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大学・研究所にある論文を検索できる 「Feasibility of Measuring Face-to-Face Interactions among ICU Healthcare Professionals Using Wearable Sociometric Badges」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Feasibility of Measuring Face-to-Face Interactions among ICU Healthcare Professionals Using Wearable Sociometric Badges

伊藤 亜紗実 三重大学

2021.06.29

概要

Background(背景)
医療従事者間の円滑な対面コミュニケーションは医療の質向上に不可欠な要素である。

Objectives(目的)
今回我々はface-to-face interactionを客観的に計測することができるソシオトリックウェアラブルバッジを利用してその実現可能性を検証した

Methods(方法)
三重大学の集中治療室で勤務する医療従事者(常勤医15人、看護師39人、後期研修医4人、初期研修医1人、看護助手4人、臨床工学技師8人、事務員2人、薬剤師1人、秘書2人)を対象とした。ソシオメトリックウェアラブルバッジは赤外線センサーと3軸加速度計を内蔵しており、赤外線センサーが対面するセンサーの情報を感知することで対面した相手や時間が記録され、またその時の振動数で2Hz以上の動作が1分間以上持続すれば対話をしていると判断する。ICU病棟内に、病床14床に加え、ナースステーション、カンファレンス室、CT室、診察室、家族待機室、看護師休憩室、医師休憩室、ドクターステーションなど医療従事者間の会話が交わされる場所として42箇所を設定し、これらの場所での位置情報を網羅する249台の赤外線ビーコンを設置した。赤外線ビーコンは2m以内のソシオメトリックバッジと通信することが可能であり、会話が交わされた位置情報を知ることができる。ソシオメトリックバッジから得られる医療従事者の対面情報とは別にカルテから患者の重症度(APACHEIIスコア)を抽出した。本研究は倫理審査委員会の承認を受けて行われた(#2978)。

Results(結果)
76人の医療従事者に対して4週間の情報取得を行った。平均160時間の労働時間であり、合計729,600分(分X人数)のデータを取得した。そのうちface-to-face interactionに使われた時間は212,872分であり、周期的な日内変動及び週間変動を認めた。Face-to-face interactionの活性度は夜勤帯に比べ日勤帯で高く、また週末に比べ平日は高い傾向を示した。週末には勤務者は17%少なく、定期の術後ICU入室はいない。赤外線ビーコンが取得した情報では、合計で160,945分のface-to-face interactionを記録した。そのうち活発なface-to-face interactionを評価すると、その多くは中央ナースステーション(54,994;43.4%)、ベッドサイド(45,478;35.9%)、受付(7,336;5.8%)を中心に検出された。次に入室後24時間のface-to-face interactionの量とAPACHEIIスコアを調べたところ有意に相関した(R=0.467、P<0.01)。

Consideration(考察)
周期的な日内変動及び週間変動を示すデータは実臨床から推測される現状と一致している。勤務交代の時間、週末の人員減少、患者申し送りの場所などで説明することができ、実臨床を反映している。また患者重症度とface-to-face interactionの量が相関していたことは特筆すべきことであり、重症度が高いほど状況把握、方針決定のためにより多くの情報の交換が必要であることが明らかとなった。本研究で留意すべき技術的な問題点として、会話の内容を記録していないため正確なデータ取得が行われているかの確認をできないことが挙げられるが、個人情報保護の観点からは利点である。集中して話を聞いている行為やごく短時間の会話は検知できないためことも問題点の一つである。またソシオメトリックウェアラブルバッジの感度や特異性のばらつきを指摘する先行研究もある。これらの問題点を補うために複数の異なった手法を用いてデータの確認や補完をすること方法などが今後の検討課題である。

Conclusion(結論)
ICUにおけるソシオメトリックウェアラブルバッジを使用したface-to-face interactionの測定は実現可能である。

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