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大学・研究所にある論文を検索できる 「Control of Supramolecular Structures of Porphyrin Derivatives in Thin Films」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Control of Supramolecular Structures of Porphyrin Derivatives in Thin Films

Tomita, Kazutaka 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23729

2022.03.23

概要

有機薄膜太陽電池(OPV)や有機電界効果トランジスタ(OFET)などの電子デバイスに用いられる機能発現層は,機能性分子を二次元的に敷き詰めたものである.デバイスにより高い性能を付与するため,分子の一次構造や高次構造に高度な設計を施してあることはもちろんだが,一分子の性能ではデバイスの特性は決まらず“分子集合系”の構造が制御できて初めて定量的なデバイスの特性が制御できる.

こうした薄膜での分子集合構造の解析には,X 線回折法(XRD)を用いた結晶多形の解析が一義的に良く用いられる.一方,XRD では非晶部分の解析がおぼつかないだけでなく,結晶部位でさえ結晶子サイズが小さくなると回折ピークがブロード化する問題があり,とくに定量目的には不向きである. こうした構造解析の限界を克服する分光学的手法として, 当研究室で開発された多角入射分解分光法(MAIRS)が極めて有効である.MAIRS を赤外分光法と組合せて用いると,分子集合構造を分子配向という視点で明らかにすることができる.MAIRS は,結晶化の程度によらず分子の配向,コンフォメーション,分子間相互作用,パッキングなどを一度に議論することができる.すなわち,MAIRS-XRD という組み合わせにより,分子配向と結晶多形の両方を明らかにし,薄膜の分子集合構造を十分に明らかにできる.

こうした, 集合構造の可視化を可能にする分析手法の進歩に伴い, 分子集合構造の“制御”に取り組むことが可能になった. 有機薄膜の調整には, Langmuir- Blodgett 法, 自己組織化法, 蒸着法,スピンコート法,ディップコート法,ブレードコート法など多様な選択肢がある.いずれも,分子間の相互作用力と,分子と基板表面の相互作用力のバランスが重要で, 加えて成膜にかかる時間や温度環境を制御することで速度論的制御と熱力学的制御を施し, 最終的な集合構造が決まる.

本研究では,MAIRS-XRD を駆使した精密かつ定量的な分子集合構造解析を基盤として, 有機半導体分子の集合構造制御を二つのアプローチから検討した. ひとつは, スピンコート法における溶媒の揮発時間を制御することによって, ポルフィリン誘導体薄膜の構造制御を行った. 薄膜の構造形成にかかる時間は揮発時間によって決まるため, 揮発時間が短いときは速度論的に有利な構造, 長いときは熱力学的に安定な構造が得られやすくなる.

もうひとつは,ポルフィリンを主骨格とする有機半導体分子を対象に, これまで分子配向制御に用いられていなかった分子間配位結合を利用し, 形成困難だと考えられていた edge-on 型の配向を実現した.この際,配位結合能の程度を電子構造から予測し,中心金属が鉄のときが最大の分子間力を発揮すると予想し, それを異なる 4 つの金属元素について実際に化合物を合成し,網羅的に明らかにする検討も行った.

以下に,この 2 つの章について,詳細を述べる.

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