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大学・研究所にある論文を検索できる 「Circadian rhythm affects the magnitude of contact hypersensitivity response in mice」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Circadian rhythm affects the magnitude of contact hypersensitivity response in mice

Miyake, Toshiya 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k24133

2022.07.25

概要

概日リズムは睡眠や摂食のパターンのみならず、体温、ホルモン産生、細胞再生など多くの生命現象や細胞生理を制御している。近年では免疫機能における概日リズムの役割が注目されており、炎症反応や宿主と病原体の相互作用にも影響することが報告されている。これは免疫細胞や血液内皮細胞上の受容体や接着分子の発現レベルが概日リズムで制御されており、血液やリンパ組織への免疫細胞の分布が日内変動しているためと理解されている。リンパ球はβ2 アドレナリン受容体(β2AR)を発現しており、β2AR 刺激によりリンパ節からの流出が抑制されることが示されているが、リンパ節ではβ2AR のリガンドであるノルアドレナリンが夜間に増加することで概日リズムが生みだされる。このように概日リズムは免疫反応を含む多くの生命現象を制御しているが、皮膚の獲得免疫に与える影響については不明な点が多い。

この課題を検証するために、ヒトのアレルギー性接触皮膚炎のマウスモデルである接触過敏反応(CHS)が概日リズムの影響を受けるかについて研究を行った。ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を日中または夜間にマウスの腹部に塗布し感作を行い、5 日後にマウス耳介に DNFB を再度塗布して CHS 反応を惹起したところ、夜間に感作したグループが日中に感作したグループと比較して耳介腫脹が増悪することを見出した。また、夜間に感作したマウスでは皮膚の所属リンパ節でのメモリーT 細胞やエフェクターT 細胞数、サイトカイン産生が増加していることが観察された。これらの違いは、リンパ節におけるノルアドレナリン量の日内変動を通じて、体内の白血球分布が変動しているために夜間に効率よく感作が成立しているためであると推測した。このことを確かめるためにβ2AR作動薬と拮抗薬の投与を行いCHS反応の変化を観察した。CHS反応は日中にβ2AR作動薬を投与することで増悪し、夜間にβ2AR 拮抗薬を投与することで減弱した。加えて、日中にβ2AR 作動薬を投与すると血液中のCD8 陽性T 細胞をはじめとするⅣ型アレルギーに関与する免疫細胞数は減少し、反対にリンパ節中の CD8 陽性T 細胞などの細胞数は増加した。一方、夜間のβ2AR 拮抗薬投与は、血中の免疫細胞数を増加させ、リンパ節中の免疫細胞数を減少させることが判明した。

これらの結果はCHS 反応の強度が生理的な条件下でも日内変動を示し、それがβ2ARシグナルを介した免疫細胞の分布の変化に依存することを示している。アレルギー性接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患の病態形成においては、抗原感作が重要なトリガーとなる。現在これらの疾患では発症後のコルチコステロイドや免疫抑制剤の外用が主な治療法となっているが、本研究の知見に基づいて効率的な抗原感作が生じうる時間帯に重点的にスキンケアを行うことで、予防的な立場からこれらのアレルギー性皮膚疾患患者の治療・管理の改善に繋がることが考えられる。

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