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大学・研究所にある論文を検索できる 「Quantum mechanics of periodic dissipative systems: Application to rotational systems and finite dimensional systems」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Quantum mechanics of periodic dissipative systems: Application to rotational systems and finite dimensional systems

Iwamoto, Yuki 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23717

2022.03.23

概要

散逸環境下での分子の振動運動や回転運動は物理化学的問題において重要である。古典的領域においては、これらの運動はLangevin方程式に従うことが知られている。この系を量子化するのに、並進運動や振動運動に関してはCaldeira-Leggettモデルがよく用いられる。しかし二次元の回転運動に関してこのモデルを用いると、系と熱浴の相互作用が系の自由度に対して周期的になっていないため、本来出るはずの量子的な回転バンドをつぶしてしまうという問題があった。

そこで本学位論文では、系の自由度に対して周期的で、かつLangevin方程式を導出することができるRotationally Invariant System-Bathモデル(RISBモデル)を導入した。このモデルから量子マスター方程式を導出し、回転の線形吸収スペクトルを数値的に計算した。その結果、摩擦が小さい領域では量子的な個々の回転バンドを再現し、摩擦が大きい領域になると古典的なLangevin方程式による解析解と一致した。またこのモデルを三次元の回転に拡張した。この三次元のRISBモデルに関しても、このモデルハミルトニアンから線形分子のEuler-Langevin方程式を導くことができることを示した。そしてこの場合についても二次元の時と同様に量子マスター方程式を導出して数値計算を行い、高摩擦領域においてはEuler-Langevin方程式による解析解と一致することを確かめた。また電場をかけた時の回転スペクトルの変化や二次元回転スペクトルについても論じた。

またこのRISBモデルの周期を一般化し次元を有限次元にしたPeriodic Invariant S ystem-Bathモデル(PISBモデル)を導入した。このモデルハミルトニアンは周期を変化させることでCaldeira-LeggettモデルとRISBモデルを統一的に表すことが出来る。また従来は密度行列の時間発展を計算する際、微分を差分に置き換えるということが必要であったが、この定式化では最初から有限次元であるため、差分に置き換えるという操作が存在しない。このとき、ポピュレーションの時間微分が0になることを示すことが出来て、それ故に安定に数値計算することができる。そのことを示すため、二次元回転子と調和振動子について数値計算を行った。その結果、従来の方法では計算できないような少ない状態数でも発散せず計算できることが示された。また従来の方法では計算できないような極端に局在化した初期状態からはじめても、平衡分布に至るまで計算できることが示された。

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