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書き出し

抗菌ペプチドカセリサイディンはスカベンジャー受容体を介して免疫調節作用を発揮する

天貝, 諒 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
抗菌ペプチドカセリサイディンはスカベンジャー受容体を介して免疫調節作用を発揮する

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
神経・感覚器病態学講座
氏名 Name

天貝

皮膚科学分野


抗菌ペプチドは 10-150 個のアミノ酸で構成される広域の抗菌活性をもつペプチド群であり、自然免疫防
御の重要な役割を担う。抗菌ペプチドの一種であるカセリサイディンは抗菌活性の低い前駆タンパクとして
産生され、その C 末端が切り出されて活性型となる。ヒトの活性型カセリサイディンである LL-37 は抗菌
活性だけでなく、サイトカインの産生や免疫細胞の走化による免疫刺激作用、血管新生作用といった多彩な
機能をもつ。また、ダメージ関連分子パターン (damage-associated molecular patterns : DAMPs) の一種
とされる RNA や DNA と組み合わさることで、核酸の細胞内への取り込みと細胞質内受容体による認識を
促進し I 型インターフェロン反応を生じる。LL-37 がこのような幅広い作用を持つこと、また乾癬や酒さな
どの複数の皮膚疾患表皮で LL-37 の発現亢進が示されていることから、我々は LL-37 の役割に着目した。
これまでにわれわれは、LL-37 が二本鎖 RNA (double-stranded RNA : dsRNA) と結合し、細胞表面のスカ
ベンジャー受容体や細胞内のパターン認識受容体との結合を促進することにより、ケラチノサイトやマクロ
ファージが自己 dsRNA を認識することを明らかにしてきた。しかし、LL-37 単独での作用と、LL-37 と
dsRNA を組み合わせた場合での作用が、同様の受容体やシグナル伝達経路を介してシグナルを伝えるのか、
あるいは他の特定の経路を用いて免疫調節作用を発揮するのかは不明であった。
本研究の目的は、ケラチノサイトにおける LL-37 と dsRNA の作用について、各々単独の作用と組み合わ
せて生じる作用を区別し、それぞれの作用経路について受容体とシグナル伝達の全体像を解明することであ
る。培養ヒトケラチノサイトを LL-37 および合成 dsRNA の poly(I:C)で刺激し、DNA マイクロアレイ、逆
転写 PCR (reverse transcription polymerase chain reaction : RT-PCR)、ウエスタンブロット、および近接
ライゲーションアッセイ (proximity ligation assay : PLA) を実施した。LL-37 と poly(I:C)を組み合わせた
場合では免疫防御反応に関わる種々のサイトカインが誘導されたのに対し、LL-37 単独では vascular
endothelial growth factor A (VEGFA) や prostaglandin-endoperoxide synthase 2 (PTGS2) など生物学
的・代謝プロセスに関連する遺伝子が誘導された。LL-37 の受容体として知られる formyl peptide receptor
2 (FPR2) を阻害すると、VEGFA と PTGS2 の誘導が部分的に抑制された。Scavenger receptor class B
1

(書式18)
member 1 (SCARB1 : SR-B1)、oxidized low density lipoprotein receptor 1 (OLR1 : SR-E1)、advanced
glycosylation end-product specific receptor (AGER : SR-J1) などのスカベンジャー受容体のノックダウン
は、LL-37 により誘導された VEGFA と PTGS2 の発現を低下させた。さらに、LL-37 は poly(I:C)の有無に
かかわらずスカベンジャー受容体に近接した。LL-37 は poly(I:C)とスカベンジャー受容体の結合を介在す
るとともに、LL-37 自身もスカベンジャー受容体を介して作用することが示された。これらの結果から、カ
セリサイディンの多岐にわたる機能はスカベンジャー受容体に依存することが示された。スカベンジャー受
容体の阻害剤や非機能性模擬カセリサイディンペプチドは、新しい機序の抗炎症薬や免疫抑制剤となる可能
性がある。 ...

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