ガス微粒子化装置–ガス交換器–ICPMSによる大気中の粒子状及びガス状ヒ素の直接分析
概要
大気粉塵 (Airborne Particulate Matter, APM)は大気中に浮遊する粒子であり、その中でも As は毒性の高い元素であるため大気中の As 濃度をモニタリングする必要がある 1。先行研究により、ガス成分を Ar ガスに置換するガス交換器 (Gas Exchange Device, GED) と誘導結合プラズマ質量分析計 (Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer, ICPMS) を接続することで APM を直接分析するリアルタイムモニタリング法が開発された 2。一方、大気中にはガス状 As も存在しており、猛毒なアルシン類が含まれている可能性があるためガス状 As の濃度をモニタリングする必要がある。しかし、従来のリアルタイムモニタリング法ではガス成分は GED で Ar ガスに置換するため、ガス状 As は ICPMS で分析できない。そこで、ガス状 As を粒子化するガス微粒子化装置 (Gas to Particle conversion Device, GPD) を用いてガス状 As を As 粒子に変換し、GED と組み合わせることによってガス状 As の直接分析が可能になると考えた 3。本研究では GPD の粒子化性能の評価を行い、大気中の粒子状 As とガス状 Asの直接分析を目的とした。