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大学・研究所にある論文を検索できる 「日本人女性における乳がん・子宮体がん・結腸がん・肺がんの最近の動向 -乳がんの年齢階層別発症率パターンが米国在住東南アジア人に近づく-」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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日本人女性における乳がん・子宮体がん・結腸がん・肺がんの最近の動向 -乳がんの年齢階層別発症率パターンが米国在住東南アジア人に近づく-

浅田, 里紗 早出, 廉 成瀬, 祐子 青木, 雄次 信州大学

2023.08.22

概要

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

   日本人女性における乳がん・子宮体がん・結腸がん・肺がんの最近の動向
01-5日本人女性における乳がん・子宮体がん・結腸がん・肺がんの最近の動向
-乳がんの年齢階層別発症率パターンが米国在住東南アジア人に近づく-
-乳がんの年齢階層別発症率パターンが米国在住東南アジア人に近づく-
浅田里紗、早出 廉(松本大学人間健康学部健康栄養学科)
浅田里紗、早出 廉(松本大学人間健康学部健康栄養学科)
成瀬祐子、青木雄次(松本大学大学院健康科学研究科)
成瀬祐子、青木雄次(松本大学大学院健康科学研究科)

キーワード: 日本人女性、乳がん、子宮体がん、結腸がん、肺がん
キーワード: 日本人女性、乳がん、子宮体がん、結腸がん、肺がん

要旨:日本人女性の乳がん、子宮体がん、結腸がん、肺がんの年齢階層別発症率と死亡率について、
要旨:日本人女性の乳がん、子宮体がん、結腸がん、肺がんの年齢階層別発症率と死亡率について、

2004 年から最新の 2019 年までのデータについて検討した。乳がんと子宮体がんは発症率と死亡率
2004 年から最新の 2019 年までのデータについて検討した。乳がんと子宮体がんは発症率と死亡率両

両者が増加しており、結腸がんと肺がんは高齢者の発症率に増加がみられるが、死亡率は不変また
者が増加しており、結腸がんと肺がんは高齢者の発症率に増加がみられるが、死亡率は不変またはや

はやや減少傾向であった。二峰性を示す年齢階層別乳がん発症率パターンの閉経後ピークが、以前
や減少傾向であった。二峰性を示す年齢階層別乳がん発症率パターンの閉経後ピークが、以前示した
示した
60-64 70-74
歳から
70-74 歳へと米国在住の東南アジア人に近づいていた。肥満率や大豆製品の摂
60-64 歳から
歳へと米国在住の東南アジア人に近づいていた。肥満率や大豆製品の摂取量の変化
取量の変化との関係はみられず、これまでに指摘の西欧化する生活スタイルの影響が推測される。
との関係はみられず、これまでに指摘の西欧化する生活スタイルの影響が推測される。
A.目的

ービス(http://gdb.ganjoho.jp/graph_db/)より

A.目的
乳がんの年齢階層別発症率パターンが、2005 年
 乳がんの年齢階層別発症率パターンが、2005

サービス(http://gdb.ganjoho.jp/graph_db/)よ
データを得た。
最近の米国における人種別年齢階

から 2015 年にかけて二峰性を呈して上昇してお

層別乳がん発症率(2000 年を基準人口とした

り、肥満率ではなく飲酒・喫煙率の年次推移と相

2015 年から 2019 年の平均発症率)について、米

関することを、昨年の信州公衆衛生学会総会にお

りデータを得た。最近の米国における人種別年

年から 2015 年にかけて二峰性を呈して上昇して

齢階層別乳がん発症率(2000 年を基準人口とし

おり、肥満率ではなく飲酒・喫煙率の年次推移

た 2015 年から 2019 年の平均発症率)について、

と相関することを、昨年の信州公衆衛生学会総

国がん学会の報告書 2)の図を使用した。
2)

1)
。ここでは、
2019 年までの最新の
いて報告した
1)
会において報告した
。ここでは、2019
年まで

日本人女性における2004
2004
年から
2019
年の年
日本人女性における
年から
2019
年の年齢

データを追加し、
閉経後の乳がん発症率の動向に
の最新のデータを追加し、閉経後の乳がん発症

齢階層別肥満率
(BMI25以上)および
以上)および 2011
2011年から
年から
階層別肥満率(BMI25

注目し検討した。
率の動向に注目し検討した。

2019
年の大豆製品摂取量は、国立衛生研究所の
2019 年の大豆製品摂取量は、国立衛生研究所の

B.方法
B.方法

国民健康・栄養調査(https://www.mhlw.go.jp/
国民健康・栄養調査(https://www.mhlw.go.jp/

 日本人女性の乳がん、子宮体がん、結腸がん、
日本人女性の乳がん、子宮体がん、結腸がん、

bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.htm)より
bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.htm)
よりデ

肺がんの 2004
肺がんの
2004 年から
年から2019
2019年の年齢階層別発症
年の年齢階層別発症

データを得た。
ータを得た。

米国がん学会の報告書

率および死亡率は、国立がんセンターがん情報

の図を使用した。

率および死亡率は、国立がんセンターがん情報サ

図 1.日本人女性における 2004 年以降 5 年毎の年齢階層別がん発症率と死亡率
30

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

C.結果
C.結果
図 1 に示すように、乳がんと子宮体がんは発症
図 1 に示すように、乳がんと子宮体がんは発症
C.結果
率と死亡率両者が増加しており、
結腸がんと肺が
C率と死亡率両者が増加しており、
.結果
結腸がんと肺が
 図
1
に示すように、乳がんと子宮体がんは発症
んは高齢者の発症率に増加がみられるが、死亡率
図 1 に示すように、乳がんと子宮体がんは発症
んは高齢者の発症率に増加がみられるが、
死亡率
率と死亡率両者が増加しており、結腸がんと肺
は不変またはやや減少傾向であった。この乳がん
率と死亡率両者が増加しており、
結腸がんと肺が
は不変またはやや減少傾向であった。
この乳がん
がんは高齢者の発症率に増加がみられるが、死
発症率を最近の米国における人種別乳がん発症
んは高齢者の発症率に増加がみられるが、
死亡率
発症率を最近の米国における人種別乳がん発症
亡率は不変またはやや減少傾向であった。この
率のグラフに重ねると(図 2)、日本人女性の閉
は不変またはやや減少傾向であった。
この乳がん
乳がん発症率を最近の米国における人種別乳が
率のグラフに重ねると(図
2)、日本人女性の閉
経後のピークが
60-64
歳から
70-74
歳へと米国
ん発症率のグラフに重ねると(図
2)、日本人女
発症率を最近の米国における人種別乳がん発症
経後のピークが
60-64 歳から 70-74
歳へと米国
在住の東南アジア人に近づいていた。
性の閉経後のピークが
60-64
歳から
70-74
歳へと
率のグラフに重ねると(図
2)、日本人女性の閉
在住の東南アジア人に近づいていた。

図 4.大豆製品摂取量の年齢階層別別年次推移
図 4.大豆製品摂取量の年齢階層別別年次推移

米国在住の東南アジア人に近づいていた。
経後のピークが
60-64 歳から 70-74 歳へと米国

在住の東南アジア人に近づいていた。

D.考察
図 4.大豆製品摂取量の年齢階層別別年次推移
D.考察
閉経前後に 2 峰性を示す 2015 年までの乳が
閉経前後に 2 峰性を示す 2015 年までの乳が
D.考察
ん発症率について、閉経後のピークが米国と比べ
D.考察
ん発症率について、閉経後のピークが米国と比べ
 閉経前後に 2 峰性を示す 2015 年までの乳がん
て低いのが日本人女性の特徴であり、
低い肥満率
閉経前後に 2 峰性を示す 2015 年までの乳が
て低いのが日本人女性の特徴であり、
低い肥満率
発症率について、閉経後のピークが米国と比べ
と大豆食品の摂取が影響している可能性を以前
ん発症率について、
閉経後のピークが米国と比べ
と大豆食品の摂取が影響している可能性を以前
て低いのが日本人女性の特徴であり、低い肥満
報告した 3)3)。2019 年には、そのピークが米国人
て低いのが日本人女性の特徴であり、
低い肥満率
。2019 年には、そのピークが米国人
報告した
率と大豆食品の摂取が影響している可能性を以
と同じ年齢階層へと変化し増加率が大きくなっ
と大豆食品の摂取が影響している可能性を以前
前報告した 3)。2019 年には、そのピークが米国
と同じ年齢階層へと変化し増加率が大きくなっ
ていたが、
3)肥満率と大豆製品摂取量の変化の影響
人と同じ年齢階層へと変化し増加率が大きくな
。2019
年には、そのピークが米国人
報告した
ていたが、
肥満率と大豆製品摂取量の変化の影響
とは考えにくい結果であった。
結腸がんや肺がん
っていたが、肥満率と大豆製品摂取量の変化の
と同じ年齢階層へと変化し増加率が大きくなっ
とは考えにくい結果であった。
結腸がんや肺がん
と同様に加齢に伴う変化の寄与が大きくなって
影響とは考えにくい結果であった。結腸がんや
ていたが、
肥満率と大豆製品摂取量の変化の影響
と同様に加齢に伴う変化の寄与が大きくなって
肺がんと同様に加齢に伴う変化の寄与が大きく
いることも推察される。一方、各年齢層で乳がん
とは考えにくい結果であった。
結腸がんや肺がん
いることも推察される。一方、各年齢層で乳がん
なっていることも推察される。一方、各年齢層
発症率が増加を続けており、
これまで指摘されて
と同様に加齢に伴う変化の寄与が大きくなって
発症率が増加を続けており、これまで指摘されて
で乳がん発症率が増加を続けており、これまで
いる食生活を含めた西欧化する生活スタイルの
いることも推察される。一方、各年齢層で乳がん
いる食生活を含めた西欧化する生活スタイルの
指摘されている食生活を含めた西欧化する生活
影響に、より注意を向ける必要があると思われた。
発症率が増加を続けており、
これまで指摘されて
影響に、
より注意を向ける必要があると思われた。
スタイルの影響に、より注意を向ける必要があ
E.利益相反
いる食生活を含めた西欧化する生活スタイルの
E.利益相反
ると思われた。
利益相反なし。
影響に、
より注意を向ける必要があると思われた。
利益相反なし。
E.利益相反
F.文献
 利益相反なし。
E.利益相反
F.文献
1)新津天音・他.最近の乳がん増加が肥満率で
F.文献
利益相反なし。
1)新津天音・他.最近の乳がん増加が肥満率で
はなく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州
1)
新津天音 他.最近の乳がん増加が肥満率では
F.文献
はなく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州
なく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州公
公衆衛生雑誌
17: 42-43, 2022.
1)新津天音・他.最近の乳がん増加が肥満率で
公衆衛生雑誌 17: 42-43, 2022.
42-43, Society.
2022.
2) 衆衛生雑誌
American 17:
Cancer
Breast cancer
2)はなく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州
American Cancer Society. Breast cancer
2)
American
Cancer
Society.
occurrence.
Breast
Cancer
Facts &Breast
Figurescancer
2022公衆衛生雑誌
17: 42-43,
2022.& Figures 2022occurrence. Breast
Cancer Facts
occurrence. Breast Cancer Facts & Figures
2024: 3-11, 2023.
2) 2024:
American
Cancer Society. Breast cancer
3-11, 2023.
2022-2024:
3-11, 2023.
3) Tokutake N, et al. Age-specific incidence rates of
occurrence.
Breast
Cancer
Facts &
Figures
2022-of
3)3)
N,
et
Age-specific
incidence
rates
Tokutake
Tokutake
N, al.
et
al. Age-specific
incidence
breast cancer among Japanese women increasing in
2024:
3-11,
breast
cancer
among Japanese
in
rates
of2023.
breast
cancer women
amongincreasing
Japanese
a conspicuous
bimodal
distribution.
Proc
Singapore
women N,
increasing
in
a conspicuous
bimodal
3) aTokutake
etbimodal
al. Age-specific
incidence
rates of
conspicuous
distribution.
Proc Singapore
Healthcare
30
(2):
166-169,
2021.
distribution.
Singapore
Healthcare
breast
cancer30among
Japanese
women
increasing 30
in
Healthcare
(2):Proc
166-169,
2021.

図 2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率
図 2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率
 肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日

肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日
図本人女性の閉経後とされる
2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率
肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日
50 歳以降はむしろ低
本人女性の閉経後とされる 50 歳以降はむしろ低
下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次
本人女性の閉経後とされる
50 歳以降はむしろ低
下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推
推移(図
4)は、50 歳以降でやや増加傾向であ
肥満率の年次推移(図
3)をみると、一般に日
下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推

(図
4)
は、
50
歳以降でやや増加傾向であった。
った。
本人女性の閉経後とされる
50 歳以降はむしろ低

(図 4)
は、
50 歳以降でやや増加傾向であった。
下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推

(図 4)
は、
50 歳以降でやや増加傾向であった。

図 3.肥満率の年齢階層別年次推移
図 3.肥満率の年齢階層別年次推移

(2): 166-169,
2021.distribution. Proc Singapore
a conspicuous
bimodal

図 3.肥満率の年齢階層別年次推移

Healthcare 30 (2): 166-169, 2021.
31

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. ...

この論文で使われている画像

参考文献

はなく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州

なく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州公

公衆衛生雑誌

17: 42-43, 2022.

1)新津天音・他.最近の乳がん増加が肥満率で

公衆衛生雑誌 17: 42-43, 2022.

42-43, Society.

2022.

2) 衆衛生雑誌

American 17:

Cancer

Breast cancer

2)はなく飲酒・喫煙習慣に関連する可能性.信州

American Cancer Society. Breast cancer

2)

American

Cancer

Society.

occurrence.

Breast

Cancer

Facts &Breast

Figurescancer

2022公衆衛生雑誌

17: 42-43,

2022.& Figures 2022occurrence. Breast

Cancer Facts

occurrence. Breast Cancer Facts & Figures

2024: 3-11, 2023.

2) 2024:

American

Cancer Society. Breast cancer

3-11, 2023.

2022-2024:

3-11, 2023.

3) Tokutake N, et al. Age-specific incidence rates of

occurrence.

Breast

Cancer

Facts &

Figures

2022-of

3)3)

N,

et

Age-specific

incidence

rates

Tokutake

Tokutake

N, al.

et

al. Age-specific

incidence

breast cancer among Japanese women increasing in

2024:

3-11,

breast

cancer

among Japanese

in

rates

of2023.

breast

cancer women

amongincreasing

Japanese

a conspicuous

bimodal

distribution.

Proc

Singapore

women N,

increasing

in

a conspicuous

bimodal

3) aTokutake

etbimodal

al. Age-specific

incidence

rates of

conspicuous

distribution.

Proc Singapore

Healthcare

30

(2):

166-169,

2021.

distribution.

Singapore

Healthcare

breast

cancer30among

Japanese

women

increasing 30

in

Healthcare

(2):Proc

166-169,

2021.

図 2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率

図 2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率

肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日

肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日

図本人女性の閉経後とされる

2.日本人と米国人の年齢階層別乳がん発症率

肥満率の年次推移(図 3)をみると、一般に日

50 歳以降はむしろ低

本人女性の閉経後とされる 50 歳以降はむしろ低

下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次

本人女性の閉経後とされる

50 歳以降はむしろ低

下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推

推移(図

4)は、50 歳以降でやや増加傾向であ

肥満率の年次推移(図

3)をみると、一般に日

下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推

(図

4)

は、

50

歳以降でやや増加傾向であった。

った。

本人女性の閉経後とされる

50 歳以降はむしろ低

(図 4)

は、

50 歳以降でやや増加傾向であった。

下傾向であった。また、大豆製品摂取量の年次推

(図 4)

は、

50 歳以降でやや増加傾向であった。

図 3.肥満率の年齢階層別年次推移

図 3.肥満率の年齢階層別年次推移

(2): 166-169,

2021.distribution. Proc Singapore

a conspicuous

bimodal

図 3.肥満率の年齢階層別年次推移

Healthcare 30 (2): 166-169, 2021.

31

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

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