特発性大腿骨頭壊死症における骨頭圧潰幅と関節面不整の関係
概要
九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Relationship between the degree of subchondral
collapse and articular surface irregularities
in osteonecrosis of the femoral head
山本, 典子
https://hdl.handle.net/2324/7157299
出版情報:Kyushu University, 2023, 博士(医学), 課程博士
バージョン:
権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)
氏 名:
山本 典子
論文名:
Relationship between the degree of subchondral collapse and articular
surface irregularities in osteonecrosis of the femoral head
(特発性大腿骨頭壊死症における骨頭圧潰幅と関節面不整の関係)
区 分:
甲
論 文 内 容 の 要 旨
圧潰した壊死骨頭ではしばしば関節面の凹凸不整が観察されるが、圧潰の程度が関節面に及ぼす影
響については十分に分かっていない。我々はまず、手術時に摘出された76壊死骨頭を対象に、2mmスラ
イス厚のマイクロCT冠状断像における関節面の不整を巨視的に評価した。関節面の不整は68/76骨頭で
観察され、主に外側の壊死境界域で観察された。関節面不整を有する骨頭は不整の無い骨頭よりも平
均圧潰幅が有意に大きかった(p<0.0001)。ROC曲線解析において、外側の壊死境界域に関節面不整
を有する骨頭の圧潰幅のカットオフ値は1.1mmであった。次に、圧潰幅が3mm未満の28骨頭を対象に、
自動的にカウントされた負の点の数に基づいて関節面の不整を定量的に評価した。その結果、関節面
の不整の程度と圧潰幅との間には正の相関を認めた(r=0.95, p<0.0001)。壊死域を覆う関節軟骨の
組織学的評価を行ったところ(n=8)、石灰化層における細胞壊死と、深層および中層における細胞配
列の異常が認められた。結論として、壊死骨頭における関節面の凹凸不整は圧潰の程度に依存してお
り、肉眼的凹凸不整を伴わなくとも関節軟骨はすでに変化していた。