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大学・研究所にある論文を検索できる 「Pristane/Hypoxia (PriHx) Mouse as a Novel Model of Pulmonary Hypertension Reflecting Inflammation and Fibrosis」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Pristane/Hypoxia (PriHx) Mouse as a Novel Model of Pulmonary Hypertension Reflecting Inflammation and Fibrosis

森, 啓悦 大阪大学

2021.01.31

概要

〔目的(Purpose)〕
肺動脈性高血圧症(PAH)、特に結合組織病に伴うPAHは進行性で致死的な疾患である。内膜や中膜の肥厚、外膜の線維化に加え、炎症、免疫細胞の異常が重要な病態であることが分かっている。しかし、薬剤誘導系の既存マウスモデルは、炎症と線維化を十分に反映しておらず、炎症・線維化と低酸素状態の関係は明らかになっていない。本研究では、結合組織病に伴うPAH病態を反映したマウスモデルを作製し、病態形成に重要な因子を解明することを目的とした。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
方法:炎症・線維化・低酸素を反映した新規マウスモデルを作製すべく、鉱物油であるpristaneを腹腔内注射し1か月飼育した後に、1か月間10%酸素で飼育した群(PriHx)を、低酸素単独群(Hx)、pristane単独群(PriNx)ならびに無介入群(Nx)と比較した。肺高血圧症病態の評価の為、右室収縮期圧(RVSP)、中膜肥厚、及び右心室/(左心室+中隔)重量比を評価した。炎症細胞浸潤の程度、浸潤細胞の種類を確認する為、免疫組織染色およびフローサイトメトリーを行った。病態に関連が強い分子を同定する為、どのような遺伝子発現変化が生じているかをqPCRで評価した。間質性肺炎病態の合併を示すべく、HE染色に加え、マッソントリクローム染色を行い定量化し、線維化関連遺伝子の変化を確認した。カテーテルによる肺高血圧症病態の評価が遺伝子発現に期待しない変化を及ぼすことを避けるため、RVSPと相関の良い因子を同定した。最後に、炎症性サイトカインの内、インターロイキン6(IL-6)に着目しIL-6受容体抗体を用いて抑制実験を行い病態への寄与を確認した。

結果:肺高血圧症病態の確認の為行ったRVSP、中膜肥厚、右心室/(左心室+中隔)重量比のいずれの指標も、PriHxは他の3群に比してより病態が悪化していることが明らかとなった。また、PriHxではGr-1highCD68+ヘモジデリン貪食マクロファージやCD44+CD62LPD-1+細胞の割合が増加していた。遺伝子発現変化の確認の際には、RVSPと相関のよいヘモグロビン濃度(Hb)を参考に、Hb高値のPriHxの個体を抽出し他の群と比較した。Hb高値のPriHxは他の3群に比してよりIl6およびCxcl2mRNAなどの発現が亢進した。さらに、Pristane投与群では肺損傷が顕著で、PriHx群ではより線維化関連遺伝子(Tgfb1やCtgf)の発現が亢進することも明らかとなった。最後に、PriHx群に対するIL-6受容体抗体MR16-1を用いた抑制実験において、投与群は非投与群と比較してRVSP、右心室/(左心室+中隔)重量比の改善を認めた。

〔総括(Conclusion)〕
低酸素誘発性マウスモデルにPristaneを追加することで炎症、免疫異常、線維症を反映した新規マウスモデルを作製できた。肺高血圧症病態の形成にIL-6シグナルが重要であることが示唆された。

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