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大学・研究所にある論文を検索できる 「末梢血のmulticolor flowcytometryとliquid biopsyによるcell-free DNAのRHOAG17V変異解析を組み合わせた血管免疫芽球性T細胞リンパ腫解析法の確立 および ホジキンリンパ腫細胞株(AM-HLH)の樹立」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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末梢血のmulticolor flowcytometryとliquid biopsyによるcell-free DNAのRHOAG17V変異解析を組み合わせた血管免疫芽球性T細胞リンパ腫解析法の確立 および ホジキンリンパ腫細胞株(AM-HLH)の樹立

林田, 雅彦 大阪大学

2022.04.22

概要

血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)の診断は,腫瘍細胞が少なく反応性の炎症組織やホジキンリンパ腫(HL)との鑑別がしばしば困難である.病理組織診断には生検組織が必要であり,生検困難例や節外性の組織では診断に苦慮する.そこで我々は,AITLの補助診断を目的に細胞を高精度に分画することができるマルチカラー・フローサイトメトリー(M-FCM)とRHOA遺伝子変異解析のための高感度なallele specific-PCR法を構築し,末梢血白血球および血漿cell free DNA(cf-DNA)を用いたLiquid biopsyを確立した.

20例の解析では,M-FCMにより全例で循環腫瘍細胞を検出でき,末梢血白血球に占めるリンパ腫細胞は0.01~18.22%(中央値0.26%),絶対数は0.5~1491.6 個/μL(同29.3個)であった.cfDNAによるRHOA変異は14例(70%),IDH2変異は3例(15%)(RHOA変異と重複)で認め,これらの結果はリンパ節,末梢血,骨髄,腹水などと一致したことから,末梢血のM-FCMとリキッドバイオプシーであるcfDNAのRHOAG17V変異解析の組み合わせは,AITLの非侵襲的な迅速診断法として有用と考えられた.

一方, HLは,腫瘍細胞の特異な形態で特徴づけられ,病型診断は確立されているものの病変組織に占める腫瘍細胞が少ないことから,細胞株は系統や起源,発症のメカニズムの解明,抗がん剤のスクリーニングに有用なツールである.我々はEBウイルス(EBV)陽性結節硬化型HL患者の胸水から細胞株(AM-HLH)を樹立した.その免疫表現型はCD30+, CD15−で,CD2, CD38, CD40, CD45RO, CD71, CD86, CD122, HLA-DRを高発現し,抗原受容体遺伝子解析では免疫グロブリンκ鎖遺伝子の再構成を認めた.染色体数は近3倍体で多数の数的・構造異常を認め,multicolor-FISHで19, 20, 21番染色体から形成されるder(21)マーカー染色体を認めた.In situ hybridizationでは EBER陽性,RT-PCRでLMP1, LMP2, EBNA1, EBNA2の転写産物を検出した.サザンブロットによるEBVのクロナリティ解析では,高分子量のバンドを3本認め,患者胸水の解析結果と一致した. EBVゲノムプローブによるEBV-FISHでは,der(21)マーカー染色体の20番染色体成分上の3ヶ所にシグナルが集積していた.培養上清中のサイトカインの測定では,IL-10と微量のIL-17Aを認め, PMA刺激によって顕著に増加した.AM-HLH細胞はEBV陽性HL発症におけるサイトカインの役割を明らかにする上で有用であると考えられた.

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