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大学・研究所にある論文を検索できる 「[研究トピックス]修士論文概要 : 多波長分光観測と偏光分光観測による太陽プロミネンスの物理量診断(修士論文)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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[研究トピックス]修士論文概要 : 多波長分光観測と偏光分光観測による太陽プロミネンスの物理量診断(修士論文)

橋本, 裕希 京都大学

2023.04

概要

11.2 修士論文概要
多波長分光観測と偏光分光観測による太陽プロミネンスの物理量診断(修
士論文)
太陽プロミネンスとは、高温な太陽コロナ中に浮かぶ低温高密なガス(プラズマ)の塊で
あり、光球から飛び出した磁力線により支えられて浮いていると考えられている。静穏領域
上空に浮かぶ「静穏型プロミネンス」は一般的に数週間程度安定して存在し、このことはプ
ロミネンスにおいてエネルギーバランスが成り立っている、つまり加熱と冷却がバランスして
いることを意味している。プロミネンスがどのように加熱されているかは未解明のままである
が、磁力線に沿って伝わる横波である「Alfvén波」が輸送するエネルギーがプロミネンス内
で散逸することで加熱(=「Alfvén波加熱」)が起きるという説が有力である(図左)。そこで
本研究では、Alfvén波がプロミネンスに輸送するエネルギーを定量的に評価し、Alfvén波
加熱の可能性を調査した。
飛騨天文台DSTの水平分光器を用い、2021年5月4日、2021年9月23日、2021年11月15
日、2021年11月30日の静穏型プロミネンスをHα(6563 Å)、Hβ(4861 Å), Ca II (8542
Å)輝線で分光観測を行った。そして、single-slabモデル及びnon-LTEモデル(Huang &
Ichimoto, in prep)を用いてプロミネンスの温度、非熱速度、密度等の物理量を推定した。
これらの物理量を用いてプロミネンスの冷却率Lを算出した。また、プロミネンスの磁場強度
を20 Gと仮定してAlfvén波が輸送するエネルギーFA を算出した。その結果、プロミネンスの
大部分の領域でL るエネルギーは冷却により失われるエネルギー分を補うことができる、つまりプロミネンスの
Alfvén波加熱の可能性が示唆された(Hashimoto et al, submitted to PASJ)。
また、飛騨天文台DST垂直分光器の偏光分光観測装置を用い、複数の静穏型プロミネ
ンス(及び活動領域上空に浮かぶ「活動領域型プロミネンス」)の磁場推定を行った。その
結果、静穏型プロミネンスの磁場は平均して約20 Gであり、FA を計算する際の仮定は妥当
であることが分かった(Hashimoto et al, in prep)。

図: (左)プロミネンスのAlfvén波加熱の概略図。(右)2021年5月4日に観測されたプロミネンスのL
(横軸)とFA(縦軸)の比較。各点がプロミネンスの各領域(=各空間ピクセル)に対応している。 ...

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