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鉄の熱拡散による傾斜構造を利用した耐摩耗性チタン表層の構築

山口 洋史 東北大学

2020.03.25

概要

1. チタンの特徴

チタンは原子番号 22、第一系列遷移元素に属する金属である 1)。密度は主要遷移金属(鉄,ニッケル,銅)の中では最も小さい。チタンは軽くて強い、つまり比強度が大きいことが最大の特徴である 2)。チタン合金はおよそ 400℃までの範囲で比強度が他の材料に比べて非常に優れている 3)。チタンのもう一つの特徴は、室温において金や白金並みの優れた耐食性を示すことである。チタンは酸素との親和性が極めて強く、チタンの新生面が大気あるいは湿潤雰囲気に曝されると、酸化皮膜が瞬時にかつ連続的に形成される 4,5)。この皮膜は不動態皮膜と呼ばれる。この不動態皮膜は多種多様な腐食性環境において防護膜の役割を果たす。このような優れた特徴により、チタンは航空宇宙分野から化学工業、スポーツ・レジャーまで幅広く利用されている 2)。一方で、チタンは低ヤング率であり、低弾性が要求される代替骨や固定プレートなどに最適であるが、剛性不足を指摘される場合もある 6,7)。さらに、チタンの熱伝導率の低さは、チタンの大きな欠点であり、機械加工の際に、発生する熱が伝導により直ちに散逸することができないため、チタン材料の切削性の悪さや、工具の消耗が速いことが指摘されてい る 8-10)。また、摺動部に応用される場合などには、相手材との凝着によるチタンの摩耗などが問題となっている 8)。
チタンは生体親和性を示すことから医療分野でも幅広く応用されている。特に整形外科分野では人工関節や、骨固定用のプレートやスクリュー、ワイヤーなど、循環器外科分野でも、人工心臓や心臓ペースメーカーのケーシングや、血管内に留置するステントやガイドワイヤー、血管クリップなどに純チタンやチタン合金が使用されている 11,12)。歯科領域ではクラウンや義歯床、矯正用ワイヤーに純チタンやチタン合金が使用される 11,13)。また、チタンの骨組織に対するオッセオインテグレーションを応用し、歯科インプラント治療で頻用される 5,14)。

2. チタン合金について

2 種類以上の金属元素を成分とする金属を合金と呼ぶ。2 種の原子が一様に混ざり合っているものは固溶体合金と呼ばれる 15)。成分元素の原子 A、B が規則的に配列し、イオン結晶や酸化物のようにそれぞれの副格子を構成しているものは金属間化合物と呼ばれる 15,16)。
チタン合金とは、チタンの長所をさらに伸ばしたり、短所を抑制したりすることを狙い、それぞれの改良効果を有する元素を単独または複合して配合したものである。用途目的に合わせて添加する元素の種類、添加量を変え、様々な場面でチタン合金が利用されている。
チタンの同素変態温度は 885℃である。この温度より低温では最密六方(hcp)構造(α‐チタン)となり、高温側では体心立方(bcc)構造(β‐チタン)となる 17,18)。同素変態温度は合金元素の添加により上昇あるいは低下し、チタン合金はそのパターンによりα安定型、β安定型、全率固溶型に大別される 1)。
α安定型は、元素の添加により同素変態温度を上昇させ、α相の領域を高温側へ拡大する。このような元素はα相安定化元素と呼ばれ、非金属元素では O、C、N、金属元素では主に Al が該当する。このα相は同素変態温度以下の環境において安定であり、耐熱性に優れ、また溶接性に優れる。Al は 7 mass%(以下 mass%は%と記す)程度までの添加で引張強さ、弾性率に非常に優れるが、二元型で用いられるよりも複数の添加合金の一つとして、合金の強度の向上のために添加されることが多い 1)。
β安定型は、元素の添加により同素変態温度を低下させ、β相の領域を低温側へ拡大する。このような元素はβ相安定型元素と呼ばれ、全率固溶体を作る Mo、V、Nb、Ta などのβ全率固溶型と、共析反応を生じて金属間化合物を作る Au、Ag、Cu、Co、Cr、Fe、Mn、Pd などのβ共析型に分類される 6,19,20)。β相の安定能はβ共析型の方がβ全率固溶型よりも優れる。 β相安定型元素を添加されたチタンは、組成によっては急冷したときに常温までβ相を維持することができる 19,20)。この常温まで維持されたβ相は準安定β相と呼ばれる。チタンの準安
定β相は硬さや引張強さが大きく、またチタンと同等の耐食性をもつ 20)。

全率固溶型は、添加しても同素変態温度をほとんど変化させることがない。Hf や Zr が該当する 6,19)。

3. チタンの耐摩耗性

摩耗とは、外力により物体表面でおこる材料の損失のことであり、主に 2 つの固体が接触して相対運動する場合に生じる。代表的な摩耗形態としては、凝着摩耗、アブレシブ摩耗、疲労摩耗、腐食摩耗がある 21,22)。凝着摩耗では、材料同士の接線方向の相対的な運動で凝着を防止している酸化皮膜等が引きはがされ、金属同士の凝着が起こり、相対運動の継続により接合部の剪断と新たな凝着部の形成が繰り返されることで生じる摩耗である 21,23)。アブレシブ摩耗は、硬い表面突起による軟らかい材料の掘り起こしによる摩耗で、硬い粗雑な表面が軟らかい表面上を滑る場合と、相対運動する 2 面間に硬い粒子が存在する場合がある 21,23,24)。凝着摩耗とアブレシブ摩耗の摩耗量は、ともに軟らかい側の材料の硬度に反比例するとされている。疲労摩耗は、材料の表面から少し内部に入った点で発生する。外力が繰り返し加えられることで材料の最大剪断応力部に欠陥や亀裂が発生、次第に亀裂が表面まで進展し、最終的に薄片状粒子が表面から離脱する 12,25)。疲労摩耗は時間(すべり距離)の増加に伴い、特に後半で摩耗量が急激に増加する。腐食摩耗は、摺動により材料同士の凝着と剪断が繰り返されるたびに生ずる新しい表面に生じる腐食であり、腐食生成物は摺動により表面から離脱しやすいため、摩耗が生じる 26)。腐食摩耗は多くの因子が関連し、プロセスが複雑である。これら 4 つの摩耗形態は、複合的に生じ、複雑な摩耗パターンとなるため、単純に硬さや表面性状などで耐摩耗性を予測することは難しい 21)。
チタンは優れた特性がある一方で、硬さが小さいため耐摩耗性に劣ることが摘されている27)。また、チタンは活性な金属であり、かつ熱伝導率が低いため、摩耗熱により相手材との凝着を生じやすいことも、低い耐摩耗性の一因となっている 8-10)。そのため、耐摩耗性の改善を目的とし、様々な手法が報告されている。以下に示す表面処理による方法は、チタンのバルクとしての優れた性質を劣化させずに耐摩耗性を向上させることが可能である。湿式めっきでは主に Ni 合金皮膜が用いられる 28)。低温プロセスであり、成膜速度が速く、硬膜の制御範囲も広い。化学的気相析出(CVD)法に代表される気相成長法は、チタン材料の表層に硬質皮膜・層形成を行う方法である 29)。気体原料を化学反応させることでコーティング膜を形成する。物理的気相成長(PVD)法は固体原料をプラズマやレーザなどのエネルギーにより気化させ基板上にコーティングする 30,31)。PVD 法や CVD 法は硬質皮膜の厚さは薄いが、2000 Hv を超える表面硬さを得られたという報告や、摺動試験において摩耗体積が Ti-6Al-4V 合金と比較し 1/200 に低減できたという報告もある 29,31)。その他にも、硬質皮膜・層形成法には溶射法、肉盛法、レーザ表面融解法、電子ビーム表面融解法などがある 32-35)。硬質皮膜・層形成法は、表面硬さや硬化層深さを変化させることができ、皮膜・層の材料も多様である。しかし、硬質皮膜・層は一般に脆性材料であり、明確な硬質皮膜・層と基盤との界面を有することが課題となっている 6)。一方で、チタンやチタン合金表層を熱処理により酸素、窒素、炭素などを表面から拡散させて固溶層を形成する方法では、母材との間に明確な界面が存在しない 36)。チタンは活性な金属であることに加え、α相、β相ともに酸素、窒素、炭素など侵入型固溶元素の固溶限が大きい。これらの元素の固溶量に伴う硬さの変化は、濃度(at%)の 1/2 乗に依存して上昇することが知られている 37,38)。窒素や酸素をチタン表面に固溶させる固溶相形成法では、チタンに対する最表層硬さが 1200 Hv 程度まで上昇したという報告もあるが、固溶層が脆性であることや、層の厚さが制御できないことが問題となっている 6,39)。
チタンの耐摩耗性を向上させるこれらの表面改質法は、いずれも表面硬化処理によって超硬質の表面を与えて耐摩耗性を向上させる方法である。一方で、一般に単体で耐摩耗性に優れるとされる金属は、優れた硬さに加えて適度な伸びを有すると言われている 27)。例えば、歯科鋳造用 Co-Cr 合金は耐摩耗性に優れた合金としてよく知られているが、その硬さ(350‐ 390 Hv)は前述の表面処理されたチタンの超硬質皮膜(1200 Hv 以上)よりも小さいが、Co-Cr合金は数%の伸びを有し、脆性は示さない 40-44)。このことから、超硬質の表面を与えずとも、ある程度の硬さと伸びを共存させることで、金属の耐摩耗性は改善可能と考えられる。チタンは 30%以上の大きな伸びを持ち、伸びに関しては十分であるが、硬さは 130 Hv 前後と非常に軟らかい 19)。そこで、合金化によりチタンの伸びを多少犠牲にしても硬さを大きく向上させられれば、チタンの耐摩耗性を改善できる可能性がある。

4. Ti-Fe 合金の可能性

今回、チタンの欠点である耐摩耗性を向上させる方法としてチタンの合金化に着目した。前述の通り、チタン合金はその添加元素により性質が大きく異なる。私はチタンに添加する元素として、鉄に耐摩耗性向上の可能性を見出した。
Ti-Fe 系平衡状態図を図 1 に示す。Fe は共析型のβ相安定型元素であり、チタンに添加すると、チタンのβ相領域を低温側に拡大する 6,19,20)。Ti-Fe 合金はαチタンと TiFe の共析点を 17 % Fe に持ち、その共析温度は 595℃と低いため、組成によっては急冷することで準安定β相を常温まで維持できる 19,20)。また、添加量 25%Fe 程度までの範囲に準安定β相を獲得できる組成があると考えられる。
チタン合金の準安定β相は機械的性質に優れていることが知られている。奥野らは Ti-Fe合金のいくつかの組成について機械的性質を調べ、鉄は硬さの向上に有効であり、ビッカース硬さが 400 Hv を超えたことや、10%Fe は準安定β相であり、引張強さが 1000 MPa を超え、また延性を示したことを報告している19)。また、高田らは、Ti-Fe 合金の電気化学的腐食挙動を調べ、添加量 30%Fe まではチタンと同等の耐食性を示すことを報告している 20)。このように Ti- Fe 合金は、耐摩耗性の向上の視点で極めて重要な要素である硬さが大きく向上する上、伸びを有する。さらに、歯科用合金として重要な性質のひとつである耐食性はチタンと同等である。また、Fe 自体は生体必須元素であり、金属アレルギーのリスクも小さい 20,45)。したがって、Ti-Fe合金は生体に応用する耐摩耗性チタン合金として大きく期待できる。
近年 Ti-Fe 合金は、水素吸蔵合金として注目され、盛んに研究が行われている 46-51)。水素吸蔵のメカニズムは、合金内の金属間化合物内に水素が反応し、安定な水素化物を生成するものである 52,53)。そのため、実際に研究されているのは、金属間化合物である TiFe が出現する添加量 25%Fe 以上の組成の Ti-Fe 合金がほとんどである 50,51)。金属間化合物は一般に脆く、それらが析出した合金では伸びが失われるため、歯科用合金開発では避けられることが多い。また、鉄の添加量が少ない組成についての研究も行われているが、その詳細な機械的性質や耐摩耗性については現在のところ分かっていない。

5. 熱拡散によるチタンの表面改質

合金の製作法は、合金化する金属を融点以上の温度に熱して融解させて混ぜ合わせる方法が最も一般的であるが、用途に応じて異なる手法がとられる場合もある。その中で固溶層形成法を応用した、熱拡散を利用した方法がある 15,54,55)。金属の熱拡散の場合、金属 A に金属 B を接合し融点以下の高温に保持すると、金属 B が金属 A に侵入する。この拡散は互いの金属の濃度勾配を小さくするように進行し、十分長時間が経過すると金属 A の中の金属 B の濃度はどの部位でも一定となる。また、金属 B が金属 A に侵入する最中に加熱をやめ、拡散を停止させることで、金属A の中に金属B の濃度勾配をもった傾斜構造を与えることや、金属 A の表層のみに金属 B の拡散層を形成することも可能である。
この熱拡散法はチタン合金にも利用できる。特にチタンはバルクとして優れた性質を有することから、チタンの最表層のみを熱拡散で合金化すれば、チタンの表面改質に応用できると考えた。熱拡散は融点よりも低い温度での合金化が可能であるため、賦形を施した複雑な形状のチタンに対して、その形状を維持したまま、必要な部位のみの表面改質を行うことができる。 Ti-Fe 合金の耐摩耗性が優れていたと仮定して、Fe をチタン表面から熱拡散させた場合を考えると、耐摩耗性に優れた表面を有し、表面から内部に向かうにつれて Fe 濃度が連続的に減少する傾斜構造を持った Ti-Fe 合金層を形成することが可能である。耐摩耗性表面処理で行われるめっきなどとは異なり、この傾斜構造には界面が存在しないため剥がれることがない。

傾斜構造を利用するための熱拡散による表面処理は工業分野などで行われているが、チタンに対する熱拡散を用いた表面改質、合金化についての研究はほとんど行われていない。

6. 本研究の目的

そこで本研究では、チタンの耐摩耗性を改善することを目的に定め、まず第 2 章で Ti-Fe 合金の機械的性質を調べ、耐摩耗性に優れることが期待される Ti-Fe 合金の組成を検討した。第 3 章でそれら合金の摩耗試験を行い、Ti-Fe 合金のバルクとしての耐摩耗性と機械的性質の関係を調べた。第 4 章では、チタンの表面改質として Ti-Fe 合金を応用するため、温度と時間を熱処理のパラメータとし、チタン表面への鉄の熱拡散による、耐摩耗性に優れたチタン表層の形成を試みた。

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