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大学・研究所にある論文を検索できる 「DOCK8は腸管においてCdc42を介してグループ3自然リンパ球の生存を制御する」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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DOCK8は腸管においてCdc42を介してグループ3自然リンパ球の生存を制御する

相原, 良亮 AIHARA, Ryosuke アイハラ, リョウスケ 九州大学

2021.03.24

概要

自然リンパ球(Innate lymphoid cells; ILCs)は組織の恒常性や炎症を制御するリンパ球系の細胞として、近年新たに同定された。ILCは、細胞表面マーカーや産生するサイトカインの種類により、3つのサブセットに分類される。その中で、転写因子であるRORtを発現することで特徴付けられるILC3は、腸管での細菌への抵抗性や上皮の恒常性維持に重要な役割を担っている。これらの機能は、ILC3が産生するIL-22を介して発揮され、IL-22は腸管上皮の修復や抗菌ペプチドの産生を誘導するサイトカインとして知られている。しかしながら、ILC3の発生や機能を制御するメカニズムは、未だ不明な点が多い。DOCK8は進化学的に高度に保存されたDOCKファミリータンパク質の1つであり、新しいタイプのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)である。DOCK8はDHR-2ドメインを介して低分子量Gタンパク質であるCdc42に特異的に結合することでGTP-GDP交換反応を触媒することが知られており、DOCK8の変異はヒトにおける免疫不全症と密接に関わっていることが明らかにされている。さらに近年、DOCK8欠損マウス腸管内で、ILC3が減少することが発見されたが、そのメカニズムは解明されていなかった。そこで、DOCK8が細胞種特異的に作用しているかを明らかにするため、DOCK8のコンディショナルKOマウスを作製し、そのマウスとRORt-Creマウスと交配させて、ILC3の発生や分化に及ぼす影響を解析した。その結果、本コンディショナルKOマウスでも腸管内のILC3が減少することを明らかにした。次にILC3がDOCK8KOマウス腸管内で減少するメカニズムを解明するためにILC3の増殖、分化、生存についてそれぞれassayを行った。まずBrd Uassayを用い、ILC3の細胞増殖能を調べたがDOCK8KOマウスと野生型では差が見られなかった。次にマウス胎児の肝臓から単離した前駆細胞からILC3への分化実験を行ったところ増殖能と同様に差は見られなかった。ILC3を野生型、DOCK8KOマウス小腸からそれぞれ単離して培養したところ、IL-7の有無にかかわらずLC3の生存能に差が見られ、DOCK8KOマウスのILC3が有意にアポトーシスを起こしやすいことがわかった。さらにDOCK8がCdc42と結合する部位のみに変異を入れたマウスでも同様の結果が得られた。以上のことからDOCK8は細胞特異的に作用し、Cdc42を介してILC3の生存能を制御していることを明らかにした。

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