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世代別にみる女性農業者のエンパワーメントの特徴に関する研究-宮城県と岩手県の女性農業者を事例に-

トウ カンエン 東北大学

2022.03.25

概要

第1章では,女性農業者の「エンパワーメント」が持つ意味.現段階の成果とその課題を研究背景に整理し.関連する先行研究の知見を踏まえて.本研究における目的を設定した.また,女性農業者自身を総体的に捉える視点から,「縦」-女性農業者の生活史,「横」-女性農業者を取り巻く社会関係という二つの次元から分析する方法を採用した.

第2章では,女性農業者をめぐる社会経済環境の時系列整理をもとに,本研究における分析対象者の世代分類を設定し,先行研究で明らかになった世代別女性農業者の特徴を併せて整理した.

第3章では,女性農業者のエンパワーメントにおける世代継承が課題として挙げられるなか,先行研究では世代についての検討は起業活動や経営体に限定されたものが多いことを背景に,ライフヒストリー分析の手法を取り入れて,女性農業者の「生き方」そのものに着目した整理を行った.彼女たちのライフヒストリーを構築して比較することで,エンパワーメントにおける世代別特徴を抽出した.その特徴として「出身・環境の影響」「ライフイベントの発生」「モデル像への憧れ」などの共通点,「活動展開の志望」「情報発信の仕様」「関係機関の利用」「集団活動の参加」における相違点が挙げられた.

第4章では,女性農業者のエンパワーメントの継続における「暗黙知」の継承に対してパーソナルネットワークが有用であることと,近年では地域組織の衰弱と全国的ネットワークの出現や SNS による電子ネットワークの普及などによる女性農業者のパーソナルネットワークが変化していることを背景に,若い世代の女性農業者のパーソナルネットワークに焦点を当て,ネットワークの実態と特徴の変化を明らかにし,その変化から若い世代の女性農業者のエンパワーメントにおける新たな特徴として,主体的活動の増加と活動範囲の拡大,それに伴う関係形成の独立化,すなわち家族から独立した個人が有する関係の増加と,自由化,すなわち個人の生活仕様や活動志向に応じた関係形成の選択自由度の増加を確認し,地縁・血縁のコア・ネットワークが果たす「足元」の役割を再確認した.

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