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大学・研究所にある論文を検索できる 「Planar cell polarity induces local microtubule bundling for coordinated ciliary beating」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Planar cell polarity induces local microtubule bundling for coordinated ciliary beating

中山, 彰吾 大阪大学

2021.05.31

概要

〔目的(Purpose)]
生体の上皮組繊は体表面、または体内の器官内表面を覆い、生体内と外界とを隔てている。上皮組織を構成する上皮細胞は外界の環境に応じて高度に分化する。これら高度に分化した上皮細胞の中に、多識毛上皮細胞がある。多繊毛上皮細胞は、平面内細胞極性(PCP)を介して繊毛の配向と配置を揃えることで、多数の繊毛を同調させ、外部から侵入した感染源を生体外に排除するための気管粘液流の産生、卵子および受精卵の卵管内輸送、脂脊液の循環などを構築して、生体恒常性維持に重要な役割を果たす。これらのように運動性毛の生理学的意義に関する研究は盛んに行われてきたが、多数の繊毛が細胞内・細胞間で協調性を獲得するための分子メカニズムには不明の点が多い。

織毛の根死には基底小体(Basal Body: BB)とBasal Foot(BF)という構造体が存在する。BFは繊毛運動の方向性の決定に関わっており、BBに対するBFの位置が肺側から口腔側へと一様に揃うことで多繊毛同調運動が生じる。気管多繊毛上皮細胞において非常に発達したアピカル細胞骨格が存在し、それらがBBやBFの空間配置の決定において重要な役割を担うことが明らかにされてきた。アピカル細胞付格のうちのひとつであるアピカル微小は、気管多繊上皮細胞において、平面内の片側に沿って微小の密度が高くなることが知られており、この微小管の配向にはPCPが関与していると考えられている。しかしながら、このようなアピカル微小質ネットワークの形成メカニズムやその役割についてはいまだに明らかにされていない。近年、新規のPCP関連因子としてDapleが出され、内耳有毛細胞や脳室上衣細胞において、PCPシグナルの下流で重要な働きを持つことが明らかとなった。そこで、PCPを介した気管多繊毛上皮細胞における微小管制御メカニズムを明らかにすることを目的とし、気管上皮細胞におけるDapleの解析を行った。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
まず免疫蛍光染色により、Dapleは気管上皮細胞における口腔側の細胞膜に局在することが示された。そこで、Daple欠失マウスの気管多繊毛上皮細胞におけるBBの方向性を検討したところ、野生型と比較して、有意にBBの方向性に乱れが生じていた。次に蛍光ビーズを用いて、気管組織における粘液流を検討したところ、Daple欠失マウスにおいて気管粘液流の乱れが確認された。以上の結果から、Dapleは多数の繊毛を同様の方にそろえることにより、気管粘液流を調節していることが示唆された。Daple欠失マウスにおけるアピカル微小管ネットワークを検討したところ、野生型マウスの気管多織毛上皮細胞においてみられる微小管の片側への蓄積が消失していた。次に気管多毛上皮細胞における微小管先端結合タンパク質EB1のライブイメージングを行った。その結果、EB1がロ側の細胞膜に沿って動く現象が観察された。そこで、Dapleが微小と結合することで、口腔側へと微小管を留める可能性を考え、Dapleと微小の相互作用解析を行った。Dapleを過剰発現したHEK293組胞によるa-tubulinの免疫沈降や精製Dapleタンパク質を用いた微小管共沈実験により、Dapleは微小に直接結合することが示唆された。Dapleの微小との結合は微小管の蓄積を引き起こすのに十分かどうかを検討するために、DaplekOの気管多繊毛皮細胞へDaple全長とDapleC末を発現させたところ、Daple全長は微小管の蓄積を示すのに対し、DapleC未では微小管の蓄積が起こらなかった。そこで、全反射照明蛍光顕微鏡を用いて微小の東化解析を行ったところ、DapleはNを介して二昆体化を形成し、微小を東化させることを明らかにした。以上の結果から、Dap1eは微小管を東化させ、細胞膜の片側へと蓄積させる機能を有することが示唆された。

〔総括(Conclusion)〕
今回、PCPを介した微小管骨格の制御メカニズムを明らかにした。近年、PCPと関連した微小管骨格は細胞内構造体の制のみならず、細胞形態にも大きく影響を及ぼすことが知られている。そのため、この研究成果は、PCPがどのようなメカニズムを介して複雑な組織構築を可能にしているかについての理解を深めると考えられる。

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