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大学・研究所にある論文を検索できる 「Development of Dual Fluorescent Probes by Controlling Photophysical Properties of Flapping Fluorophores」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Development of Dual Fluorescent Probes by Controlling Photophysical Properties of Flapping Fluorophores

Yamakado, Takuya 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23735

2022.03.23

概要

蛍光プローブを用いた測定は簡便かつ高感度に行えるため、生体イメージング等の目的に広く用いられてきた。特に、環境に応じて2波長の蛍光強度比が変化するレシ才型プローブは、プローブ濃度の偏りの影響を受けずに定量評価できるため注目されている。申請者が所属する研究室では、柔軟な共役8員環をもつ羽ばたく蛍光団FLAPがV字型と平面型の2つのコンフォメーションから二重蛍光を示すことを報告しており、蛍光レシオ型粘度プローブやForceプローブが開発されている。しかし、これらの機能は蛍光団にアントラセン骨格を用いたFLAPに限定されており、高い光安定性を要する測定や溶媒存在下での応力集中の定量といった問題に対処できなかった。

 まず申請者は、光安定性の問題に対処することでFLAPの単一分子蛍光スペクトル測定を可能とし、それにより高分子の動的な局所自由体積の評価を行った。高分子の自由体積は、材料中で高分子鎖に占有されていない空間の体積を指し、その定量は分離膜等の開発に重要である。特に局所自由体積の時間変化の追跡には単一分子分光測定が適しているが、従来型FLAPは耐光性が低く測定が困難だった。そこで、骨格に窒素原子を導入したN-FLAPを新たに開発した。その結果N-FLAPは、蛍光の輝度が従来型より22倍大きく、数分間の単一分子蛍光スペクトル測定に耐える光安定性をもつことが判明した。このN-FLAPを低分子量ポリスチレン中に分散させた単一分子分光測定では、V字型由来の短波長蛍光と平面型由来の長波長蛍光を時間経過により相互に行き来する現象が観測された。これは、ポリスチレン中に十分大きな_由体積が形成された時のみN-FLAPが励起状態平面化することを示唆している。V字型と平面型の分子骨格の占有体積の見積もりから、この平面化には280A3以上の自由体積が必要であることが示された。また、単一分子分光スペクトルの時間変化の解析から、そのような自由体積は平均1.2秒間持続することが明らかとなった。

 続いて、高分子ゲル中で機能する羽ばたくForceプローブの開発を行った。高分子材料の変形による破壊は、特定の高分子鎖に力が集中するナノ応力集中が起点となるが、絡み合った高分子鎖の中で、破断する前の力がかかった鎖の割合を定量することはこれまで不可能であった。一方で、FLAPは力に応じた二重蛍光の変化を示すため、蛍光レシオ解析によってナノ応力集中を定量できるForceプローブとして機能する。しかしながら、従来型FLAPは溶媒存在下では力学負荷のない状態でも自発的に平面化するため高分子ゲルに対してはForceプローブとして利用できなかった。そこで申請者は、FLAPの蛍光団を兀拡張することで励起状態平面化が抑制されるという修士課程で得た知見に基づき、ピレンイミド骨格をもつFLAPを新たに合成した。その結果、新規FLAPは、従来型と異なり溶液中でもV字型構造を保持した蛍光を示した。このFLAPを架橋ポリウレタンへ導入して有機溶媒で膨潤したゲルを合成し、そのゲルの圧縮試験を行うことで、従来型のFLAPでは困難だった溶媒存在下での力学応答の検出に成功した。また、ピクセル毎に蛍光スペクトルが取得できるカメラを用い、0-1MPaの小さな応力範囲での蛍光レシオイメージングができることを実証した。

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