書き出し
東京における大気粉塵PM0.1に含まれる元素、イオン、炭素成分を基にした発生源の解明
概要
大気粉塵 (Airborne Particulate Matter, APM)は大気中に浮遊する粒子のことであり、大気汚染の原因の一つである。APM は呼吸によって人体に取り込まれ、肺機能障害の原因になるなど、人体に様々な悪影響を及ぼすと考えられている。特に粒径が0.1 μm以下のAPMであるPM0.1は体積に対する表面積の割合が大きいため、呼吸器疾患や心肺疾患を誘発する可能性があると考えられている 1)。また、APM を構成する成分は元素成分やイオン成分、炭素成分など様々である。そのため PM0.1 中の各成分の組成を把握し、発生源を明らかにしていくことが重要となる。そこで、本研究では 2017 年より毎月東京都心において PM0.1 を捕集し、元素濃度、イオン濃度及び炭素濃度を、それぞれ Inductively Coupled Plasma (ICP)-Optical Emission Spectrometer (OES) と ICP-Mass Spectrometer(ICP-MS)、イオンクロマトグラフ及び熱光学炭素分析計を用いてモニタリングした。そして、得られた元素濃度、イオン濃度及び炭素成分から発生源を解明することを目的とした。