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大学・研究所にある論文を検索できる 「山形県における65歳以上の大腿骨近位部骨折の疫学調査結果 -1996年から2016年までの10年毎の動向-」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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山形県における65歳以上の大腿骨近位部骨折の疫学調査結果 -1996年から2016年までの10年毎の動向-

川路 博之 山形大学

2021.03.31

概要

【緒言】大腿骨近位部骨折は高齢者に最も多くみられる骨折の一つであり、要支援、要介護となる割合が高く、また、医療経済的にも重要な外傷である。本骨折の予防と予後の改善のためには、長期の疫学調査を行うことにより頻度、危険因子、治療方法そして予後の推移を明らかにすることが重要である。

【目的】山形県における本骨折の20年間の疫学調査結果から、その動向を解析することである。

【対象と方法】山形県内の整形外科・外科を標榜し入院可能な全ての医療施設に対してアンケート調査を行った。対象は1996、2006、2016年の各年の1月1日から12月31日までに発生した65歳以上の大腿骨近位部骨折で、検討項目は年間発生数、発生率、男女比、受傷時年齢、月別発生数、受傷時間、受傷原因、受傷場所、骨折型、治療法、退院先、移動能力(受傷前、退院時、1年後)である。

【結果】アンケート回収率は全年100%であった。発生数は1996、2006、2016年、各々、665、1169,1728例であった。男女比は、各々、1:3.7、1:4.0、1:4.3であった。人口10万人あたりの発生率は、女性では年毎に有意に上昇していたが、男性では2006年と2016年では有意差は認められなかった。年齢階級別発生率は75〜79歳の女性で2016年は2006年と比べて低下していた。寒候期での発生が多かった。年毎に日中の活動時間帯での発生が多くなっていた。受傷原因ではつまずき・転倒がもっとも多く、20年間で83%から91%へ上昇していた。受傷場所は約2/3が屋内であった。屋内の内訳では全年で自宅が最も多かった。1996年から2006年にかけては施設が増加し、病院が減少していた。転子部骨折が頚部骨折の1.8〜1.9倍であった。骨折型別の年齢階級別発生率は女性の転子部骨折では1996年は85〜89歳でピークであったが、2006年と2016年は90歳以上でも上昇していた。90歳以上の転子部骨折が激増していた。手術は約90%に行われていたが、10年毎にその割合は低下していた。自宅への退院が10年毎に減り、2016年には地域連携クリニカルパスの利用が多かった。自力歩行可能者は2006年と2016年は退院時には少なかったが1年後には増加していた。

【考察】山形県における大腿骨近位部骨折は増加傾向であり、特に高齢女性での転子部骨折の発生が増加していた。高齢化に伴い、さらに増加する可能性がある。本骨折の主原因は高齢による骨脆弱化と転倒である。骨粗鬆症薬のさらなる普及、寒い時期の生活環境の整備、施設での転倒に対する環境整備により本骨折の発生が抑制される可能性があると考える。

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