にある論文を検索できる 「Myocyte Enhancer Factor 2D (MEF2D) mediates late phase synapse elimination in the developing cerebellum」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Myocyte Enhancer Factor 2D (MEF2D) mediates late phase synapse elimination in the developing cerebellum

鈴木, 穂香 東京大学 DOI:10.15083/0002006937

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 鈴木 穂香
本研究は、発達期小脳でみられる登上線維-プルキンエ細胞シナプスの刈り込みにおける
Myocyte Enhancer Factor 2 (MEF2)遺伝子の役割を明らかにすることを目的とした。ま
ず、マウス小脳のプルキンエ細胞において Mef2a、Mef2d を miRNA によってノックダウ
ンし(MEF2A-KD, MEF2D-KD)、登上線維―プルキンエ細胞シナプスの刈り込みに必要か
どうかを調べた。その結果をもとに、プルキンエ細胞特異的に Mef2d を欠損するノックア
ウトマウス(MEF2D-cKO)を作製し、プルキンエ細胞で発現する Mef2d のシナプス刈り込
みにおける役割を調べた。これらの解析により、下記の結果を得た。
1.レンチウイルスを介した miRNA の導入によって生後直後のマウスのプルキンエ細胞に
おいて Mef2a と Mef2d をノックダウンし(MEF2A-KD, MEF2D-KD)、生後 20 日齢以降
の急性小脳スライスで個々のプルキンエ細胞に投射する登上線維の本数を電気生理学的に
調べた。その結果、MEF2D-KD 群ではプルキンエ細胞に投射する登上線維の本数が増加
しており、MEF2D が登上線維―プルキンエ細胞シナプス刈り込みに必要であることが示
唆された。
2. MEF2D をプルキンエ細胞で遺伝子欠失させたマウス(MEF2D-cKO マウス)を作製し、
登上線維―プルキンエ細胞シナプスの刈り込みへの影響を電気生理学的に調べた。
MEF2D-cKO マウスでは、生後 16 日齢以降でプルキンエ細胞に投射する登上線維の本数
が増加しており、MEF2D の発現が登上線維―プルキンエ細胞シナプスの刈り込みの後期
過程において不可欠であることが示された。
3. MEF2D-cKO マウスの電気生理学的な解析の結果、複数の登上線維をもつプルキンエ細
胞でみられる弱い登上線維を介した EPSC の振幅は、対照マウスと比較して生後 10 から
15 日齢の間で大きく、MEF2D が余剰な登上線維シナプスを弱めていく過程に関わること
が示唆された。
4. MEF2D-cKO マウスにおいて、登上線維終末を VGluT2、プルキンエ細胞を Car8 で免
疫染色し、登上線維終末の細胞体から遠位樹状突起への移行を形態学的に調べた。対照マ
ウスと比較してプルキンエ細胞の細胞体から遠位樹状突起への登上線維の移行が障害さ
れ、余剰な登上線維終末が細胞体に残存しており、MEF2D は登上線維終末の移行にも必

須な分子であることが示唆された。
5. MEF2D-cKO マウスにおいてプルキンエ細胞特異的に P/Q 型カルシウムチャネルをノ
ックダウンした効果を調べた。その結果、MEF2D-cKO マウスでみられた登上線維―プル
キンエ細胞シナプスの刈り込みの障害は、P/Q 型カルシウムチャネルをノックダウンした
際の障害に包含された。このことから、MEF2D が P/Q 型カルシウムチャネルと同じ経路
でシナプス刈り込みに関与することが示唆された。
6. 生後 16 日齢の MEF2D-cKO マウスと対照マウスの小脳組織を用いて RNA-seq を行
い、遺伝子発現変化を調べた。その結果、MEF2D-cKO マウスでは、神経活動と中枢神経
系の発達に関連する遺伝子の発現レベルが対照マウスとは異なり、登上線維のシナプス刈
り込みの障害が MEF2D 標的遺伝子の発現量の不全によって引き起こされる可能性がある
ことが示された。
以上、本論文は、マウスの発達期小脳の登上線維―プルキンエ細胞シナプスの刈り込みに
おける MEF2D 転写因子の関与を明らかにし、シナプス刈り込みのメカニズムの解明に重
要な貢献をすることから、学位(医学)の授与に値するものと考えられる。
よって本論文は博士( 医学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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