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はじめに

横山, 央明 京都大学

2023.04

概要

2022年は、引き続き新型コロナウイルス感染症の活動制限下にありました。しかしながら、ワク
チン接種の普及などにより、この原稿を執筆している2023年4月時点では危機的な状況は脱しつ
つあります。京都大学の活動制限も徐々に緩和されてレベル1(-)となり、対面授業が広く実施さ
れるようになりました。2023年中にレベル0、すなわち通常状況へと転換されることが予定されて
おり、「日常」を取り戻すことになります。
2022年の注目すべき研究成果は、岡山天文台せいめい望遠鏡による、恒星フレアからの巨大
フィラメント噴出の観測です。京都大学で学位を取得し、現在は国立天文台で活躍している行方
宏介さんと共同研究者のみなさんの成果です。Nature Astronomy誌に論文が掲載されたほか、
記者発表を行い、はてはNHKの科学番組で特集されるまでになりました。せいめい分光観測
データの解釈にあたって、飛騨天文台SMARTの太陽フィラメント噴出現象との比較が威力を発
揮した、昼夜両方の望遠鏡をもつ京都大学天文台にとってはこの上なく特色を活かせた成果で
した。
岡山天文台せいめい望遠鏡では、可視三色高速撮像分光装置TriCCSの分光モードの開発
が進み、今後は調整しながら段階的に公開していく予定です。2022年12月に近赤外偏光撮像
装置がエンジニアリングファーストライトを迎えました。このときは検出器1個だけでの試験観測で
したが、最終的には4個の検出器を搭載することで近赤外線の2バンドで同時に偏光観測が可能
になります。またTriCCSと組み合わせることで可視光3バンド+近赤外線2バンドの計5バンド同
時撮像カメラとしても使用できます。系外惑星探索専用分散分光器GAOES-RVは2022年2月に
ファーストライトを無事に達成しました。今後は科学観測に向けて調整を進めていきます。またリ
モート観測システムの開発がすすみ、オンサイトに監視者がいる状態での共同利用を開始しまし
た。自動観測(キュー観測)の開発もあわせてすすめられており、望遠鏡全体のシステム構築が
整えられつつあります。いっぽうで、ドームスリット開閉の不具合があり、半年以上にわたって応急
処置状態で運用を続けておりましたが、なんとか2023年3月に修理が完了しました。
飛騨天文台では、上に述べたSMARTの観測データが恒星フレア観測の解釈に役立つことが
わかり、「星としての太陽(Sun as a star)」研究が盛り上がっています。これから太陽活動度が上
がっていく中で、フレアやフィラメント放出イベントが数多く観測されるでしょうから、その中から次
の画期的成果を期待したいと思います。ドームレス太陽望遠鏡DSTは、He I 1083nm偏光観測が
軌道に乗り、プロミネンス磁場観測で博士・修士学位論文で成果を結びました。
花山天文台は、感染防止のためのさまざまな制約の中でも、土日公開や観望会を継続して開
催し、社会連携活動を止めない、という姿勢を示すことができました。
このような中で、天文台では構成員の変化がありました。一本潔教授が2023年3月をもって定
年退職されました。2008年以来15年間にわたって天文台の太陽観測を率いて来られ、天文台長
を2019年4月から3年間務められてきました。JAXA宇宙研「ひので」衛星でも中心的役割を担っ
てこられました。今後は名誉教授として引き続き研究に邁進していただきたく思います。また、せ
いめい望遠鏡の共同運用に関して、国立天文台とかわしている覚書が更新されて、学内では岡
山天文台特別講座が再設置されました。その特定助教として、磯貝桂介さん・山本広大さんが新
しく着任され、大塚雅昭さんの任期が更新されました。光赤外線大学間連携についての自然科
学研究機構事業が更新され、学内では新技術光赤外線特別講座が再設置されました。その特
定准教授として、村田勝寛さんが着任されました。せいめい研究運用に関連して、国立天文台
岡山分室の田實晃人さんに連携准教授になっていただきました。職員では、伊集朝哉さんが飛
騨勤務の研究支援推進員に、定兼正彦さんが岡山勤務の技術補佐員にあらたに着任されまし
た。また、わたし横山央明が2022年4月より、天文台長を務めさせていただいております。 ...

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