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大学・研究所にある論文を検索できる 「Autophagy protects kidney from phosphate-induced mitochondrial injury」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Autophagy protects kidney from phosphate-induced mitochondrial injury

藤村, 龍太 大阪大学

2020.09.25

概要

〔目的(Purpose)〕
慢性腎臓病の合併症である高リン血症は、総死亡および心血管疾患発症の独立した危険因子である。血管平滑筋細胞では高リン負荷が血管石灰化を引き起こすことが知られている。一方、高リン食摂取が腎傷害をもたらすことは古くから知られているが、腎臓における高リン毒性の分子学的機序は不明な点が多い。オートファジーは細胞内蛋白やオルガネラの分解機構であり、細胞内成分の品質管理やエネルギー状態の最適化を介して細胞内の恒常性維持を担う。尿細管オートファジーは種々の腎疾患において腎保護的に機能する。本研究では高リン負荷が腎尿細管オートファジーに与える影響とその役割を検証した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
高リン食摂取下でのマウス腎尿細管におけるオートファジー活性を評価するため、片腎摘を施した薬剤誘発性オートファジー不全マウス(薬剤誘発性Atg5ノックアウトマウス)に高リン食あるいは低リン食を与えた。高リン食摂食下マウスの腎尿細管ではコントロールマウス(低リン食摂取マウス)に比し、オートファジー不全に伴うp62 (オートファジーの基質)陽性タンパク凝集塊の蓄積が増加したことから、高リン負荷によりオートファジー要求性が高まることが判明した。

次に高リン負荷下でオートファジーを誘導する因子として、ミトコンドリア傷害に着眼した。近位尿細管培養細胞に高リン負荷を行うと、mPTP (mitochondrial permeability transition pore)開ロ、ミトコンドリア膜電位低下、ROS (Reactive Oxygen Species)の蓄積、ATP産生の低下を認め、 PINKl/Parkin依苻性マイトファジー(ミトコンドリア選択的オートファジー)が惹起された。オートファジー不全細胞では、これらのミトコンドリア傷害が憎悪し細胞死に至った。一方、ROSのスカベンジャーであるNAC (N-acetylcysteine)を投与するとPINKl/Parkin依存性マイトファジー活性が低下したことから、高リン負荷によるROSの蓄積がマイトファジーを誘導していることが示唆された。

最後に尿細管オートファジーが高リン毒性に対抗するか否かを検討した。片腎摘を施した近位尿細管特異的オートファジー不全マウス(Atg5ノックアウトマウス)に高リン食を摂取させると、野生型マウスに比し、近位尿細管において著明なミトコンドリア形態異常と機能低下、ROSの蓄積、アポトーシス、インフラマソームの活性化、およびマクロファージの浸潤を認めた。以上より、マイトファジーは高リン負荷による腎尿細管ミトコンドリア傷害および細胞死に対抗することが判明した。

〔総括(Conclusion)〕
高リン負荷による腎尿細管オートファジーの活性化は、傷害されたミトコンドリアを除去することで腎保護的に機能する。

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