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大学・研究所にある論文を検索できる 「13C-グルコース呼気試験を用いた糖負荷後における肝臓でのインスリンクリアランスと肝臓での糖利用の評価」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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13C-グルコース呼気試験を用いた糖負荷後における肝臓でのインスリンクリアランスと肝臓での糖利用の評価

大嶽 苑子 東北大学

2020.09.25

概要

インスリン抵抗性は2型糖尿病の大きな病因の1つであるが、インスリン抵抗性を簡便に、かつ肝臓や筋肉などの臓器別に評価することは難しい。13C-グルコース呼気試験は、13CO2 排泄を測定することにより、糖酸化による糖利用を反映し、過去にHOMA-R、Insulin sensitivity index などのインスリン抵抗性指標と 13C-グルコース呼気試験の解析において、インスリン抵抗性状態において呼気 13CO2 排泄は低下すると報告されている。しかし、それらのインスリン抵抗性指標では、糖負荷後の糖応答性のインスリン分泌に応じた臓器別のインスリン抵抗性を評価するのは難しく、そのため糖負荷後の肝臓でのインスリン抵抗性指標と 13C-グルコース呼気試験との相関をみた研究はない。また、肥満や脂肪肝といった肝インスリン抵抗性を示す患者で、肝インスリンクリアランスの低下が報告されており、この状態は糖尿病発症に先立つものと考えられている。それを踏まえ、13C-グルコース呼気試験にて肝臓のインスリン感受性と肝臓での糖利用の経時的な変化をみることができないかを検討するため、健常非肥満男性 16 名を対象に 15g 通常グルコース+100mg13 C-グルコースを経口摂取前と、摂取後15 分毎に呼気と血液を採取し、呼気中への 13CO2 排泄と血中の糖代謝関連パラメーター、特に、血糖値の変化や肝臓でのインスリンクリアランスの指標である C-ペプチド/インスリン比 (CPR/IRI) との相関を検討した。

糖負荷後 15 分、30 分、45 分における呼気中 13CO2 排泄は、糖負荷後 15 分後の CPR/IRI と有意な負の相関、および、負荷後 15 分・30 分の血糖上昇 (ΔPG15・30) と正の相関を認めた。また、糖負荷後 15 分後のCPR/IRI もまた、 ΔPG15、ΔPG30 と負の相関を認めた。さらに、最も血糖上昇と関連したパラメーターは、ΔPG15 については負荷後 15 分後、ΔPG30 については負荷後 30 分後の呼気中 13CO2 排泄であった。 以上から、糖応答性のインスリンについての肝臓でのクリアランスの増加、糖負荷後早期の糖酸化の減少や血糖上昇抑制の三者が、強く関連し、負荷後の血糖値の決定に関与していることが明らかとなった。

このことは、糖応答性に分泌されたインスリンが肝で作用してクリアランスされ、肝でのグリコーゲン合成を亢進させることにより、負荷後の血糖上昇が抑制され、糖酸化への基質利用が減少するというメカニズムを示すものと考えられる。さらに、13C-グルコース呼気試験における糖負荷後早期の呼気 13CO2 排泄量は、この食後血糖を決める重要なメカニズムを鋭敏に評価する簡便な検査として有用である可能性が示唆された。

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