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書き出し
中国語コミュニケーションにおける「近さ」について―対面とオンラインでの遊びとしての対立を事例にー
概要
われわれは日常のコミュニケーションにおいて、親しい相手に対して、相手の肩を叩い
たり、面白いことを言って相手を笑わせたり、時にはストレートで率直な物言いをするこ
とにより、相手に近づこうとする。これに対して、疎遠で敬意を示すべき相手には婉曲で
遠慮深いことばを使ったり、相手から離れ、なるべく近づきすぎないように距離を保とう
とする。日常生活で相手との関係性によってことばやふるまいを変えることは誰でも行っ
ていることだろう。
同時にわれわれが日常生活において、ことばやふるまいを通して、相手との関係性を「今・
ここ」1（小山 2008, 2012: 70-71）において絶えなく確認し、調整し、さらに構築している
といえる。例えば、社会人になった後に小学校の同窓会に参加し、社会人の話し方ではな
んとなくぎこちなく、小学校の時の話し方に変えて初めて、
「小学校からの友人だ」という
関係性がその場に蘇るといったこともあるだろう。この場合は、単なる「小学校の同窓」
という関係性だけではなく、「社会人になっても親睦な関係性が変わらない小学校からの
友人である」という関係性が、「今・ここ」（小山 2008, 2012）のことばのやりとりを通し
てその場に新たに立ち現れる。 ...
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