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大学・研究所にある論文を検索できる 「緑茶カテキンEGCGセンシング機構に基づいた機能性フードペアリングに関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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緑茶カテキンEGCGセンシング機構に基づいた機能性フードペアリングに関する研究

吉富, 廉 YOSHITOMI, Ren ヨシトミ, レン 九州大学

2022.03.23

概要

食品因子個々の機能性に関する研究は多いが、多種多様な食品因子を同時に摂取することで期待される機能性における組み合わせ効果 (機能性フードペアリング) はほとんど明らかとなっていない。生体内には摂取された食品因子を感知する仕組み (食品因子センシング) が備わっており、食品因子が生体調節作用を発揮する上で重要な役割を担っている。緑茶の主要な活性成分である (-)-Epigallocatechin-3-O-gallate (EGCG) はそのセンシング機構が明らかになっている食品因子の一つであり、センサーである 67-kDa Laminin Receptor (67LR) を介して多彩な生体調節作用を発揮することが知られている。また、柑橘由来ポリフェノールと EGCG は機能性フードペアリングの関係にあり、EGCG の抗がん作用や抗肥満作用は柑橘由来ポリフェノールにより増強されることが知られている。しかしながら、柑橘由来ポリフェノールが EGCG センシングを増強するために必要な用量ならびにヒトに対する効果は不明であった。そこで本研究では、EGCG と柑橘由来ポリフェノールの一種である糖転移ヘスペリジンとの適切な併用量の設定ならびにヒトにおける有効性を明らかにすることを目的とした。

EGCG は 67LR を介して環状グアノシン一リン酸 (cGMP) の産生を促進し、炎症抑制因子 Tollipの発現を上昇させることで、抗炎症作用を発揮することが知られている。そこで、マウス血漿中の cGMP 量を指標に、EGCG と糖転移ヘスペリジンとの組み合わせ効果を検討した。その結果、産生促進活性が報告されている用量の 1/3 以下 (30 mg/kg b.w.) の EGCG を糖転移ヘスペリジンと併用することにより cGMP 産生促進作用が発揮されることが示された。また、糖転移ヘスペリジンと 30 mg/kg b.w. EGCG 相当を含有した緑茶抽出物との併用は 90 mg/kg b.w. EGCG 相当を含有した緑茶抽出物と同等のcGMP 産生促進作用およびTollip 発現促進作用を発揮することが明らかとなった。

続いて上記の結果に基づき、EGCG と糖転移ヘスペリジンとを併用した機能性フードペアリングの抗肥満作用に対する有効性をヒト臨床試験により検証した。Body mass index (BMI) が 23 kg/m2以上 30 kg/m2 未満で 30~75 歳の健康な日本人男女 60 名を対象に、プラセボである麦茶 (以下、プラセボ) あるいは抗肥満効果が報告されていない用量の EGCG (146 mg/day) および糖転移ヘスペリジン (178 mg/day) を混合した茶 (以下、糖転移ヘスペリジン含有緑茶) を 12 週間摂取させた。その結果、プラセボにおいて観察された体重、BMI および内臓脂肪面積の増加は糖転移ヘスペリジン含有緑茶の摂取により抑制されることが示された。

以上の結果から、糖転移ヘスペリジンは EGCG センシングを増強すること、また、ヒト臨床試験において緑茶と糖転移ヘスペリジンとの併用摂取は抗肥満作用を発揮するフードペアリングとして有用であることが示された。

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