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大学・研究所にある論文を検索できる 「Synthetic Prostacyclin Agonist Attenuates Pressure-Overloaded Cardiac Fibrosis by Inhibiting FMT」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Synthetic Prostacyclin Agonist Attenuates Pressure-Overloaded Cardiac Fibrosis by Inhibiting FMT

政田, 健太 大阪大学

2021.04.30

概要

〔目 的(Purpose)〕
高血圧や心臓弁膜症に伴う左心室への持続的な圧負荷は、進行性の心臓線維化を引き起こし、最終的に心不全に至る。その過程において、線維芽細胞から筋線維芽細胞へのフェノタイプ変換(fibroblast-to-myofibroblast transition; FMT)が中心的な役割を果たすとされる。一方、プロスタサイクリン作動薬であるONO-1301は、Prostaglandin I2 receptorを介し線維芽細胞等の非心筋細胞に作用することで、HGF・VEGF・SDF-1等のサイトカイン発現を亢進し、血管新生を促進することにより虚血性心筋症や拡張型心筋症モデルで心臓線維化を抑制することが報告されている。しかし、ONO-1301の抗線維化作用とFMTとの関係を検証した報告はない。そこで今回、マウス圧負荷心臓線維化モデルにおいて、ONO-1301がFMTを阻害することで心臓線維化を抑制することを仮説とし、検討を行った。

〔方 法(Methods)〕
1. In vivo: マウス圧負荷心臓線維化モデルにおけるONO-1301の有効性の検討
 C57BL6Jマウス(8週齢雄、20-25g)に横行大動脈縮窄術(transverse aortic constriction; TAC)を施術し、左心室圧負荷モデルを作成した。TAC術後14日目にONO-1301の徐放剤であるONO-1301SR(5mg/kg)を皮下注射した。経時的に心臓超音波検査による心機能評価を行い、TAC術後28日目にsacrificeし、組織学的評価を行った。

2. In vitro: ONO-1301によるFMT抑制効果の検討
 C57BL6Jマウス(8週齢雄、20-25g)の心臓から線維芽細胞を単離・培養した。FMT促進因子であるTGF-β1によってFMTを誘導し、筋線維芽細胞の分子マーカーであるα-SMAの発現、コラーゲン発現および細胞増殖能(Cell Counting Kit-8 assay)・遊走能(Wound-healing assay)に関して、ONO-1301による抑制効果を評価した。

〔結 果(Results)〕
1. In vivo:
 1.1. 心機能: TAC術後28日目の心機能に関して、Vehicle群と比較してONO-1301群でLVFSが有意に高値であった(ONO-1301群vs. Vehicle群; 33.7 ± 1.3%vs.23.6 ± 1.2%, P < 0.01)。
 1.2. 心臓線維化: Picrosirius red染色によるfibrotic areaは、ONO-1301群で有意に低値であった(3.3 ± 0.2% vs. 7.2 ± 1.4%, P=0.010)。また、免疫染色によるCol1(3.9 ± 0.3% vs. 6.0 ± 0.4%, P=0.020)およびCol3(4.0 ± 0.3%vs.6.0 ± 0.6%, P=0.015)の体積分率はONO-1301群で有意に低値であった。
 1.3. サイトカイン発現: ONO-1301群において、左心室におけるHGF、VEGF、SDF-1のmRNA発現が有意に増強された一方で、線維化関連サイトカインであるTGF-β1、CTGFのmRNA発現は有意に抑制された。
 1.4. FMT: 左室自由壁の免疫染色にて、筋線維芽細胞を示唆するVimentinおよびα-SMAのdouble positive cellはONO-1301群で有意に減少した。また、筋線維芽細胞の分子マーカーであるα-SMA(2.1 ± 0.2%vs.5.9 ± 0.6%, P = 0.012)およびPeriostin(2.1 ± 0.2%vs.6.2 ± 0.3%, P = 0.012)の体積分率はONO-1301群で有意に低値であった。

2. In vitro:
 2.1. α-SMA発現: TGF-β1(10ng/ml)投与により増強したα-SMA発現は、ONO-1301(100μM)投与によって有意に抑制された(TGF-β1 vs. TGF-β1+ONO-1301; α-SMA陽性細胞率72.0 ± 1.1% vs. 45.4 ± 1.3%, P < 0.01、mRNA発現2.58 ± 0.05 vs. 1.53 ± 0.04, P = 0.030)。
 2.2. コラーゲン発現: TGF-β1により増強したCol1(2.10 ± 0.16vs.1.41 ± 0.09, P=0.030)およびCol3(1.88 ± 0.12 vs. 1.23 ± 0.07, P = 0.030)のmRNA発現は、ONO-1301によって有意に抑制された。
 2.3. 細胞増殖能・遊走能: TGF-β1により増強した増殖能および遊走能は、ONO-1301によって有意に抑制された。

〔総 括(Conclusion)〕
マウス圧負荷心臓線維化モデルにおいて、ONO-1301投与によりFMT・心臓線維化が抑制され、心機能改善効果を認めた。

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