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書き出し

飯田下伊那地域の学校給食からすすめる適塩の取組について

小澤, めぐみ 渡部, 直美 原, 悦子 小野希代子 信州大学

2023.08.22

概要

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

演題登録 02-2

飯田下伊那地域の学校給食からすすめる適塩の取組について
   飯田下伊那地域の学校給食からすすめる適塩の取組について
02-2

小澤めぐみ、渡部直美、原悦子、小野希代子(飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会)
小澤めぐみ、渡部直美、原悦子、小野希代子(飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会)

キーワード: 学校給食、食塩相当量、適塩、食育
キーワード:学校給食、食塩相当量、適塩、食育

要旨:飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会は、平成 26 年度から学校給食の食塩相当量を調理

要旨:飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会は、平成 26 年度から学校給食の食塩相当量を調理施

施設ごと定期的に実態把握してきた。適塩(減塩)を目的に、栄養教諭・学校栄養職員による献立

設ごと定期的に実態把握してきた。適塩(減塩)を目的に、栄養教諭・学校栄養職員による献立や調

や調理の工夫と、給食を教材とした適塩に関する食育を実践し、児童生徒、教職員、保護者、給食

理の工夫と、給食を教材とした適塩に関する食育を実践し、児童生徒、教職員、保護者、給食関係者

関係者の知識と理解が深まるよう努めた。この9年間の学校給食の食塩相当量は減少傾向を示した

の知識と理解が深まるよう努めた。この9年間の学校給食の食塩相当量は減少傾向を示したが、文部

が、文部科学省の定める学校給食摂取基準の値には達していない。
科学省の定める学校給食摂取基準の値には達していない。

A.目的

成や調理の工夫について、意見の集約、レシピ集

A.目的

長野県は、全国と比較して脳血管疾患の死亡率

 長野県は、全国と比較して脳血管疾患の死亡

作成をして部会で共有して各施設で活用した。

作成をして部会で共有して各施設で活用した。

 食塩相当量を下げるために、実践発表や研究

が高く、高血圧の原因となる食塩の取り過ぎが食

率が高く、高血圧の原因となる食塩の取り過ぎ

生活上の課題である。

が食生活上の課題である。

食塩相当量を下げるために、実践発表や研究協

協議を行い、効果的な指導について意見交換した。

議を行い、効果的な指導について意見交換した。
長野県児童生徒の食に関する実態調査結果(令

飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会(以下

 飯田下伊那栄養教諭・学校栄養職員部会(以

長野県児童生徒の食に関する実態調査結果(令
和4年度)で評価した。

「部会」という。)では、学校給食献立の食塩の

和4年度)で評価した。

実態を知るため、平成 26 年度に学校給食の食塩

(3)食育の実践

下「部会」という。)では、学校給食献立の食塩
の実態を知るため、平成 26 年度に学校給食の食

(3)食育の実践

 対象に応じた食育を実施した(表1)。

相当量の調査を始め、現在まで学校・調理場にお
塩相当量の調査を始め、現在まで学校・調理場

対象に応じた食育を実施した。(表1)

いて定期的に実態把握している。
において定期的に実態把握している。

表1

日本人の食事摂取基準 2015
平成 30
 日本人の食事摂取基準
2015 に沿って、
に沿って、平成
30

対象別食育の展開

対象
小学校

年度から文部科学省の定める学校給食摂取基準
年度から文部科学省の定める学校給食摂取基準
の食塩相当量基準値が小学校1食
の食塩相当量基準値が小学校1食2.0g
2.0g未満(小
未満(小

ねらい
和食の基本となるだしの

小学校 5 年生家庭科単元

材料を知り、だしで風味が

「食べて元気ご飯とみそ汁」

増すことを理解できる

学校3・4年生)
2.5g未満に下がった。
未満に下がった。
学校3・4年生)
、、中学校
中学校 2.5g
令和3年の学校給食食事摂取基準一部改正でも、
令和3年の学校給食食事摂取基準一部改正でも、

自分の体に適切な塩分量

食塩相当量を 2g未満にした

について理解できる

「適塩献立の日」の実施
(月 2 回)

基準値は下がり、更なる減塩が求められている。
基準値は下がり、更なる減塩が求められている。

小・中学校

 この9年間の学校給食の食塩相当量の推移と、
この9年間の学校給食の食塩相当量の推移と、

適塩の必要性について理

栄養教諭等による食の指導

解できる

(授業、給食時、全校集会、発
育測定

部会が実施した適塩の取組について報告する。
部会が実施した適塩の取組について報告する。

家庭・地域

B.方法

(1)学校給食の食塩相当量調査

(1)学校給食の食塩相当量調査

保護者や地域が、学校給食

部会による「学校給食フェア」

が取り組む適塩の大切さ

の開催

について理解できる

会場:地域の大型商業施設

 ①対象 小学校 17 施設(単独8、共同9)

資料展示、おたより配布等

①対象 小学校 17 施設(単独8、共同9)
中学校 7施設(単独4、共同3)

 ②期間及び実施月

(4)学校給食用パン製造業者との連携

(4)学校給食用パン製造業者との連携

 主食がパンの場合、食塩相当量が高くなって

主食がパンの場合、食塩相当量が高くなってし

②期間及び実施月

  平成 26 年度~令和4年度の7月と1月

平成 26 年度~令和4年度の7月と1月

 ③調査方法

他)

部会で作成した動画を活用

B.方法

     中学校 7施設(単独4、共同3)

方法等

しまう現状から、学校給食用パン製造業者と連

まう現状から、学校給食用パン製造業者と連携し

携して、食塩含有率の低い減塩パン作りに取り

③調査方法

て、食塩含有率の低い減塩パン作りに取り組んだ。

1 か月平均の食塩相当量を算出
  主食別の食塩相当量を算出

C.結果
C.結果

  1 か月平均の食塩相当量を算出

主食別の食塩相当量を算出
  
(主食は白飯、味飯、パン、麺の4種別)
(主食は白飯、味飯、パン、麺の4種別)
(2)研修・研究協議
(2)研修・研究協議
 基準値以下でもおいしく食べられる献立作成

組んだ。

学校給食における食塩相当量の推移は図1の
 学校給食における食塩相当量の推移は図1の

とおりである。
9年間で小学校は 0.3g、
中学校は
とおりである。9年間で小学校は
0.3g、中学校
0.5g
は 食塩相当量が下方に推移した。
0.5g 食塩相当量が下方に推移した。

平成
3030
年度と令和4年度の単独調理場と共同
 平成
年度と令和4年度の単独調理場と共同

基準値以下でもおいしく食べられる献立作
や調理の工夫について、意見の集約、レシピ集
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信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

演題登録 02-2
調理場の食塩相当量の比較は表2のとおりであ

D.考察

調理場の食塩相当量の比較は表2のとおりであ
る。平成
30 年度は、共同調理場の小学校の食塩

食塩相当量の調査結果を各調理施設の適塩の
 食塩相当量の調査結果を各調理施設の適塩の

る。平成 30 年度は、共同調理場の小学校の食塩
相当量が、単独調理場と比較して多かった。令

評価指標としたため、栄養教諭等が自ら定期的
評価指標としたため、栄養教諭等が自ら定期的

相当量が、単独調理場と比較して多かった。令和
和4年度は、小学校中学校ともに、施設規模に

に取組の成果を確認できたことが継続した適塩
に取組の成果を確認できたことが継続した適塩

よる差はほぼなくなった。それぞれの年度の単
4年度は、小学校中学校ともに、施設規模による

の取組につながった。これらの取り組みは、今後、
の取組につながった。これらの取り組みは、今

独調理場と共同調理場の平均値に有意差はなか
差はほぼなくなった。それぞれの年度の単独調理

飯田下伊那地域の学校給食の食塩相当量を減少
後、飯田下伊那地域の学校給食の食塩相当量を

った。
場と共同調理場の平均値に有意差はなかった。

させる可能性があると考える。
減少させる可能性があると考える。

 児童生徒の食に関する実態調査の結果を図2
児童生徒の食に関する実態調査の結果を図2

 また、パン含有の食塩を減らすために、学校
また、パン含有の食塩を減らすために、学校

に示す。平成
に示す。平成2828年度、給食が楽しみと回答した
年度、給食が楽しみと回答した

給食用パン製造業者と連携したことも食塩相当
給食用パン製造業者と連携したことも食塩相当
量を減らすことにつながる一つの要因として期

児童生徒のうち、理由は「おいしいから」と回

量を減らすことにつながる一つの要因として期

児童生徒のうち、理由は「おいしいから」と回答

答した割合が小学5年生 68.7%、中学2年生 60.1

待がもてる。

%だった。令和4年度はその割合が、小5中2

 一食の献立の食塩相当量の数値を下げても、給

ともに増加していた。

食がおいしいという児童生徒の割合が増えたこ

した割合が小学5年生 68.7%、
中学2年生 60.1%

待がもてる。

一食の献立の食塩相当量の数値を下げても、

だった。令和4年度はその割合が、小5中2とも

給食がおいしいという児童生徒の割合が増えた

に増加していた。
3.4
3.2
3
2.8
2.6
2.4
2.2
2

とは、料理の組み合わせや調理の工夫が有効で

ことは、料理の組み合わせや調理の工夫が有効

あったことを示していると思われる。

であったことを示していると思われる。

 学校給食は、必要エネルギーや栄養価の確保

学校給食は、必要エネルギーや栄養価の確保

はもちろん、食文化、行事食、郷土料理などを

はもちろん、食文化、行事食、郷土料理などを
伝える使命もあるため、基準値以下を目指しな
伝える使命もあるため、基準値以下を目指しな
がら、児童生徒がおいしさを感じ、食べること
H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4
小学校

図1
表2

がら、児童生徒がおいしさを感じ、食べること
で学習につながる食育の教材となるようさらに
で学習につながる食育の教材となるようさらに
努めたい。
努めたい。
 適塩給食の提供と併せて、児童、生徒、保護

中学校

者等に食育を実施したことは、給食関係者の適
適塩給食の提供と併せて、児童、生徒、保護

食塩相当量の推移

塩に関する知識と理解を向上させ、適塩をすす
者等に食育を実施したことは、給食関係者の適
めるために必要であったと考える。対象者の今
塩に関する知識と理解を向上させ、適塩をすす

単独調理場と共同調理場の食塩相当量の比較

H30 年度
区分/g

単独

共同

単独

共同

小学校

2.34

2.43

2.20

2.17

±0.10

±0.09

±0.09

±0.08

3.11

3.08

2.73

2.73

±0.22

±0.19

±0.13

±0.14

中学校

後の食生活を支えるためには、児童生徒の食育
めるために必要であったと考える。対象者の今

R4年度

をさらに拡充することが望まれる。
後の食生活を支えるためには、児童生徒の食育
 しかし、学校生活での給食時間や食育にかけ

をさらに拡充することが望まれる。

る時間が限られていることは課題である。また、

しかし、学校生活での給食時間や食育にかけ

栄養教諭、学校栄養職員の資質向上も必須である。

る時間が限られていることは課題である。ま

E.まとめ

た、栄養教諭、学校栄養職員の資質向上も必須

 適塩(減塩)は、家庭での食習慣や食生活の

である。

影響が大きくかかわる。今後は、学校内だけで

E.まとめ

小学5年生
中学2年生

68.7
73.9
60.1
66.2

なく、学校給食を活用した家庭や地域への発信

適塩(減塩)は、家庭での食習慣や食生活の影

H28(%)

を、他職種とも連携しながら、飯田下伊那地域

R4(%)

響が大きくかかわる。今後は、学校内だけでなく、
全体の取組に発展させていく必要がある。
学校給食を活用した家庭や地域への発信を、他職
F.利益相反

0
50
100
図 2 給食が楽しみと答えた児童生徒のうち
理由は「おいしいから」と答えた児童生徒の割合

種とも連携しながら、飯田下伊那地域全体の取組
 利益相反なし。
に発展させていく必要がある。
F.利益相反

(長野県 児童生徒の食に関する実態調査 結果)

D.考察

利益相反なし。
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信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. ...

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