アディポカインを介した脂肪細胞-脳神経細胞間コミュニケーション仮説の検証と応用
概要
本研究では、脂肪組織由来の分泌タンパク質であるNAMPTに注目し、その脂肪細胞内での効果と他組織への影響について検討した。
・NAMPTは脂肪細胞の正常分化に必要であることが判明した。さらに脂肪細胞においてNAMPTの発現を増加する食品成分をin vitroでスクリーニングしたところ、大豆イソフラボンであるゲニステインが候補として見いだされた。
・ゲニステインを投与したマウスの内蔵脂肪組織において、NAMPTの発現量が顕著に増加した。脂肪組織から分泌されたNAMPTは、脳機能を向上するとの報告があるので、大脳におけるNAMPT量を解析したが、対照群とゲニステイン投与群で有意な差は生じなかった。