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大学・研究所にある論文を検索できる 「Efficacy of Low Power, Pure Cut Mode of Monopolar Electrosurgery and Quilting Sutures for Preventing Seroma Formation After Latissimus Dorsi Myocutaneous Flap Harvest」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Efficacy of Low Power, Pure Cut Mode of Monopolar Electrosurgery and Quilting Sutures for Preventing Seroma Formation After Latissimus Dorsi Myocutaneous Flap Harvest

田島, 宏樹 大阪大学

2022.02.28

概要

〔目的(Purpose)〕
広背筋皮弁は採取の容易さや皮弁血行が安定しているため、乳房再建方法の一つとして広く用いられている。しかし、皮弁採取部である背部において術後に髪液腫形成が高頻度に合併することが大きな問題点となる。獎液腫形成はドレーン留置期間の延長により、入院期間の延長を引き起こすだけでなく、退院後も頻回の外来での姿刺吸引を必要とし、患者の負担増加につながる。術後の背部養液を減少させるには、いかに早く創部の癒着を促すかが重要となる。電気メスによる皮弁挙上は術後出血リスクを減らし、手術時間を短縮できるという利点を有する。一方で、[気メスによる創面の損傷は、創傷治癒の遅延の原因となる。そこで本研究では、皮弁上における電気メスの出力方式の違いが術後漿液腫の発生率や症状の程度にどのような影響を与えるかについて検討した。さらに、背部の縫合時にキルティング縫合を併用することによる効果についても併せて検討を行った。

〔方法(Results)〕
2015年4月より2019年1月までに乳腺部分切除に対し、広背筋皮弁による一次~期乳房再建を行った112例を手術方法の変遷に伴い3つのグループに分けた。グループAの21人の患者に対し広背筋皮弁挙上を気メスの凝モードで行い、グループBの25人の患者に対し電気メスの純切開モードで行った。そして、グループCは66人の患者に対し純切服モードでの皮弁挙上に加え、創閉鎖時においてキルティング絶合を行った。凝固モードの出力は25、純切モードの出力は15Wに設定し、皮弁拳上は通常の形式で行った。止血操作は全例で、結止血と凝固止血にて行われた。グループCにおいては、3-0PDSを用いて8か所で背部皮膚を下に固定しするキルティング縫合を行った。皮弁採取部に吸引ドレーンを挿入し、ドレーン量が30m1/日以下を目安に抜去した。ドレーン抜去後に穿刺吸引を必要とした場合を漿液腫の発生と定義した。

[成績(Results)]
各グループ間において、年齢、BMI、皮の容積に有意差は認めなかった。再建に要した平均時間に有意差を認めなかった。グループAにおける出血量は、グループBとCのそれらに比べて有意に少なかった。術後1週間の全ドレーン排液量はグループA (752.3土180ml))、グループB (552.2土332.1ml)、グループC(459.7土165.5ml)の順で減少しており、各グループ間で有意な差を認めた。ドレーン抜去までの平均日数も、グループA(16.9=4.2日)、グループB(10.6土3.7日)、グループC(7.4土24日)の順で短く、各グループ間に有意な差を認めた。術後に皮弁採取部の漿液腫を生じたのは、グループAでは21例中16例(76.2%)、グループBでは25例中11例(41%)、グループCでは、66例中4例(6.1%)であり、各グループ間に有意な差を認めた。グループAでは液腫を生じた16例の内14例において2回以上の外来での穿刺を要したのに対し、グループBとグループCでは外来において2回以上の刺を必要とした症例はなかった。

[総括(Conclusion)〕
広背筋皮弁採取後の液腫のリスクファクターとして、年齢、BMI、皮弁採取量などが報告されている。術後漿液に対するドレーン留置期間と穿刺回数の両方を減らすことが悪者のQ0Lの向上や医療コストの低減に役立つと考える。機液の予防方法としては、皮弁挙上時の金属メス、超音波凝固切装の使用が報告されており、創部閉鎖時においてはキルティキング縫合、フィブリン湖の使用、陰圧吸引療法などが報告されている。電気メスによる皮弁採取は創面の熱損傷とそれに伴う壊死を引き起こすと報告されている。電気メスにおいて、純切開モードでは、正弦波の商波電流による放置により組織中の水分に急激な気化を起こし、組胞の破壊により組織が切開される。純切開モードでは、周囲の熱損傷を最小限に抑えながらの切開が可能であるが、切開と同時に止血する能力は低い。これに対して、凝固モードはパルス変調波形であり、放電によるジュール熱で徐々に加熱され細胞蛋白質が疑固変性する。凝モードでは、と凝固止血を同時に行うことができるが、放電熱が高ければ高いほど、熱損傷は深い層に影響していく問題点がある。我々は凝固剥離を純切開剥離に変更することより、漿液腫の発生率を76.2%から4%に減らすことを示した。本法では、止血のためにハンドピースを持ち替える必要はなく、スイッチを切り替えるだけで安全に且つ速やかに凝固症が可能であるという利点がある。

純切開モードによる皮弁挙上に加えキルティング合を併用することより、ドレーン抜法までの平均日数は16.9日から7.4日に減少し、液腫の発生率は70.2%から6.1%にそれぞれ減少させることが可能であった。特別な機器や医療材料を必要としない本法は、患者の負担の軽減に加え、医療コストの削減にも寄与する有用な方法であること考える。

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