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大学・研究所にある論文を検索できる 「Brachiocephalic artery dissection is a marker of stroke after acute type A aortic dissection repair」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Brachiocephalic artery dissection is a marker of stroke after acute type A aortic dissection repair

長 知樹 横浜市立大学

2021.05.31

概要

1【⽬的】急性A型⼤動脈解離術後の脳梗塞の発⽣は,未だ解決されていない重⼤な合併症である.急性A型⼤動脈解離術後の脳梗塞発⽣率は,真性胸部⼤動脈瘤術後の脳梗塞発⽣率と⽐較しても⾼い.急性A型⼤動脈解離術後脳梗塞に関連する因⼦として,送⾎路の選定,脳保護法,最適な体温度管理,術式などが報告されてきた.しかし,⼿術⽅法が確⽴されつつある現在においても,世界各国の⼤規模研究において,急性⼤動脈解離術後脳梗塞の発⽣率は12-13%と⾼率である.私たちは,以前の研究で,腕頭動脈の解離が,急性A型⼤動脈解離術後の遠隔期予後に影響を与えることを報告した(Yasuda S et al., 2017).このことから,急性A型⼤動脈解離術後の脳梗塞発⽣に,頸部分枝解離が重要なリスクファクターであると仮説をたて,急性A型⼤動脈解離術後脳梗塞の発⽣率とリスクファクターを検討し,脳梗塞発⽣のメカニズムについて考察を⾏った.

2【対象および⽅法】本研究は,横浜市⽴⼤学附属市⺠総合医療センター⼼臓⾎管センターで,2012年9⽉から2019年9⽉まで,急性A型⼤動脈解離で受診した全283例中,⼤動脈⼿術を施⾏しなかった81例を除いた,202例を対象とした.男性が56%,年齢中央値は68歳であった.患者背景因⼦,術前画像検査,⼿術⽅法と術式について,術後脳梗塞発⽣の有無に分け⽐較検討を⾏った.神経学的所⾒と画像診断の両⽅を認めた場合に術後脳梗塞と診断した.⼿術⽅法は,送⾎路として腋窩動脈と⼤腿動脈の2箇所を使⽤し,経⾷道エコー検査で真腔の狭⼩化がないことを確認しながら⼈⼯⼼肺を確⽴.中⼼冷却温度は25度とし,脳保護法は,順向性選択的脳灌流法を⽤いて,3つの別のローラーポンプを使⽤した.⼤動脈の置換範囲は,エントリーの部位により決定した.ステントグラフトを⽤いたエントリー閉鎖術は除外した.

3【結果】202例のうち,⼿術死亡は6%,術後脳梗塞発⽣は25例(12%)であった.術前患者背景因⼦では,脳灌流障害が有意に脳梗塞群で多かった(p=.018).術前造影CT検査では,腕頭動脈解離が脳梗塞群で有意に多かった(p=.004).⼿術術式,⼿術⽅法,⼈⼯⼼肺時間,体循環停⽌時間,脳分離体外循環時間に有意差を認めなかった.術前造影CT検査から頸部分枝解離の状態を,解離なし,解離ありかつ⾼度狭窄なし,解離ありかつ⾼度狭窄あり,の3群に分け,腕頭動脈と左総頚動脈の組み合わせによる脳梗塞発⽣率を⽐較した.腕頭動脈解離を認めない患者では,脳梗塞発⽣率が4%であったのに対し,腕頭動脈に解離を認めかつ⾼度狭窄を認める患者では,脳梗塞が24%に発⽣していた.また,腕頭動脈に解離を認めるが,⾼度狭窄を認めない患者でも,脳梗塞は15%に発⽣していた.⼀⽅,左総頚動脈に解離を認める患者では,腕頭動脈に解離を認めなければ脳梗塞は発⽣しておらず,腕頭動脈に解離を認める患者では11例中2例に脳梗塞を認めた.腕頭動脈の,術前後における解離の変化を評価した.脳梗塞を発⽣した24例中21例で術後造影CT検査を施⾏し得た.術前解離なしが3例,偽腔開存型が5例,偽腔閉塞型が13例であったが,術後は解離なしが4例,偽腔開存型が8例,偽腔閉塞型が9例であった.また,術後脳梗塞の発⽣部位は,半数の症例で両側に発⽣していた.多変量解析では,腕頭動脈解離が急性A型⼤動脈解離術後脳梗塞の独⽴したリスク因⼦であった(オッズ⽐3.89,95%信頼区間1.104〜13.780,p=.0035).急性A型⼤動脈解離術後の遠隔期予後を脳梗塞発⽣の有無で⽐較した.追跡期間中央値は35ヶ⽉,追跡率は95.5%であった.急性A型⼤動脈解離術後の脳梗塞群,⾮脳梗塞群のそれぞれの全⽣存率は,1年80.0±8.0%,91.8±2.1%,3年72.7%±10.1%,91.8%±2.1%,5年72.7%±10.1%,89.1%±2.6%であった.脳梗塞群で遠隔機⽣存率が不良だった(p=.0015)

4【結語】腕頭動脈解離が急性A型⼤動脈解離術後脳梗塞発⽣の独⽴した危険因⼦であった.

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