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大学・研究所にある論文を検索できる 「Population-based prevalence of femoroacetabular impingement in Japan」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Population-based prevalence of femoroacetabular impingement in Japan

森川 正和 三重大学

2022.07.20

概要

[背景・目的]
大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoro acetabular impingement : FAI)は、解剖学的な異常によりcam typeとpincertypeに分類され、前者は大腿骨の骨頭から頚部への移行部のくびれが消失してインピンジメントが生じるものであり、後者は寛骨臼に骨棘や形態異常があると過剰に大腿骨頭を疫うためにインピンジメントが生じるものとされる。そして、その両者を有するものを混合型(mixedtype)と称する。海外では疫学的研究の報告は散見されるが、日本における疫学的研究は限られているので、当科で行っている住民検診のデータを用いて、 FAI、変形性股関節症(Osteoarthritis : OA)の頻度、および両者の関連について検討した。

[対象と方法]
三重県多気郡旧宮)11村(現大台町)で2011年、2013年、 2015年の住民検診に参加した427例854関節を対象とした。平均年齢は71.6歳(50-96)で、 男性148例、女性279例であった。平均身長は155.2cm (136-182)、平均体重は56.7kg(31-88)、平均Body Mass Indexは23.5kg/rrr(16.0-35.4)であった。両股関節単純 X線正面像を用いて、 MathWorks社が開発している数値解析ソフトウェアであるMATLABにて、center edge(CE)角 、 acetabular roof obliquity (ARO)、 a角、 minimumjoint spacewidth(mJSW)を計測した。 FAIの診断は日本股関節学会(JHS)の診断基準またはAgricolaらが報告したa角: 60°以上とした。 JHSの診断基準におけるpincertypeはCE角 40°以上、 CE角 30°以上かつARO0°以下、 CE角 25°以上かつcross-oversign陽性のいずれかに該当するものであり、 camtypeはCE角 25°以上、 a角 55°以上でpistolgrip変形かherniationpitを認めるものである。 OAはKellgrenandLawrence(KL) grade 2以上として、 mJSW2.5m m以下を関節裂隙狭小化と定義した。疼痛の有無、 FAIとOAの頻度を調べ、 FAIとOAの関連、疼痛の有無との関連を調べた。統計はIBM社 製統計解析ソフトであるSPSSを用いてp値:0.05未満を有意差ありとした。

[結果]
検者間の有意差は認めなかった。FAIはJHSの診断基準では191関 節 (22.4%)に認め、pincertype 176関節(男性:女性=72:104)、camtype 12関 節 (男性:女性=9:3)、mixed type 3関節 (男性:女性=3:0)であった。性差では、 cam typeとmixedtypeで男性に有意に多かった。また、 a角 60°以上をFAIとしたものでは、 215関節 (25.2%)に認め、 pincertype 173関節(男性:女性=67: 106)、cam type 36関節 (男性:女性=2 3: 13)、mixedtype 6関節(男性:女性=5:1)であった。性差では、 camtypeとmixedtypeで男性に有意に多かった。 OAは34 関 節 (4.0%)に認めた。 FAIを有する患者でOAを認めるものは17関節 (2%)で、FAIとOAには有意な関連があり、 camtypeとmixed typeでOAと関連があった。 FAIと疼痛の有無に有意な関連性はなかった。

[考察]
FAIの頻度は、わが国ではpincertype 0.4-31 %、 camtype 0-22%と報告されており、欧米では住民検診も含めてpincertype 5-85%、cam type 4-81 %と報告によりさまざまである。 camtypeは、諸家の報告では男性より女性の方が頻度が高く、 OAと関連性があり、またアスリートで高頻度であるとの報告があるが、本研究においても、男性より女性の方が高頻度でOAとの関連性を認めた。また、pincertypeでは、諸家の報告では、女性の方が男性より頻度が多く、 OAとの関連性を認めないとの報告があるが、本研究では、性差は認めず、 OAとの関連性は認めない結果となった。さらにpincertypeにmixedtypeを合わせるとOAとの関連性を認め、 a角 60゜以上をFAIと診断した基準では、 OAと疼痛について関連性を認めるが、 JHSの診断基準では、 camtypeの有病率が下がるために、 OAと疼痛の関連性が減少する可能性がある結果となった。今回は両股関節単純 X 線正面像のみを用いた評価であるため、camtypeが少なく評価された可能性があり、 pincertypeが多かった。また、本研究では、FAIのほとんどが無症候性であったが、 Mascarenhasらは症候性が多いと報告している。 Limitationとしては、head-neck offset ratioを計測していないこと、 50歳以下の住民を測定しておらず、また、旧宮川村が限界集落であり日本の人口比と相関しないこと、住民健診に参加した人が健康的であることがあげられる。

[結語]
本研究では、 pincertypeがcam typeより多く、 FAIのほとんどが無症候性であったが、 OAと関連があることが示された。

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