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大学・研究所にある論文を検索できる 「増殖型レトロウイルスシステムを用いた肺癌に対するプロドラッグ活性化遺伝子治療に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

増殖型レトロウイルスシステムを用いた肺癌に対するプロドラッグ活性化遺伝子治療に関する研究

櫛谷, 洋樹 北海道大学

2023.06.30

概要

【背景と⽬的】
肺癌は世界の癌関連死の中で最も多い癌腫とされており、我が国の統計において
も癌による死因の第1位となっている。⼿術による切除が第⼀選択となるが、遠隔転
移を伴う症例や多臓器浸潤を来した症例では、集学的治療が必要となる。しかし、進
⾏肺癌では局所浸潤や遠隔転移による症状に伴い全⾝状態不良となり、抗癌剤治療が
適応にならないことも多い。近年、分⼦標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場
により肺癌治療の選択肢は増えたが、⽣存期間中央値は2年前後となっており効果は
⼗分ではない。したがって、副作⽤の少ない新規治療の開発は急務である。そこで私
は増殖型レトロウイルスベクター(Retroviral replicating vector: RRV)を⽤いた癌遺伝
⼦治療に着⽬した。レトロウイルスベクターは多くの遺伝⼦導⼊に利⽤されている
が、その特徴としてウイルス構成配列は⼀本鎖RNAであり宿主細胞内で⼆本鎖DNA
に逆転写され、宿主細胞のDNAに組み込まれるため、安定した遺伝⼦発現が可能と
なる。しかし、従来より使⽤されてきた⾮増殖型レトロウイルスベクターは⾃⼰増殖
能を⽋き、遺伝⼦導⼊効率が低いという弱点があった。その点を補うため⾃⼰増殖能
を持つRRVが開発され多くの癌腫でその有効性が⽰されてきた。RRVはガンマレト
ロウイルスに属するMolonyマウス⽩⾎病ウイルスを遺伝⼦改変し開発されたもの
で、レトロウイルスの基本構造を維持し、⾃⼰増殖⼒を有することが⼤きな特徴であ
る。したがって、従来の増殖能⽋損型レトロウイルスベクターと異なり、宿主細胞へ
の⾼い感染⼒、遺伝⼦導⼊効率を有している。また、レトロウイルスは細胞溶解性を
持たず、⼀度感染した宿主細胞は恒久的な遺伝⼦発現細胞となる。導⼊する治療遺伝
⼦としては酵⺟菌由来のシトシン脱アミノ化酵素(yeast cytosine deaminase: yCD)が
組み込まれている。yCDは宿主細胞内で哺乳類動物に無毒なフルオロシトシン (5fluorocytosine: 5-FC)を抗癌剤であるフルオロウラシル (5-fluorouracil: 5-FU)に変換
する酵素である。5-FUは主要な化学療法剤の⼀つであるが全⾝投与が原則であり、
⾻髄抑制などの重篤な副作⽤を引き起こす。RRVを⽤いたプロドラッグ活性化遺伝
⼦治療の利点は、無毒な5-FCを全⾝投与するとyCDを発現する癌細胞内でのみ5-FC
が5-FUに変換され、全⾝性の副作⽤をきたすことが少ないことである。そこで本研
究では上述のRRVを⽤いたプロドラッグ活性化遺伝⼦治療の肺癌に対する有効性を
前臨床試験として評価することとした。
【材料と⽅法】
RRVの感染能、遺伝⼦導⼊効率、治療効果を評価するため、ヒト肺癌細胞株であ
るA549、H226、SBC-3およびマウス肺癌細胞株であるEx-3LLを⽤いた。 ...

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