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体外衝撃波による膝関節拘縮の予防効果ーラット拘縮モデルを用いた検討ー

岩津, 潤 東北大学

2023.03.24

概要

博士論文

体外衝撃波による膝関節拘縮の予防効果
―ラット拘縮モデルを用いた検討―

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
外科病態学講座整形外科学分野
岩津 潤
1

1

I.

要約

2

骨折、靭帯損傷、腱断裂などに対するギプスを用いた関節固定は局所治療とし

3

てよく用いられる。しかし長期間の関節固定は関節拘縮の原因となり、関節包が

4

その主要因をなすと考えられている。関節拘縮は関節の可動域制限を生じ、日常

5

生活に支障を来す。そのため関節拘縮に対する治療としてリハビリテーション

6

や手術が行われるが完全な可動域の改善はしばしば困難である。拘縮を予防す

7

ることが大切であるが、有効な予防法は未だないのが現状である。関節固定後の

8

関節包では線維化、炎症、低酸素、軟骨化生が起こることが報告されている。

9

体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave therapy:ESWT)は抗線維化、抗

10

炎症、血管新生、抗アポトーシス、組織修復効果があると報告されており、泌尿

11

器科、循環器内科、整形外科領域で様々な疾患に使用されている。本研究の目的

12

はラット膝関節固定拘縮モデルを用い、関節固定によって起こる関節拘縮に対

13

する ESWT の予防効果およびその機序を評価することである。

14

膝関節内に侵襲を加えることなく固定するラット膝関節固定拘縮モデルを使

15

用した。12 週齢 SD ラットの大腿骨と脛骨にスクリューホールを開け、膝関節

16

屈曲 150°でプレート固定した。ESWT を行う群(ESWT 群)には固定後翌日

17

から固定期間終了まで吸入麻酔下に ESWT 治療(0.25 mJ/mm2, 3000 shot, 4 Hz,

18

3 日/週)を行った。コントロール群には吸入麻酔のみ行った。固定期間は 2 週、

2

19

4 週、6週とし、膝関節可動域、関節包の弾性、関節包の変化に関わる遺伝子発

20

現、タンパク発現を評価した。

21

膝関節可動域はコントロール群と比較して ESWT 群で固定4週と固定6週で

22

有意に大きく、ESWT によって膝関節拘縮の進行を妨げることができた。超音

23

波顕微鏡を用いて行った関節包の弾性評価では、コントロール群と比較して

24

ESWT 群で固定6週の後方関節包の弾性が有意に低かった。つまり ESWT によ

25

って関節包の硬化が抑制されていた。次に後方関節包の遺伝子発現を評価した。

26

ESWT 群では固定6週で I 型コラーゲン(Collagen type I (Col1))α1、結合組

27

織増殖因子(Connective tissue growth factor (CTGF))、α-平滑筋アクチン(α

28

-smooth muscle actin (α-SMA))の遺伝子発現が有意に低下していた。インタ

29

ーロイキン(Interleukin (IL))-6 と低酸素誘導因子(Hypoxia inducible factor

30

(HIF))-1αの遺伝子発現は増加していた。免疫染色では ESWT 群で固定4週

31

と6週で CTGF 陽性細胞数の割合が有意に低かった。関節癒着領域の分化抗原

32

群(Cluster of differentiation (CD))68 陽性細胞数は固定4週で ESWT 群で

33

有意に少なく、血管数は固定6週で ESWT 群で有意に増加していた。遺伝子発

34

現、タンパク発現の評価により ESWT には抗線維化、マクロファージ浸潤の抑

35

制、血管新生作用があることが示された。

36

本研究から ESWT は関節包の抗線維化、マクロファージの浸潤抑制、血管新

3

37

生の促進により関節包の弾性を低下させ、関節拘縮の進行を予防した。ESWT は

38

関節拘縮予防の新たな治療戦略となる可能性がある。ギプスやシーネ固定中の

39

患者に ESWT 治療を行うことで拘縮の進行を予防できる可能性がある。

40
41

II.

研究背景

42

骨折、靭帯損傷、腱断裂などに対するシーネやギプスを用いた関節固定は一般

43

によく用いられる治療法で、局所の安定化の他疼痛、腫脹を軽減する (1)。しか

44

し長期間の固定によりしばしば関節拘縮が生じる (2)。関節拘縮は自動・他動的

45

な可動域制限と定義され (3)、長期間の固定以外にも外傷、長期臥床による廃用、

46

凍結肩などで生じる (4―6)。肩の拘縮による着替えや洗髪動作の制限 (7)、膝

47

の拘縮による歩行や座位の制限など、関節拘縮は時に日常生活において大きな

48

支障をきたす (8、9)。関節拘縮の治療は理学療法や運動療法などのリハビリテ

49

ーションが中心であり、時に手術治療が行われるが完全な可動域の改善はしば

50

しば困難である (10)。そのため関節拘縮に対しては予防が大切である。関節拘

51

縮を予防するためにストレッチが重要とされるが (11)、その効果は限定的であ

52

る (12)。また関節固定をしながら拘縮を予防する方法はない。

53

関節拘縮の原因は筋肉等の関節外組織によるものと関節内組織によるものに

54

大きく分けられる (13、14)。その中でも関節内組織、特に関節包が重要な役割

4

55

を果たす (15)。ラットモデルを用いた研究では、関節包の硬化が関節拘縮の主

56

な原因であるとされる (13)。従って、関節包に焦点をあてれば、効果的な関節

57

拘縮予防の治療戦略が可能と考えられる。関節包は関節を包む柔軟性のある袋

58

状の組織であり、外側は線維性膜、内側は滑膜から構成される (16)。関節固定

59

によってこの関節包に線維化、炎症、低酸素、軟骨化生が生じる (6、17、18)。

60

また膝関節屈曲固定による後方関節包の肥厚、線維化と関節包内の筋線維芽細

61

胞の増加が報告されている (14)。ラットを用いた関節固定後の関節包の変化を

62

調べた研究では関節包の低酸素状態や炎症が関節固定1日後から観察され

63

(18)、線維化に関わる CTGF やトランスフォーミング増殖因子(Transforming

64

growth factor (TGF))-β などが増加する (17)。また Hagiwara らは凍結肩患者

65

でも、関節包で線維化や炎症に加えて軟骨化生が生じていることを報告してい

66

る (6)。

67

体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave therapy:ESWT)は 1980 年代に

68

尿路結石の治療として開発され、それ以降泌尿器科、循環器内科、整形外科領域

69

において様々な疾患に使用されてきた (19)。本邦では現在整形外科疾患では足

70

底腱膜炎のみが保険診療の適応である (20)。Lai らは足底腱膜炎患者に ESWT

71

を施行した群とステロイド注射をした群でランダム化比較試験を行い、ESWT

72

を施行した群で有意に疼痛の visual analogue scale(VAS)が改善したと報告し

5

73

ている (21)。その他にも海外ではアキレス腱炎、疲労骨折や偽関節など多くの

74

整形外科疾患の治療に使用されている (22―24)。ESWT は血管新生、損傷組織・

75

神経組織の修復、抗炎症や抗アポトーシス、抗線維化などの効果を有するとされ

76

る (25―29)。以上より、ESWT が関節固定による関節包の変化を抑制すること

77

で関節拘縮を予防できると仮説し、本研究を行った。

78
79
80
81

III.

研究目的

関節固定によって起こる関節拘縮に対する ESWT の予防効果を評価し、その
作用機序を解明することである。

82
83
84
85

IV.

研究方法

本研究は東北大学動物実験委員会から倫理承認を得て行われた(Approval No.
2019MdA-153-03)。

86

11 週齢 Sprague-Dawley rats ラット(CLEA Japan, Tokyo, Japan)を購入し、

87

1週間飼育環境に順応させた。飼育環境は電気消灯を 12 時間毎とし、飲水、食

88

事は自由に行わせた。12 週齢で膝関節の固定手術を行った。麻酔はイソフルラ

89

ンの吸入麻酔で入眠させた後に塩酸メデトミジン、ミダゾラム、酒石酸ブトルフ

90

ァノールの三種混合麻酔で維持した。手術は大腿骨上と脛骨上に 1 cm の小切開

6

91

を行い、大腿骨と脛骨を露出させそれぞれに電動ドリルを使用しスクリューホ

92

ールを作成した。図 1 のようなプラスチックプレートとスクリューを用いて、

93

膝関節自体には直接侵襲を加えずに膝関節 150 度屈曲位で、大腿骨と脛骨をプ

94

レートで固定した(図2)(30、31)。手術後に 108 匹を ESWT 治療を行う ESWT

95

群と、治療を行わないコントロール群の 2 群(各群 54 匹)にランダムに分け、

96

関節固定後 2 週、4 週、6 週で(各週、各群 18 匹ずつ)安楽死させ、それぞれ

97

可動域計測、遺伝子発現解析および組織学的分析(各群、各週、各分析 6 匹ず

98

つ)に使用した。

99
100

体外衝撃波(ESWT)治療

101

ラットを側臥位としイソフルランで吸入麻酔を行った。ESWT 群には focused

102

型の ESWT(Storz Medical AG, Tägerwilen, Switzerland)を固定した膝関節の

103

外側の皮膚上から行った(図 3 A)。期間は固定後1日から固定期間終了(2週、

104

4週、6週)までとした。照射エネルギーは 0.25 mJ/mm2、照射回数は 3000 shot、

105

4 Hz で、週3日行った。コントロール群は同様の麻酔のみ施行した(図 3 B)。

106
107
108

関節可動域計測
固定期間終了後ペントバルビタールナトリウムをラットの腹腔内に過量投与

7

109

し安楽死させた。その後固定した膝関節を含む下肢を図 4 のように股関節で離

110

断し、固定したプレートとスクリューを抜去し、膝関節を傷つけないように可能

111

な限り筋肉を除去した (13、31)。屈曲位で拘縮した下肢の大腿骨を可動域計測

112

装置に固定後、足関節に3種類の重錘(50 g、100 g、200 g)を紐でつるし、滑

113

車を用いることで下方牽引した (32)(図 5)。最大伸展位となったところで牽引

114

した状態を保持し、レントゲンを撮像した。関節可動域はレントゲンで撮影され

115

た大腿骨と脛骨の長軸のなす角度とし、分度器を用いて測定した (13)(図 6)。

116
117

サンプル採取と組織の準備

118

固定期間後安楽死させたラットの大動脈に 0.1 M のリン酸緩衝生理食塩水

119

(pH7.4)中に 4%パラホルムアルデヒドを 300 ml 灌流し灌流固定を行なった

120

(33)。灌流固定後、膝関節を取り出し、固定したプレートとスクリューを抜去し

121

4℃で 24 時間 4%パラホルムアルデヒドに浸漬した。その後 10%エチレンジア

122

ミン四酢酸に漬け、4℃で 2 か月間脱灰を行った。脱灰を確認後、50%、60%、

123

70%、80%、90%、95%、100%エタノールに1時間ずつ、キシレンに4時間浸

124

漬し脱水を行った。組織片をトレーに置き 2 時間毎にパラフィンを交換しキシ

125

レンと置換させパラフィン包埋を行なった。パラフィンブロックの膝関節内側

126

顆部を矢状面方向に外側から薄切していった。半月板は三日月の形をしており、

8

127

外側を薄切すると矢状面で半月板が前後で連続しているが、内側に薄切を進め

128

ると半月板が前後に分かれる。その半月板が前後に分離するところを基準とし

129

その内側を 5 μm で薄切し、組織切片を作成した (33)。

130
131

組織学的評価

132

それぞれの切片に対してヘマトキシリン・エオジン染色を行い、後方関節包周

133

囲の形態学的変化を観察した。関節固定によって関節包滑膜の長さが縮小し、関

134

節内に癒着が起こり、関節腔内面積の減少が起こることで関節拘縮となること

135

が報告されている (29)。そこで、関節包滑膜および関節腔内面積を測定するこ

136

とで関節包滑膜、関節内の癒着の変化に対する ESWT の効果を検討した。図 7

137

のように、大腿骨から半月板後方につながる関節包の表面の後上方関節包の滑

138

膜組織の長さと、脛骨から半月板後方につながる後下方関節包の滑膜組織の長

139

さを測定し、関節包滑膜の長さとした。また後上方関節包滑膜の間に線維性の構

140

造物が見られた場合これを癒着と定義し、その領域を癒着領域とした。後上方関

141

節包に囲まれた領域で癒着していない領域を後方関節腔とし、この面積を測定

142

した。

143
144

9

145

免疫染色

146

切片を段階的に脱パラフィンし 3.0%過酸化水素溶液に浸して内因性ペルオキ

147

シダーゼを阻害した。0.1%トリプシン(富士フィルム和光純役株式会社、大阪

148

市、日本)と 0.1% CaCl2/Tris buffer で賦活化を行った。非特異的免疫グロブリ

149

ンを室温で 30 分間、10%正常ヤギ血清(ニチレイバイオサイエンス、東京、日

150

本)を用いて除去した。一次抗体としてウサギポリクローナル α-SMA 抗体

151

(ab5694, Abcam, Cambridge, UK:希釈、1:1000)、マウス抗ラット CD68 抗

152

体(MCA341 R、Bio-Rad Antibodies, Hercules, CA:希釈、1:400)、ウサギポ

153

リ ク ロ ー ナ ル CTGF 抗 体 (ab6992, Abcam : 希 釈 、 1 : 200) 、 ウ サ ギ

154

type I collagen 抗体(LSL-LB-1102、コスモ・バイオ株式会社、東京、日本:希

155

釈、1:800)を使用し 4℃、24 時間でインキュベートした。

156

二次抗体として、α-SMA、CTGF、Col1α1 にはホースラディッシュペルオ

157

キシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗ウサギ免疫グロブリン(IgG)(Dako, Glostrup,

158

Denmark)、CD68 にはヤギ抗マウス免疫グロブリン(ニチレイバイオサイエン

159

ス)を使用し室温で 30 分間インキュベートした。最後に 3,3’-ジアミノベンジジ

160

ン四塩酸塩(Sigma-Aldrich Co. LLC, St. Louis, MO)に 0.03%過酸化水素水を

161

加え、0.1 M イミダゾールを加えて暗所で 10 分間発色させた。すべてのスライ

162

ドは同時に染色を行った。

10

163

α-SMA は血管壁の平滑筋細胞だけでなく筋線維芽細胞のマーカーでもあり、

164

血管数と筋線維芽細胞を評価するために用いられる (34、35)。α-SMA で染色

165

される管腔構造を血管として同定し (36)、後方関節包内の全血管数を測定した。

166

さらに血管径が 20μm 未満の血管を小血管、20 μm 以上の血管を大血管と定

167

義し、小血管数、大血管数を数えた。また筋線維芽細胞は線維芽細胞から分化し

168

線維化に関与する。管腔構造を持たないα-SMA 陽性細胞を筋線維芽細胞と定義

169

したが、本研究ではそのような細胞は観察できなかった。

170

関節固定によって固定早期からマクロファージが関節内に遊走してくること

171

が報告されている (37)。CD68 はマクロファージに発現する膜糖タンパク質で

172

あり、マクロファージ様 A 型滑膜細胞を CD68 で免疫染色し (38)、後上方関節

173

包の滑膜の長さと CD68 陽性細胞数を測定し、滑膜 1 mm あたりの CD68 陽性

174

細胞数を算出した。また癒着領域の面積と癒着領域内の CD68 陽性細胞数を測

175

定した。固定2週のコントロール群の癒着領域面積が 104 μm2 から 8×104 μm2

176

であったため 104 μm2 を基準として癒着領域の 104 μm2 あたりの CD68 陽性細

177

胞数を算出した。

178

CTGF は線維芽細胞の増殖、コラーゲンなどの細胞外基質タンパクの産生促

179

進作用を有する (39)。関節包においても関節固定によって CTGF 陽性細胞が発

180

現、増加することが報告されている (17)。後方関節包内を 400 倍の倍率で観察

11

181

し 1 視野あたりの全細胞数に占める CTGF 陽性細胞数を測定し線維化に対する

182

ESWT の作用を評価した。関節包の 80%はI型コラーゲンで構成されており、

183

関節拘縮によってI型コラーゲンが増加し線維化が起こる (40)。Col1α1 を用

184

いて関節包内の I 型コラーゲンの基質染色強度の免疫組織化学的スコアを評価

185

することで ESWT による関節包の線維化に対する効果を調べた (41)。免疫組織

186

化学的スコアは 1 から 3 までの 3 段階とし、固定 2 週の関節包滑膜と同等の強

187

陽性を 3、周囲の骨梁と同程度の弱陽性の領域があれば 1 とし、その中間の染色

188

強度を 2 とした。上記の染色抗体と標識する細胞を表1に示した。

189
190

組織の弾性評価

191

組織の硬さは変形のしにくさととらえることができるが、均一な組織の場合

192

にはこれを弾性と表現する。組織の弾性を調べる方法として超音波顕微鏡や超

193

音波エラストグラフィを用いる方法がある。超音波エラストグラフィはエコー

194

を用いて組織の硬さを評価することができるが (42)、細胞レベルでのより細か

195

い解析は困難である。音波の速度は物質の種類、状態などに影響される。組織の

196

硬さと音速は正の相関を示し、組織が硬いと音速は速くなる。超音波顕微鏡は観

197

察対象に超音波を放射し、サンプルからの反射波または透過波を解析し画像に

198

変換することで組織の硬さや厚さを評価する。顕微鏡下に細胞レベルで組織の

12

199

硬さを評価することができ、周波数 100 MHz 以上の超音波により解像度が光学

200

顕微鏡の 40 倍に相当する解像度で生体組織の観察が可能である。

201

脱パラフィン後に超音波顕微鏡(Scanning acoustic microscope (SAM))を用

202

いて後方関節包領域の音速を測定することで関節固定によって硬くなる後方関

203

節包に対する ESWT の効果を評価した (32)。ヤング率の二重ルートに比例する

204

音速は波形のフーリエ変換によって計算した。超音波顕微鏡によって算出され

205

た画像は Photoshop CC 2021(Adobe Systems, San Jose, CA)を用いてグレース

206

ケールに変換した。半月板や大腿骨、脛骨、軟骨を除いた後方関節包の領域の平

207

均音速を測定した (32)。

208
209

遺伝子発現解析

210

安楽死後、後方関節包を切離しすぐに 1 ml の QIAzol(Qiagen, Venlo,

211

Netherland)に浸漬し、液体窒素で凍結した。サンプルを Polytron homogenizer

212

(Kinematica AG, Malters, Switzerland)を用いて粉砕し、RNeasy Lipid Tissue

213

Mini Kit(Qiagen)を使用し RNA を抽出した。抽出した RNA から Cloned AMV

214

First-strand cDNA Synthesis Kit(Invitrogen、Carlsbad、CA)を使用し相補的

215

DNA を合成した (43)。Quantitative reverse transcription polymerase chain

216

reaction (qRT-PCR)を使用し EF1α1 を標準とした。線維化に関与する遺伝子

13

217

として col1α1、III 型コラーゲン(Collagen type III(Col3))α1、TGF-β、

218

CTGF、α-SMA を評価した。関節拘縮によって線維芽細胞がα-SMA 陽性の筋

219

線維芽細胞に分化することで I 型コラーゲンが増加し (14)、III 型コラーゲンが

220

減少する (44)。また TGF-βと CTGF の遺伝子発現が増加する (17)。ESWT

221

の線維化に対する効果を検証する目的で上記を用いた。炎症に関与する遺伝子

222

として IL-1β、IL-6、腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor (TNF))-α、TNF-

223

β を評価した。IL-1β、IL-6、TNF-α はマクロファージなどで産生・分泌され

224

炎症の初期応答に関わっている。関節固定された関節包においても炎症が誘発

225

され炎症性サイトカインの発現が増加する (18)。ESWT の炎症に対する効果を

226

検証する目的で上記を用いた。血管新生に関与する遺伝子として HIF-1α、血管

227

内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial growth factor (VEGF))、細胞増殖核抗

228

原(Proliferating cell nuclear antigen (PCNA))、内皮型一酸化窒素合成酵素

229

(Endothelial nitric oxide synthase (eNOS))を評価した。HIF-1αはエリスロポ

230

エチンや VEGF など多数の血管新生に関わる発現を誘導し毛細血管の増加に関

231

与している (45)。VEGF は血管内皮細胞に作用し細胞の分裂、分化を誘導し新

232

たな血管の形成に関わる (46)。eNOS は血管内皮で NO の産生を担い、NO は

233

血管拡張や血管新生に関わっている (47)。 ...

この論文で使われている画像

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707

708

X.

謝辞

709

本研究を行うにあたり、萩原嘉廣先生ならびに井樋栄二東北大学名誉教授、相澤

710

俊峰教授にはこのような素晴らしい研究の機会を与えていただき、多大なるご

711

指導、ご鞭撻をいただきましたことを深謝いたします。東北大学医工学研究科の

712

西條芳文先生には超音波顕微鏡を本研究に使用させていただき感謝申し上げま

713

す。また矢部

714

お手伝い、ご指導を賜り感謝申し上げます。

裕先生、金澤憲治先生、板谷信行先生、曽木靖仁先生には実験の

41

図1

図1 膝関節固定に用いたプレートとスクリュー

φ1.0 mm、長さ8 mmのスクリューと、プラスチックプ

レートを用いて膝関節の固定を行った。

42

切開線

図2

図2 膝関節固定の模式図

大腿骨と脛骨の直上に約1 cmの皮膚切開を行い、

大腿骨と脛骨をプレートとスクリューで固定した。

43

体外衝撃波

吸入麻酔

側臥位

吸入麻酔

側臥位

図3

図3 体外衝撃波治療群とコントロール群の模式図

A:体外衝撃波治療群にはイソフルランの吸入麻酔下にラット

の膝関節外側より体外衝撃波治療を行った。

B:コントロール群には吸入麻酔のみを行った。

44

図4

図4 治療終了、股関節離断後の患側下肢

安楽死後に股関節離断を行い、患肢を摘出した。

45

滑車

測定台

重錘

図5

図5 可動域測定の模式図

可動域測定装置を机に置き、大腿骨を可動域測定装置

に固定した。滑車を通して足関節を重錘につけた紐で牽

引した。滑車と紐を固定し、牽引を保持した状態でレント

ゲンを撮影した。牽引時の大腿骨と脛骨の角度を関節可

動域と定義した。

46

図6

図6 患肢のレントゲン写真

大腿骨軸と脛骨軸の角度を関節可動域と定義し

分度器を用いて測定した。

47

図7

図7 後方関節包滑膜の長さと関節腔面積の測定方法

A:後方関節包周囲のHE染色の凡例を示す。

B:大腿骨(F)から半月板(M)までの関節包滑膜(点線)を後上方関

節包滑膜と定義し、長さを測定した。また脛骨(T)から半月板(M)ま

での関節包滑膜(実線)を後下方関節包滑膜と定義し、長さを測定し

た。

C:後上方関節包に囲まれた領域で癒着していない領域を関節腔と

し(実線で囲まれた領域)、面積を測定した。(Bar: 500 μm)

48

(度)

(度)

(度)

180

コントロール 180

ESWT

コントロール 180

ESWT

120

120

120

コントロール

ESWT

60

60

60

2w

4w

6w

2w

4w

6w

2w

4w

6w

*:p <0.05

図8

図8 関節固定後の関節可動域の変化

関節固定後2週、4週、6週の時点での関節可動域を50 g

(A)、100 g (B)、200 g (C)の重錘で測定した。コントロー

ル群と比較して体外衝撃波治療 (ESWT)群では固定4週

の100 g (p=0.044)と200 g (p=0.013)、固定6週の200 g

(p=0.009)で有意に可動域が大きかった。

49

JS

JS

JS

JC

JC

JC

JS

JS

JC

JS

(mm)

JC

JC

コントロール

ESWT

(mm)

(mm2)

コントロール

ESWT

0.4

0.6

0.3

0.4

0.2

0.2

0.1

4w

6w

2w

4w

6w

0.5

0.8

2w

コントロール

ESWT

2w

4w

6w

図9

図9 ヘマトキシリン・エオジン染色と後方関節包滑膜の長さと関節腔面積の変化

A−F:ヘマトキシリン・エオジン染色所見(Bar: 500 μm)

G:後上方関節包の滑膜の長さ、H: 後下方の関節包の滑膜の長さ、I:後方関節

腔面積

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療群の固定後2週、

4週、6週を示す。左側が腹側、右側が背側である。後方関節包(JC)は大腿骨

(T)と脛骨(F)に付着し半月板(M)の後方に認める。固定2週から後方関節腔内

(JS)には癒着(黒矢印)が見られた。後上方及び後下方の関節包の滑膜の長さ

(G、H)、後方関節腔面積(I)に両群で有意差はなかった。図A-Fの点線が測定し

た後上方関節包の長さ、実線が後下方関節包の長さである。

50

(m/s)

1700

コントロール

ESWT

1650

1600

1550

1500

*:p<0.05

2w

4w

6w

図10

図10 超音波顕微鏡による後方関節包の弾性評価

A−F:後方関節包の超音波顕微鏡所見

G:超音波顕微鏡の音速と色の関係

A、B、Cはコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave therapy(ESWT))群

の固定2週、4週、6週の後方関節包の弾性変化を超音波顕微鏡所見を示す(黄線で囲まれた領域:平均

音速の測定範囲)。

音速は色によって識別され(G)、両群の固定2週では音速が遅い(青から緑)領域が多くみられる(A、D)。

固定4週、6週のコントロール群では音速の速い領域(黄から赤)の増加がみられる。一方、ESWT群はコン

トロール群に比べ音速の速い領域がやや小さい。

H:後方関節包の平均音速

コントロール群では平均音速は固定2週から固定6週にかけて速くなる傾向にあった。固定6週でESWT群

で有意に音速が遅かった (p=0.020)。固定2週、4週では両群で明らかな有意差はなかった。すべてのデー

タは平均値±標準偏差で示す。

51

Col1α1

コントロール

ESWT

Col3α1

コントロール

ESWT

2w

4w

6w

2w

TGFβ-1

4w

2w

4w

6w

6w

コントロール

ESWT

2w

6w

α-SMA

コントロール

ESWT

4w

コントロール

ESWT

CTGF

2w

4w

6w

*:p<0.05

図11

図11 後方関節包の線維化に関わる遺伝子発現

A:I型コラーゲン(Collagen type I(Col1)α1

B:III型コラーゲン(Collagen type III(Col3))α1

C:結合組織増殖因子(Connective tissue growth factor (CTGF))

D:トランスフォーミング増殖因子(Transforming growth factor (TGF))-β

E:α-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin(α-SMA))

Col1α1とCTGFとα-SMAの遺伝子発現は固定6週でコントロール群と比

較して体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave therapy(ESWT))群で

有意に減少していた (p=0.035, 0.041, 0.001)。Col3α1とTGF-βの各固定

後期間と、Col1α1とCTGFとα-SMAの固定2週、4週は両群間で有意差

はなかった。すべてのデータは平均値±標準偏差で示す。

52

(%)

100

80

コントロール

ESWT

60

40

20

*:p <0.05

2w

4w

6w

図12

図12 後方関節包の結合組織増殖因子(Connective tissue growth factor (CTGF))の

免疫染色

A−F:CTGF免疫染色所見(Bar: 50 μm)

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療(Extracorporeal

shockwave therapy(ESWT))群の固定後2週、4週、6週の所見を示す。CTGF陽性細

胞は後方関節包内の滑膜下結合組織層、血管壁にも観察された。オレンジ矢印は

CTGF陽性細胞の一つを指す。

G:後方関節包のCTGF陽性細胞数の割合

固定2週では両群間で有意差がなかったが、固定4週、6週ではCTGF陽性細胞の割合

がコントロール群と比較してESWT群で有意に少なかった(それぞれp=0.048、p=0.029)。

すべてのデータは平均値±標準偏差で示している。

53

コントロール

ESWT

2w

4w

6w

図13

図13 後方関節包のI型コラーゲン(Collagen type I(Col1)α1免疫染色

A−F:Col1α1免疫染色所見(Bar: 500 μm)

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療

(Extracorporeal shockwave therapy(ESWT))群の固定後2週、4週、6週の

後方関節包のCol1α1免疫染色所見を示す。両群で2週、4週、6週の全てに

おいて関節包内全体が染色された。

G:Col1α1の染色強度

固定後2週、4週、6週いずれも両群間で有意差はなかった。すべてのデータ

は平均値±標準偏差で示している。

54

(/104μm2)

40

コントロール

ESWT

30

20

10

*:p<0.05

2w

4w

6w

図14

図14 後方関節包癒着領域のcluster of differentiation 68(CD68)免疫染色

A−F:CD68免疫染色所見(Bar: 50 μm)

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療(Extracorporeal

shockwave therapy(ESWT))群の固定後2週、4週、6週の後方関節包のCD68免疫

染色所見を示す。CD68陽性細胞は固定2週、4週では両群で癒着領域に多く観察

されたものの、固定6週ではあまり観察されなかった。オレンジ矢印はCD68陽性細

胞の一つを指す。

G:CD68陽性細胞数

固定4週でコントロール群と比較してESWT群で有意にCD68陽性細胞数が少な

かった (p=0.018)。固定2週、6週では両群間で有意差はなかった。データは平均値

±標準偏差で示している。

55

(/mm)

60

コントロール

ESWT

50

40

30

20

10

2w

4w

6w

図15

図15 後方関節包滑膜のcluster of differentiation 68(CD68)免疫染色

A−F:CD68免疫染色所見(Bar: 50 μm)

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療

(Extracorporeal shockwave therapy(ESWT))群の固定後2週、4週、6週の後

方関節包のCD68免疫染色所見を示す。CD68陽性細胞は、おもに関節腔の

表面に観察された。オレンジ矢印はCD68陽性細胞の一つを指す。

G:CD68陽性細胞数

両群ともに固定2週、4週に比べ固定6週では陽性細胞数は少ない傾向にあっ

た。しかし両群間でCD68陽性細胞数に有意差はなかった。すべてのデータは

平均値±標準偏差で示している。

56

IL-6

IL-1β

2w

4w

コントロール

ESWT

6w

コントロール

ESWT

2w

TNF-α

2w

4w

2w

6w

*:p<0.05

コントロール

ESWT

6w

TNF-β

コントロール

ESWT

4w

4w

6w

図16

図16 後方関節包の炎症に関わる遺伝子発現

A:インターロイキン(Interleukin(IL)-1β

B:IL-6

C:腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor (TNF))-α

D:TNF-β

固定6週ではコントロール群と比較して体外衝撃波治療(Extracorporeal

shockwave therapy ( ESWT ) ) 群 で IL-6 の 遺 伝 子 発 現 が 増 加 し て い た

(p=0.026)。IL-1β、TNF-α、TNF-βの遺伝子発現は固定後2週、4週、6週

のいずれにおいても両群間に有意差がなかった。すべてのデータは平均値

±標準偏差で示している。

57

コントロール

(/mm2)

ESWT

50

(/mm2)

80

60

40

20

2w

4w

6w

コントロール

ESWT

コントロール (/mm2)

ESWT

50

40

40

30

30

20

20

10

10

2w

4w

図17

6w

2w

4w

6w

*:p<0.05

図17 後方関節包のα-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin (α-SMA))免疫染色

A−F:α-SMA免疫染色所見(Bar: 100 μm)

A、B、Cはそれぞれコントロール群の、D、E、Fは体外衝撃波治療(Extracorporeal

shockwave therapy(ESWT))群の固定後2週、4週、6週の後方関節包のα-SMA免疫染

色所見を示す。コントロール群では各週で拡張した内腔を伴う血管が後方関節包に観

察された(白矢印)。ESWT群では固定4週、6週でα-SMA陽性の小血管が観察された

(黒矢印)。後方関節包の全血管数(G)、小血管数(H)、大血管数(I)の結果を示す。固

定6週ではコントロール群と比較してESWT群で有意に全血管数と小血管数が多かった

(それぞれ、p=0.024、p=0.001)(G、H)。すべてのデータは平均値±標準偏差で示してい

る。

58

HIF-1α

VEGF

コントロール

ESWT

1.5

1.5

0.5

0.5

2w

4w

6w

コントロール

ESWT

2w

コントロール

ESWT

1.5

0.5

eNOS

コントロール

ESWT

6w

*:p <0.05

PCNA

4w

2w

4w

6w

図18

2w

4w

6w

図18 後方関節包の血管新生に関わる遺伝子発現

A:低酸素誘導因子(Hypoxia inducible factor(HIF)-1α

B:血管内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial growth factor (VEGF))

C:細胞増殖核抗原(Prolifetating cell nuclear antigen (PCNA))

D:内皮型一酸化窒素合成酵素(Endothelial nitric oxide synthase; (eNOS))

固定6週ではコントロール群と比較して体外衝撃波治療(Extracorporeal shockwave

therapy(ESWT))群でHIF-1αの遺伝子発現が有意に増加していた (p=0.007)。VEGF、

PCNA、eNOSの遺伝子発現は固定後2週、4週、6週いずにおいても両群間で有意差

はなかった。すべてのデータは平均値±標準偏差で示している。

59

SOX9

ACAN

2.5

コントロール

ESWT

1.5

0.5

2w

4w

6w

コントロール

ESWT

2w

Col10α1

コントロール

ESWT

1.5

0.5

2w

4w

6w

Col2α1

2.5

4w

6w

コントロール

ESWT

2w

4w

6w

図19

図19 後方関節包の軟骨化生に関わる遺伝子発現

A:アグリカン(Agreecan (ACAN))

B:SRY-BOX含有遺伝子9(SRY-BOX9 (SOX9))

C:II型コラーゲン(Collagen type II(Col2))α1

D:X型コラーゲン(Collagen type X(Col10))α1

固定後2週、4週、6週いずれにおいても両群間で有意差

がなかった。すべてのデータは平均値±標準偏差で示し

ている。

60

体外衝撃波

抗線維化

マクロファージ

浸潤の抑制

血管新生

関節包

関節包の硬化を抑制

拘縮の予防

図20

図20 本実験から考えられる体外衝撃波による関節

拘縮予防効果のメカニズム(仮説)

関節固定によって後方関節包に生じる線維化、炎症、

低酸素、さらに関節包の硬化による関節拘縮の進行

に対して、体外衝撃波治療は抗線維化作用、マクロ

ファージの浸潤抑制作用、血管新生作用により関節

包の硬化を抑制し、関節拘縮の進行を抑制した。

61

...

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