150
[61] 吉本雅浩 名古屋大学 博士論文 (2017).
[62] K. Hamada et al., JINST, 7, P07001 (2012).
[63] 濱田要 名古屋大学 博士論文 (2013).
[64] N. Agafonova et al. (OPERA Collaboration), J. High Energy Phys., 06, 151 (2018).
[65] N. Agafonova et al. (OPERA Collaboration), J. High Energy Phys., 07, 004 (2013).
[66] 北川暢子 名古屋大学 博士論文 (2013).
[67] N. Agafonova et al. (OPERA Collaboration), J. High Energy Phys., 11, 036 (2013).
[68] T. T. Bohlen et al., Nucl. Data Sheets 120, 211 (2014).
[69] A. Ferrari, P. R. Sala, A. Fasso and J. Ranft, CERN-2005-010 (2005).
[70] C. Andreopoulos et al., Nucl. Instrum. Methods A, 614, 87 (2010).
[71] C. Andreopoulos et al., arXiv:1510.05494.
[72] S. Zemskova, et al., Phys. Part. Nucl. 47, 1003 (2016).
[73] 野々山芳明 名古屋大学 博士論文 (2011).
[74] https://vtk.org
[75] https://www.qt.io/ja-jp/
[76] 吉岡哲平 名古屋大学 博士論文 (2011).
[77] A. Hiramoto et al. (NINJA Collaboration), Phys. Rev. D, 102, 072006 (2020).
[78] S. H. Hayakawa et al. (J-PARC E07 Collaboration), Phys. Rev. Lett., 126, 062501 (2021).
[79] 中村悠哉 名古屋大学 博士論文 (2022).
[80] A. Ferrari, et al., CERN-AB-Note-2006-038, EDMS No.745389.
[81] P. Huber, M. Lindner and W. Winter, Comput. Phys. Commun. 167, 195 (2005).
[82] P. Huber, J. Kopp, M. Lindner, M. Rolinec and W. Winter, Comput. Phys. Commun.
177, 432 (2007).
[83] A. M. Dziewonski and D. L. Anderson, Phys. Earth Planet. Interiors 25, 297 (1981).
[84] F. D. Stacey and P. M. Davis, Cambridge University Press, Cambridge U.K. (2008).
[85] N. Agafonova et al. (OPERA Collaboration), Prog. Theor. Exp. Phys., ptad012 (2023).
[86] P. Abratenko et al. (MicroBooNE Collaboration), Phys. Rev. Lett., 130, 011801 (2023).
151
付録 A
タウニュートリノ出現解析の結果
OPERA 実験の目的であるタウニュートリノ出現解析は、2018 年に最終結果が報告された [19]。
2015 年時点の結果では、幾何学、運動力学的パラメータによるカットによって 5 イベントの ντ 候
補を得、5.1σ で νµ → ντ を検出した。2018 年にはここから更に ντ 候補を増やし ∆m232 をより精
密に測定するために、多変量解析によるアプローチが取られた。
まず表 A.1 の基準に従ってイベント候補を選出する。各パラメータの意味は 4.4.3 項で述べたと
おりである。バックグラウンドとして考慮された 3 種のうち、チャームクォークを含む粒子(D ± 、
D0 、Ds0 、Λ+
c )は νµ CC 反応で生成されるため大半は 1µ/0µ の識別と ECC 中での飛跡の追跡に
よって除去される。ハドロン二次反応(2ry int.)は 2015 年以前の解析では p2ry 、pT
2ry 、後述する
ϕIH のカットによって抑制されていたが、同時に多数のシグナルも損失していたため、2018 年の
解析では基準が大幅に緩和された。ミュー粒子大角度散乱(µ LAS)は MC シミュレーションと
過去のミュー粒子散乱実験などを考慮して見積もられた。表 A.2 はタウニュートリノ候補の期待
値および検出数の一覧である。ここでは sin2 2θ23 = 1、∆m223 = 2.50 × 10−3 eV2 を仮定してい
る。これらの可視エネルギーの分布は図 8.1 で示したとおりである。
τ → 1h
τ → 3h
τ →µ
τ →e
zdec (mm)
< 2.6
< 2.6
< 2.6
< 2.6
θkink (rad)
> 0.02
> 0.02
> 0.02
> 0.02
p2ry (GeV/c)
>1
>1
[1, 15]
>1
pT2ry (GeV/c)
> 0.15
> 0.1
> 0.1
Variable
Charge2ry
Negative
or unknown
表 A.1: タウニュートリノ候補選出基準。
ここから得られた候補に対して、BDT に基づく多変量解析を適用する。BDT のトレーニング
サンプルは MC シミュレーションによって生成したイベントのうち表 A.1 の基準を満たすものが
付録 A タウニュートリノ出現解析の結果
152
Expected background
Ch.
Charm
2ry int.
τ → 1h
0.15 ± 0.03
τ → 3h
0.44 ± 0.09
τ →µ
0.008 ± 0.002
τ →e
0.035 ± 0.007
Total
0.63 ± 0.10
µ LAS
Total
ντ exp.
Obs.
1.28 ± 0.38
1.43 ± 0.39
2.96 ± 0.59
0.09 ± 0.03
0.52 ± 0.09
1.83 ± 0.37
0.024 ± 0.008
1.15 ± 0.23
0.035 ± 0.007
0.84 ± 0.17
2.0 ± 0.4
6.8 ± 1.4
10
0.016 ± 0.008
1.37 ± 0.38
0.016 ± 0.008
表 A.2: タウニュートリノ候補の期待値及び検出数。
用いられた。また教育にあたっては、表 A.1 の変数に加えて下記の変数を追加する。
pTmiss : ビーム垂直平面上での、崩壊による娘粒子を含む全ての二次粒子の運動量の和。
ϕIH : ビーム垂直平面上での、タウ粒子方向とその他二次粒子の運動量の和のなす角。
m: 親粒子の不変質量。
BDT の応答変数の MC シミュレーションからの予測と上記 10 イベントとの比較を図 A.1 に載
せる。統計解析はこの BDT 応答変数を含む確率密度関数を用いた尤度関数に基づいて行われた。
図 A.1: タウ粒子崩壊チャンネルごとの BDT 応答変数。
まずタウニュートリノ候補がバックグラウンドのみから構成される仮定はプロファイル尤度法か
ら 6.1σ で排除された。
153 ...