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書き出し

含窒素ヘテロ芳香環の位置選択的フッ素官能基化

牟田, 龍平 MUTA, Ryuhei ムタ, リュウヘイ 九州大学

2023.03.20

概要

九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository

含窒素ヘテロ芳香環の位置選択的フッ素官能基化
牟田, 龍平

https://hdl.handle.net/2324/6787648
出版情報:Kyushu University, 2022, 博士(理学), 課程博士
バージョン:
権利関係:

(様式3)Form 3





:牟田 龍平

Name

論 文 名

:含窒素ヘテロ芳香環の位置選択的フッ素官能基化

Title





:甲

Category















Thesis Summary
含フッ素官能基は、その高い電子求引性や脂溶性による医薬品の薬理動態の改善等が期待されるた
め、医薬品や農薬等の部分構造として広く見られる。しかしながら、天然に含フッ素有機化合物はほ
とんど存在しておらず、その効率的合成法の開発は重要な課題となっている。本博士論文では、従来
の求電子的活性化を応用したピリジン環2位のトリフルオロメチルチオ化およびピリジン環の新たな
活性化手法となる求核的活性化を用いたピリジン環3位のトリフルオロメチル化について述べている。
第二章ではピリジン環の求電子的な活性化を経る2位選択的なトリフルオロメチルチオ化に成功し
た。筆者が所属する研究室で以前開発された、求電子的に活性化されたピリジン-N-オキシド-BF2CF3
錯体を用いれば、求核性の低い他のフッ素官能基化にも応用できると考えた。しかしながら、ピリジ
ン-N-オキシド-BF2CF3 錯体を基質として用いた場合、求核的トリフルオロメチルチオ化剤との反応で
は、所望した芳香族求核置換反応はほとんど進行しなかった。一方で、ピリジン-N-オキシド-BF2CF3
錯体より求電子性の劣るスルホニル基による活性化手法を用いると、望みの反応が進行し、2位トリ
フルオロメチルチオ化体が高効率で生成することを見出した。19F NMR 実験により、AgSCF3 とスル
ホニルクロリド間に相互作用が存在し、スルホニルクロリドがピリジン-N-オキシドだけでなく
AgSCF3 の活性化にも寄与していることを明らかとした。
第三章ではピリジン環の求核的な活性化に基づく3位選択的トリフルオロメチル化に成功した。第
二章で述べたピリジン環への求核剤の付加により形成される脱芳香環化された化合物に着目した。す
なわち、着脱可能な求核剤でピリジン環の脱芳香環化を行い、形成されるエナミン型の化合物を基質
として用いれば求電子剤との反応が可能になり、最後に再芳香族化することで3位選択的なトリフル
オロメチル化が実現できると考えた。本反応では、様々な求核剤による脱芳香環化を検討した結果、
ピリジン環のヒドロシリル化によって生成する N-シリルエナミンが求電子的トリフルオロメチル化
剤と反応し、対応する3位トリフルオロメチル化生成物を与えることを明らかとした。また、ラジカ
ル捕捉実験を行った際に、トリフルオロメチル化された TEMPO が観測され、ピリジン環のヒドロシ
リル化により生成する電子豊富な N-シリルエナミンと電子不足な Togni 試薬 I との間での電子移動を
介するトリフルオロメチルラジカルの発生を含む機構で反応が進行することが示唆された。

参考文献

1) Muta, R.; Torigoe T.; Kuninobu, Y. Org. Lett. 2019, 21, 4289–4292 (DOI:

10.1021/acs.orglett.9b01474).

2) Muta, R.; Torigoe T.; Kuninobu, Y. Org. Lett. 2022, 24, 8218–8222 (DOI:

10.1021/acs.orglett.2c03327).

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謝辞

本研究を行うにあたり、多大なるご指導、ご鞭撻を賜りました九州大学先導物

質化学研究所

國信 洋一郎 教授に深く感謝いたします。

直接研究をご指導いただいた、京都工芸繊維大学分子化学系

鳥越 尊 助教

(前九州大学先導物質化学研究所 助教)、九州大学先導物質化学研究所

平 助教、および東京理科大学理学部第一部化学科

関根 康

吉越 裕介 助教(前九州大

学先導物質化学研究所 博士研究員)に深く感謝申し上げます。

5 年間という長い歳月を研究室で共に過ごした、曾 嘉林 修士には大変お世話

になりました。感謝申し上げます。博士課程の研究の中で共に支えあった同期の

塩塚 朗 修士、濱 孟徳 修士に深く感謝いたします。修士課程の時期を共に支え

あった國信研究室、古田 翔平 修士、宮本 翔太 修士、前 永島研究室、立川 晴

紀 修士、二宮 俊吾 修士、柳田研究室、松井 瑞樹 修士、佐賀大学大学院工学

系研究科先端融合工学専攻 前 渡研究室、梅野 翔太 修士に感謝の意を表しま

す。研究生活の中で共に苦楽を共にした後輩の、宋 済舟 修士、楢山 光司 修士、

姜 慧 修士、河津 稜平 修士、峯 海吏 学士、真島 亜伊里 学士、白石 夏南太

学士に深く感謝します。

本日までの研究の礎となっている有機合成化学の基礎を学ばせていただいた、

佐賀大学大学院工学系研究科

花本 猛士 教授に深く感謝申し上げます。

研究生活を送るうえで、様々な事務的作業の支援をしていただきました、國信

研究室秘書

児島 実佐 氏に感謝の意を表します。

博士課程において、資金的な面で多大なるご援助を賜ったウシオ財団に深く

感謝いたします。

最後に、本研究を行う機会をくださり、また研究生活を支えてくださいました、

貞臣、母

美由貴、兄

健祐、良寛に深く感謝申し上げます。

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