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大学・研究所にある論文を検索できる 「肝生検検体を用いた原発性硬化性胆管炎の病態解明」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

肝生検検体を用いた原発性硬化性胆管炎の病態解明

金井, 祥子 東京大学 DOI:10.15083/0002006979

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名金井

祥子

原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis: PSC)の病態はいまだ解明されておら
ず、ゲノムワイド関連解析の結果、疾患感受性遺伝子候補が複数挙げられているが、病態へ
の関与は不明である。本研究では、PSC 患者の診断時の肝生検検体を用いて、これらの候
補遺伝子の局所発現解析を行い、PSC の病態を解明するための検討を行ったものであり、
下記の結果を得ている。
1.

PSC 患者の肝細胞、胆管細胞、及び門脈域の線維芽細胞における TNFRSF14 及

びその活性化リガンドである LIGHT の発現上昇を明らかにした。
2.

また、PSC 患者の臨床的特徴と肝内の各細胞分画における両分子の発現プロファ

イルの関連を解析したところ、症例毎に多彩な発現パターンを呈しており、少数例での
検討ではあるが、①肝細胞における TNFRSF14 高発現症例が女性に多く、②肝細胞及
び胆管細胞における LIGHT 高発現症例が進行期の症例に多い、という結果を得た。
PSC では TNFRSF14 の他、GWAS にて 30 個程度の疾患感受性候補遺伝子が挙げられ
ているものの、これらの候補遺伝子の各臓器・組織における発現プロファイルは未だ明らか
でない。また、候補遺伝子の予測には人種差が関連するが、PSC における GWAS は全て欧
米人のデータベースを用いており、本邦を始めとしたアジア人を含めたデータベースでの
解析はこれまで無い。このような背景を考慮すると、症例数こそ少数ではあるものの、肝臓
局所での候補遺伝子の発現解析を行った今回の我々の検討は、特に本邦 PSC 患者の病態解
明において、重要な知見になり得ると考えられる。
PSC の病態解明のため、患者臨床検体を用いた検討が行われているが、病態の終末像と
して様々な修飾が加わった移植肝を対象とした研究が多い。一方で、肝生検が PSC の診
断における必須項目ではない背景もあり、診断時の肝生検検体を多数例保有している施設
は少なく、数例程度の解析が散見される。今回我々が解析に用いた検体は、PSC により特
徴的な病態を解明するにあたり、今後も貴重なコホートとなり得る。

よって本論文は博士( 医 学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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