CCR8-targeted specific depletion of clonally expanded Treg cells in tumor tissues evokes potent tumor immunity with long-lasting memory
概要
〔冃的(Purpose)〕
制御性T細胞(Tregs)は免疫恒常性維持に必須な免疫抑制性のT細胞である。Tregsはがんに対する免疫応答も抑制するため、Tregsの機能抑制あるいは数を減少させることはがん免疫応答を活性化させる治療法になると考えられている。しかし、全身性にTregsを標的とすると、がん組織のみならず、自己正常組織に対する免疫応答活性化も引き起こしてしまう。そこで本研究は、全身性Tregs抑制による自己免疫炎症発生の副作用を冋避し、がん免疫応答抑制に関わるTregsのみを標的とする治嫌法の開発を目的として行った。
〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
マウスCT26担がんマウスモデルを用いて、胞瘍浸潤T細胞のシングルセル免疫プロファイリング(退伝『発現およぴTCRレパトア解析)を行い、胭瘍浸潤かつクローン増殖Tregs選択的マーカーとしてCCR8を同定した。このCCR8に対するモノクローナル抗体を担がんマウスに投与すると、全身性の自己免疫炎症は観察されず、腫力内のTregsが選択的に減少して、腫瘍完全退縮を含む強い抗通瘍効果が得られた。また、既存の免疫療法の一つである抗PDT抗体と抗CCR8抗体の併用によって相乗的な抗腫瘍効果が観察された。抗CCR8抗体投与後の胞瘍浸潤T細胞のシングルセル遺伝子発現解析およびフローサイトメトリ-•解析により、抗CCR8抗体投与は、抗PDT抗体投与と異なり、CD8だけでなく CD4 T細胞および抗原提示細胞も活性化した。さらに、抗CCR8抗体によって傾療が治癒したマウスに再度腫瘍を移植すると、その移植腕瘍は速やかに拒絶された。
〔総括(Conclusion)〕
抗CCR8抗体による腼痛浸潤クローン増殖性Tregs除去は、がん免疫応答に関わるTregsのみを選択的に標的としていると考えられ、強力ながん免疫応答誘導およびがん免疫記憶促進を可能にするこの治療法は、全身性の自己免疫炎症発生を同避した新規のTregs標的免疫療法となりうる。