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有機分子触媒を用いたLatanoprostの不斉全合成及びAmphotericin Bの合成研究

河内 元希 東北大学

2020.09.25

概要

筆者は、有機分子触媒を用いた latanoprost の不斉全合成及び amphotericin B の合成研究に取り組んだ。

第 2 章では、latanoprost の不斉全合成の不斉全合成について述べた。プロリンカリウム塩を用いた不斉α-アミノオキシ化による C15 位の不斉点を構築するとともに、数工程の変換を経てω鎖に相当するニトロアルケンを合成した。次いで、ジフェニルプロリノールシリルエーテルを触媒とするニトロアルケンとスクシンアルデヒドとの形式的[3+2]付加環化反応によるシクロペンタン骨格の構築を行った。続くアルデヒドに対するアルキン付加によるα鎖の導入においては C8 位の完全な異性化が進行することを VCD スペクトルにより明らかとした。続いて、ニトロアルコールの脱水と酸素を用いた Nef 反応によりシクロペンテノンを合成した後、Bi(OTf)3 及び過塩素酸ナトリウム存在下、3,4-ジニトロベンズアルデヒドを用いた 1,3-不斉誘起を行うことで、C7 位の立体に関係なく C9 位の不斉点を構築した。続くケトンのジアステレオ選択的還元では、ジクロロメタン/イソプロピルアルコール混合溶媒中、Ti(OiPr)4 存在下水素化ホウ素ナトリウム作用させることで高いジアステレオ選択性で C11 位の不斉点が構築された結果、5 員環上の 4 つの連続する不斉点が構築された。その後、各種変換反応を経て latanoprost の不斉全合成を達成した。また、ポット数の削減も行い、25 工程を 15 ポット全合成を達成した。

第 3 章では、amphotericin B の合成研究について述べた。ジアリルプロリノールを触媒とするグリオキシル酸エチルとアセトアルデヒドの不斉アルドール反応と続く Horner- Wadsworth-Emmons 反応によりδ-ヒドロキシ-α,β-不飽和ケトンを合成し、Bi(OTf)3 及び過塩素酸ナトリウム存在下、3,4-ジニトロベンズアルデヒドを用いた 1,3-不斉誘起により C8-C13 ユニットの合成を行った。ジアリルプロリノールを触媒とするアルキニルアルデヒドとβ-アルコキシアルデヒドの不斉アルドール反応と続く還元によりジオールを合成後、保護と脱保護を行った後 TEMPO 酸化を行うことでジアステレオ選択性を損なうことなく C15-C19 ユニットの合成を行った。ジアリルプロリノールを触媒とするアルキニルアルデヒドとアセトアルデヒドの不斉アルドール反応と続くニトロメタンとの Henry 反応によりニトロジオールを 1:1 のジアステレオマー混合物として合成後、アセタールによる保護、ニトロ基及びアルキンの変換と続く異性化により 1,3-syn-ジオール骨格を有する C1-C6 ユニットを高いジアステレオ選択性で合成した。その後、Felkin-Anh モデルを利用した C8-C13ユニットと C15-C19 ユニットの向山アルドール反応により高いジアステレオ選択性で 2 つのユニットのカップリングを行った。その後、6 員環アセタールの形成、保護基の変更及びリン酸エステルとの Claisen 縮合により C7-C19 ユニットとした後、Horner-Wadsworth- Emmons 反応により C1-C6 ユニットとのカップリングを行った。1,4- 還元の後の L- selectride によるケトンのジアステレオ選択的還元により C8 位の不斉点を構築後、ヒドロホウ素化を利用したアルキン部位のアルデヒドへの変換及びリン酸エステルとの Claisen 縮合を含めた各種変換反応によりポリオール部位に相当する C1-C20 ユニットの合成を達成した。

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参考文献

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