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大学・研究所にある論文を検索できる 「皮下植込み型除細動器の植込みにおける切開線と広背筋の解剖学的位置関係の検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

皮下植込み型除細動器の植込みにおける切開線と広背筋の解剖学的位置関係の検討

園田, 祐介 神戸大学

2023.09.25

概要

Kobe University Repository : Kernel
PDF issue: 2024-05-02

The relationship between the incision line and
position of the latissimus dorsi muscle for
subcutaneous implantable cardioverter‐
defibrillator intermuscular implantations

園田, 祐介
(Degree)
博士(医学)

(Date of Degree)
2023-09-25

(Resource Type)
doctoral thesis

(Report Number)
甲第8730号

(URL)
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100485914
※ 当コンテンツは神戸大学の学術成果です。無断複製・不正使用等を禁じます。著作権法で認められている範囲内で、適切にご利用ください。

(課程博士関係)
学 位 論 文 の 内 容 要 旨

The relationship between the incision line and
position of the latissimus dorsi muscle for
subcutaneous implantable cardioverter-defibrillator
intermuscular implantations

皮下植込み型除細動器の植込みにおける
切開線と広背筋の解剖学的位置関係の検討

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻
循環器内科学不整脈先端治療学
(指導教員:平田 健一 教授)
園田

祐介

【背景】
植 込 み 型 除 細 動 器( ICD)は 心 臓 突 然 死 を 防 ぎ 、生 命 予 後 を 改 善
す る 。 経 静 脈 リ ー ド を 使 用 す る ICD シ ス テ ム ( Transvenous-ICD
[TV-ICD]) が 開 発 さ れ 、 1990 年 代 以 降 広 く 使 用 さ れ て き た 。 TVICD シ ス テ ム で は 、 リ ー ド は 鎖 骨 下 静 脈 か ら 右 心 室 に 留 置 さ れ る
た め 、心 筋 穿 孔 や 血 管 損 傷 、血 行 感 染 の 潜 在 的 リ ス ク が 課 題 で あ っ
た 。そ の 課 題 を 克 服 す る た め 、皮 下 植 込 み 型 ICD( SubcutaneousICD [S-ICD]) が 開 発 さ れ 、 2000 年 代 以 降 臨 床 使 用 さ れ て い る 。
S-ICD シ ス テ ム は 、 剣 状 突 起 上 部 か ら 胸 骨 前 面 皮 下 に 留 置 さ れ た
リ ー ド と 、 左 側 胸 部 に 留 置 す る S-ICD ジ ェ ネ レ ー タ 本 体 で 構 成 さ
れ る( 補 足 図 )。TV-ICD と 同 等 の 突 然 死 抑 止 効 果 と 安 全 性 を 示 し 、
特 に 心 血 管 内 に 留 置 物 が な く 、血 行 感 染 の リ ス ク が 極 め て 少 な い 。
し か し 、 S-ICD は 皮 下 植 込 み 故 に 、 心 腔 内 に リ ー ド が 留 置 さ れ る
TV-ICD に 比 べ 、心 室 細 動 を 除 細 動 す る た め に 高 い エ ネ ル ギ ー を 要
す る 。 実 際 、 TV-ICD の 最 高 出 力 は 40 Joule、 S-ICD は 80 Joule
に 設 計 さ れ て い る 。 S-ICD シ ス テ ム で は 、 前 胸 部 皮 下 リ ー ド と SICD 本 体 の 間 に 在 る 身 体 組 織 を 少 な く す る こ と で 除 細 動 に 要 す る
エ ネ ル ギ ー( 除 細 動 閾 値 )を 低 減 で き る 。即 ち 、リ ー ド は 胸 骨 前 面
に 接 し 、S-ICD 本 体 は 側 胸 部 胸 郭 近 く へ の 留 置 が 望 ま し い 。現 在 、
除 細 動 閾 値 低 減 の た め 、 S-ICD 本 体 留 置 部 位 は 、 広 背 筋 外 側 皮 下
の“ 皮 下 ポ ケ ッ ト ”で な く 、前 鋸 筋 と 広 背 筋 間 の“ 筋 肉 間 ポ ケ ッ ト ”
が推奨される。
し か し 、 開 発 当 初 S-ICD 本 体 は 、 皮 下 ポ ケ ッ ト 留 置 を 想 定 し て
い た 。 開 発 メ ー カ ー が 提 示 す る S-ICD 植 込 み マ ニ ュ ア ル は 、 皮 下
ポ ケ ッ ト 作 成 を 前 提 と し 、皮 膚 切 開 線 を 第 5、第 6 肋 間 腋 窩 中 線 上
に 置 く こ と を 提 唱 し て い る 。し か し 、筋 肉 間 ポ ケ ッ ト 作 成 に は 、皮
膚 切 開 線 直 下 に 前 鋸 筋 と 広 背 筋 の 境 界( = 広 背 筋 の 前 縁 )を 視 認 す
ることが要となるが、皮下ポケット作成を前提とした推奨切開線
は 、筋 肉 間 ポ ケ ッ ト 作 成 に も 最 適 と は 限 ら な い 。さ ら に 、こ れ ま で
S-ICD 本 体 の 筋 肉 間 ポ ケ ッ ト 作 成 の た め に 、 広 背 筋 前 縁 の 位 置 を
評価した報告はなく、本研究を立案した。
【目的】
ICD 植 込 み 適 応 症 例 に お い て 、CT 画 像 で 広 背 筋 前 縁 の 位 置 を 同
定し、広背筋前縁の位置に影響する因子を評価すること。

1

【方法】
当 院 で 2016 年 6 月 か ら 2022 年 5 月 の 間 に TV-ICD も し く は SICD の 新 規 植 込 み 術 を 受 け た 患 者 の う ち 、 術 前 6 か 月 以 内 に 胸 部
CT を 施 行 さ れ た 患 者 を 対 象 と し た 。 CT 撮 像 の 理 由 は 、 原 疾 患 の
診 断 、 肺 炎 の 診 断 な ど で あ り 、 ICD 植 込 み 術 の た め に 行 っ た 検 査
で は な い 。 な お 、 20 歳 未 満 、 左 側 胸 部 の 手 術 歴 が あ る 、 既 存 の ペ
ー ス メ ー カ ー 、 ICD が 在 る 患 者 は 除 外 し た 。
広 背 筋 の 位 置 は 胸 部 CT 水 平 断 画 像 を 使 用 し 、 左 第 5、 6、 7 肋
骨がそれぞれ腋窩中線上にある 3 スライスで計測した。広背筋前
縁位置の評価は、各スライスで背面から左広背筋前縁までの距離
( A)、 胸 壁 の 前 後 幅 ( B) を 測 定 し 、 そ の 比 ( A/B) の 平 均 値 を 用
い た ( 図 1)。
ま た 、広 背 筋 前 縁 の 位 置 と 年 齢 、性 別 、身 長 、体 重 、血 液 検 査 、
心 エ コ ー 図 検 査 結 果 、病 歴 と の 関 連 性 も 評 価 し た 。な お 、こ れ ら の
身 体 ・ 検 査 デ ー タ は CT 撮 影 時 の デ ー タ を 使 用 し た 。
【結果】
対 象 期 間 内 に 150 例 が TV-ICD あ る い は S-ICD の 新 規 植 込 み
術 を 受 け た 。 そ の う ち 、 術 前 6 か 月 以 内 に 胸 部 CT 検 査 歴 の あ っ
た 78 例 が 解 析 対 象 と な っ た 。 平 均 年 齢 は 60.7±15.2 歳 、 女 性 が
13 例( 16.7%)、平 均 身 長 は 165±9cm、BMI は 22.2±3.13kg/m 2 。
S-ICD 植 込 み が 25 例 ( 32.1% )、 突 然 死 一 次 予 防 目 的 が 19 例
( 24.4%)、 NYHA II-IV 度 心 不 全 合 併 例 が 42 例 ( 53.8%)、 糖 尿
病 患 者 が 14 例 ( 17.9%) で あ っ た 。
CT で 測 定 し た 背 面 か ら 左 広 背 筋 前 縁 ま で の 距 離 ( A) の 平 均 は
111.1±18.7mm、 胸 壁 の 前 後 幅 ( B) の 平 均 は 210.0±24.0mm、
そ の 比( A/B)の 平 均 値 は 0.53±0.062。A、B、A/B は 、い ず れ も
正 規 分 布 で あ っ た 。 A/B の 分 布 を 図 2 に 示 す 。 ま た 、 広 背 筋 前 縁
の 位 置 が よ り 前 方 、後 方 に あ る 典 型 的 な 症 例 の 画 像 を 図 3 に 示 す 。
また、広背筋前縁の位置に影響する因子を検討すると、男性
( 0.54 ±0.063 vs 0.50 ±0.048, p=0.016 )、 突 然 死 一 次 予 防 適 応
( 0.57±0.057 vs 0.52±0.06, p=0.0029)、 非 糖 尿 病 症 例 ( 0.53±
0.065 vs 0.51±0.042, p=0.049 )お よ び 非 心 不 全 症 例( 0.55±0.063
vs 0.51±0.058, p=0.012)で 、広 背 筋 前 縁 は 有 意 に 前 方 に 在 っ た 。
さ ら に 、 よ り 若 年 ( 相 関 係 数 ( r ) =-0.39, p=0.00043 )、 高 身 長
( r=0.25, p=0.025 ) お よ び BNP 値 が 低 い ( r=-0.34, p=0.0023)
ほど、広背筋前縁はより前方に在る傾向が見られた。
2

【考察】
本研究で、広背筋前縁の位置は症例毎に大きく異なることが示
された。このことは皮膚切開線直下に広背筋前縁を視認し容易に
S-ICD の 筋 肉 間 ポ ケ ッ ト 作 成 の た め に 、症 例 毎 に 切 開 線 を 設 定 す
る必要性を示唆する。
広背筋前縁が胸壁の前後幅に比べ相対的により前方に在るの
は 、 背 面 か ら 広 背 筋 前 縁 ま で の 距 離 ( A) が 長 い 、 胸 壁 の 前 後 幅
( B) が 短 い 、 あ る い は そ の 両 方 の 場 合 と 考 え ら れ る 。 図 4 に 示
す 通 り 、 A と A/B( 広 背 筋 前 縁 の 位 置 ) は 正 の 相 関 関 係 を 示 し た
が 、B は A/B と 相 関 し て い な か っ た 。A と B の 相 関 散 布 図 を み る
と ( 図 4 左 )、 A と B の 相 関 を 示 す 直 線 の 傾 き は 、 A/B= 0.5 の 直
線 よ り も 大 き い 。こ の こ と は 、胸 壁 の 前 後 幅( B)が 大 き く な る と 、
広 背 筋 前 縁 ま で の 距 離( A)は 、B の 増 加 幅 よ り も 大 き い こ と を 示
す。言い換えれば、胸郭の大きい症例では、相対的に広背筋筋肉
量が多く、前縁がより前方に在ると推測される。この推測は、広
背 筋 前 縁 が よ り 前 方 に 在 る 因 子 が 若 年 、高 身 長 、男 性 、一 次 予 防 、
非心不全症例、非糖尿病症例であった結果から支持される。若年
者は高齢者より、男性は女性より筋肉量が多く、心不全患者や糖
尿病患者では筋委縮が観察され易い。しかし、本研究では筋肉量
を測定していないため、広背筋筋肉量と広背筋前縁の位置との関
連を明確に示すことはできない。
ま た 、ICD 植 込 み 症 例 を 対 象 と し た 本 研 究 で 、広 背 筋 前 縁 の 平 均
位 置 は 腋 窩 中 線 よ り 前 方 で あ っ た 。 既 報 で は 、 S-ICD 植 込 み 症 例
は TV-ICD 植 込 み 症 例 に 比 べ 、 突 然 死 一 次 予 防 目 的 、 若 年 、 非 心
不 全 症 例 、 非 糖 尿 病 症 例 を 多 く 含 む 。 し た が っ て 、 S-ICD 適 応 患
者群では、広背筋前縁はより前方に位置する可能性がある。よっ
て 、 S-ICD 本 体 ポ ケ ッ ト 作 成 に 際 し 、 従 来 推 奨 さ れ る 腋 窩 中 線 上
の切開は、多くの場合、広背筋前縁より後方となるため、前鋸筋
と広背筋の境界(=広背筋の前縁)を速やかに視認し、出血など
の合併症なく筋肉間ポケットを作成することを難しくする。さら
に 、 S-ICD 植 込 み 手 技 を 行 う 多 く の 循 環 器 内 科 医 、 特 に 植 込 み 初
心者は、手術操作を行う側胸部の筋・骨格の解剖学的知識が豊富
と は 言 え な い 。 本 研 究 に 基 づ い て 、 S-ICD 本 体 の 筋 肉 間 ポ ケ ッ ト
作 成 に は 、 術 前 に 撮 ら れ て い た CT/MRI の 活 用 が 有 用 と 考 え る 。
加えて、我々は以前、術前皮下超音波検査で、前鋸筋と広背筋の
境界(=広背筋の前縁)を同定し、切開線を設定する手術法を報
3

告した。超音波検査は、被ばくがなく、リアルタイム に手術時の
体位で、前鋸筋と広背筋の境界(=広背筋の前縁)の同定が容易
であり、筋肉間ポケット作成に有用な方法と考える。
【結語】
広背筋前縁の平均的な位置は腋窩中線より前方にあり、その分
布 は 個 人 差 が 大 き い 。若 年 、高 身 長 、男 性 、一 次 予 防 、非 心 不 全 、
低 BNP 値 、 非 糖 尿 病 患 者 で は 、 広 背 筋 前 縁 は よ り 前 方 に 位 置 す
る 傾 向 が あ る 。安 全 に S-ICD 本 体 の 筋 肉 間 ポ ケ ッ ト 作 成 す る た め
に 、術 前 CT/MRI/ 超 音 波 な ど を 使 用 し 、広 背 筋 前 縁 の 位 置 を 同 定
することを提唱する。

4

補足図.

図 .1

5

図 2.

図 3.

図 4.

6

神戸大学大学院医学研 究科 (
博士課程 )

論 文 寧 査 の 糸吉 果 の 翠 芦

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論文題目





受 付 番 号

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皮下植込み型 除細動器の植込みにおける切開線と 広背筋の解剖学 的
位置関係 の検討

主 査

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審査 委員

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園田 祐 介



呑 豆 叫/\



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副 査

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(要旨は 1, 000字∼ 2, 000字程度)

植込み型除細動器( ICD) は心臓突然死を防ぎ、生命予後を改善する 。初めに経静脈リ

T
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a
ns
venous-ICD[
T
V
I
C
D
])が開発された。この TV-ICD
ード を使用する ICDシステム (
システムでは 、リー ドが心血管内に留置されるため、 心筋穿孔や血管損傷、 血行感染の潜
在 的 リ ス ク が 課 題 で あ っ た 。 そ の 課 題 を 克 服 す る た め 、 皮 下 植 込 み 型 ICD

t
aneous-ICD[
S
I
C
D
])が開発され、近年臨床使用されている。 8-ICDシステムは、
(Subcu
剣状突起上部から胸骨前面皮下に留置されたリードと、左側胸部に留置する 8ICDジェネ
ICDと同等の突然死抑止効果と安全性を示すが、 8-ICDは
レータ本体で構成される 。TV
皮下植込み故に 、心腔内 にリー ドが留置される TV-ICDに比べ、心室細動を除細動するた
0Jou
l
e、8-ICDは 80Jo
u
l
e
めに高いエネルギーを要する 。実 際
、 TV-ICDの最高出力は 4
に設計されている。 SICDシステムでは、前胸部皮下 リードと 8-ICD本体の間に在る身体
組織を少なくすることで除細動閾値を低減できる 。即ち、リードは胸骨前面に接し 、S-ICD
本体は側胸部胸郭近くへの留置が望ましい。このため 、8ICD本体留置部位は元々広背筋
外側皮 下の皮下ポケッ トであったが、近年前鋸筋と広背筋 間の筋 肉間ポケットが推奨され
ている。この 8-ICDを留置するにあたり、開発当初、メ ーカーが提示する 植込みマニュア
ルで、皮廂切開線を第 5、第 6肋間腋腐中線上に置くことを提唱している 。し かし、筋肉
間ポケット作成には、皮屈切開線直下に前鋸筋と広背筋の境界、すなわち広背筋の前縁を
視認することが要となるが、皮下ポケット作成を前提とした推奨切開線は、筋肉間ポケッ

ICD本体の筋肉間ポケット作成のため
ト作成にも最適とは限らない。さらに、これまで 8に、広背筋前縁の位置を評価した報告はなく、本研究を立案した。
本研究の目的は、 ICD植込み適応症例 において 、CT画像で広背筋前縁の位置を同定し、

016年 6月から 2022年
広背筋前縁の位置に影響する因子を評価す ることである。当院で 2
5月の間に TV-ICDもしくは 8-ICDの新規植込み術を受けた患者のうち、術前 6か月以内
に胸部 CTを施行された 7
8名の患者を対象とした。 CTで背面から広背筋前縁までの距離
と胸壁の前後径の 比 を計算し、それを広背筋前縁の位置と定義した。その結果、広背筋前
縁の位置は正規分布を示し、その平均は腋禽中線よりやや前方の位置にあった。特に、男
性、若年、高身長、突然死一次予防、非心不全、低 BNP値
、 非糖尿病といった患者でよ
り前方にある傾 向であった。これらの因子のうち、男性、若年、非心不全、 非糖尿病の症
例 に共通することとして、筋肉量が多いということが考えられた。今 回の検討では筋肉呈
の測定は行われていないが、広背筋前縁の位置に影響する可能性が考えられた。また、今
回の結果から、筋肉間植え込みのための切開線の設定は従来のように 一律に設定するので

ICDの植込み対象となる患者はより
はなく 、症例ごとに検討すべきと考えられた。特に 8前方にある因子の割合が多く、従来法では植え込みにくくなる恐れがある 。植え込みを行
う循環器内科 医は側胸部の筋肉の解剖の知識が豊富とは言 えない。 以前 に広背筋前縁の位
置を術前にエコ ーで評価することで適切な切開線を設定し、筋肉間へのアプロ ーチ を容易
にできたという報告もある 。安全に 8ICD本体の筋肉間ポケット作成するために、術前

CT/MR
I/超音波などを使用し、広背筋前縁の位置 を同定することが推奨される 。

本研究は、皮下植込み型除細動器の筋肉間植え込みを行う際の適切な切開線を設定する
うえで必要となる広背筋前縁の位置情報について、 CTを用いて評価した研究であるが、
従来の画ー的な切開線設定では不適切な症例が出てくる可能性を示唆し、今後個々の症例
に画像評価を用いた切開線設定をすべきであることを示す重要な知見を得たものとして価
値ある集積であると認める 。よって、本研究者は博士(医学)の学位を得る資格があると
認める。

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