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大学・研究所にある論文を検索できる 「Chronic exercise and clonidine slow the progression of renal cyst growth and renal dysfunction in rats with polycystic kidney disease」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Chronic exercise and clonidine slow the progression of renal cyst growth and renal dysfunction in rats with polycystic kidney disease

仇 嘉禾 東北大学

2022.03.25

概要

常染色体優性多発性嚢胞腎(以下 ADPKD)は,腎腫大や腎機能低下において,腎機能の悪化は 70 歳までに約半数が末期腎不全にいたる。現在使用されている薬剤は多尿や口渇等の副作用頻度が高いため,患者の生活の質(QOL)を損なわない新たな治療法が求められている。そこで,ADPKD への長期的運動の有効性と運動の作用機序に関するα2 アドレナリン受容体の効果を明らかにするため,ADPKD モデルラットにおいて腎機能,腎嚢胞面積および細胞増殖機構への長期的運動とα2 アドレナリン受容体作動薬の影響を検討した。

本研究は多発性囊胞腎と同様な病態を示すモデルの PCK ラットを用い,腎嚢胞増大や腎機能障害の進展に対する 12 週間の中等強度トレッドミル運動の腎保護効果を検証した。また,α2 アドレナリン受容体作動薬(クロニジン)投与群は 12 週間の経口投与を行い,18 週齢で解剖した。血漿サンプルでは一般生化学,尿サンプルでは蛋白,クレアチニン,L-FABP,バソプレシンの項目を測定,摘出した腎臓は嚢胞面積や糸球体硬化を組織学的に解析し,腎内 cAMP 測定や蛋白発現の解析を行った。

本研究の結果は,長期的運動群 PCK ラットの尿タンパクと L-FABP を減少させた。血漿グルコース,総コレステロール,中性脂肪,尿素窒素,クレアチニンは運動群で有意に低下した。腎重量,腎嚢胞面積は長期的運動群で有意に低下し,細胞増殖マーカーである Ki-67 の陽性細胞数が運動群で有意に減少した。上皮細胞増殖,糸球体障害,腎間質線維化を抑制することを示した。長期的運動は尿中バゾプレシン排泄を増加した一方で,腎 cAMP 量には影響を与えなかった,cAMP 以降の細胞内増殖機構である B-Raf 発現を低下し,ERK,mTOR, S6 リン酸化を抑制した。クロニジン投与群は尿中ノルアドレナリンを減少させたが,腎嚢胞の増大を遅らせ,尿タンパクの排泄を軽減させた。クロニジンは AVP を増加させ,腎 cAMP 含有量を減少させず,B-Raf / ERK経路を抑制したが,mTOR / S6K1 経路は抑制しなかった。

本研究では,PCK ラットにおいて長期的運動は腎嚢胞増大と腎機能障害の進行を抑制した。この長期的運動の効果には,AVP 分泌刺激にもかかわらず,尿細管の細胞増殖機構である cAMP/B-Raf/ERK 経路と mTOR/S6 経路の抑制が関与していると考えられる。腎嚢胞増大の抑制に対する長期的運動の作用機序の一部は,α2 アドレナリン受容体によって媒介されると考えられている。

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