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大学・研究所にある論文を検索できる 「Febuxostat reduces muscle wasting in tumor-bearing mice with LM8 osteosarcoma cells via inhibition of reactive oxygen species generation」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Febuxostat reduces muscle wasting in tumor-bearing mice with LM8 osteosarcoma cells via inhibition of reactive oxygen species generation

塚本 正 三重大学

2022.05.09

概要

【緒言 】
悪液質は骨格筋萎縮を特徴とする複合的な代謝異常の症候群であり 、悪性腫瘍などによって引き起 こされ、進行性の機能障害をもたらす。また、がん悪液質では術後合併症や機能障害を増悪させ、化学療法や抗腫瘍療法への耐用性を著しく低下させる。悪性腫瘍では腫瘍由来および宿主 由来のパラクリン因子を介して周囲の 環 境を変化 させることや活性酸素種 (reactiveoxygen species ,ROS)が病態に関与して いると 、除神経、老化および廃用による骨格筋萎縮の重要なシグナル伝達にも ROSが関与していることから ROSの抑制が悪液質による筋萎縮の改善につながると仮定した。キサンチンオキシダーゼ(xanthineoxidase ,XO)は尿酸を介して ROSを生成するが、XOの選択的阻害剤であるフェブキソスタッ トを用 いて ROSを抑制することで LM8骨肉腫細胞による骨格筋萎縮が改善しうるかを検討した。

【方法】
Conditioned mediumの作成
LM8骨肉腫細胞を 80~90%コンフルエントに達 した時点で、phosphate-bufferedsaline(PBS)で洗浄し 、培地をフェノールレッドと血清を含まな い Dulbecco'sModified Eagle's Medium (DMEM)に交換した。 48時間培養後、 12,000rpm、4°Cで 10分間遠心分離し、0.22m mフィルターでろ過した培地を conditionedmedium(CM)とした。
Conditioned mediumで培姜した C2C12筋管細胞におけるフェブキソスタットの抗酸化作用c2c12細胞を 96ウェルプレートに I.OX104 /wellずつ播種し、2%FBS DMEMで分化誘導を行った後で、フェブキソスタットを 3mMまたは 30mMで加えて 24時間の premedicationを行ったあとで、CMで 2時間または 24時間培養した。
ROSの測定を 2'7'-dichlorofluoresceindiacetate (DCF-DA) assayで行い、位相差顕微鏡で各群 100本の筋管の直径を測定して評価を行った。 Atrogin-1の発現贔の評価を ウエスタンプロッティングにて行った。

動物モデルとフェブキソスタットの投与
5週齢の雄 C3Hマウスの背中に LM8細胞 I.OX107個を皮下注射して tumorbearing mice(TBmice)を作成した。フェブキソスタットは腫瘍細胞を接種した日から飲料水に溶解して投与した。F5群(TBmiceにフェブキソスタット 5mg/mlを投与)、 F25群(TBmiceにフェブキソスタット25 mg/mlを投与)、 TB群(フェプキソスタッ トを投与しない TBmice)、C群(コントロール)の 4群間で検言寸した。 4週間後に屠殺し評価を行った。

ウエスタンブロッティング
液体窒素で凍結した排腹筋を Cryopressでホモジナイズし、 RIPAbufferに溶解させた。ブラッドフォード法にて各サンプルのタンパク質濃度を 2mg/mlに調整して、Atrogin-1の発現最を評価した。

免疫組織化学的分析
誹腹筋をパラフィン包埋して薄切し、 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine (80 Hd G)抗体(日 本老化制御研究所)で免疫染色を行った。各視野 80HdG陽性の核の数を核の総数で割ることにより、80HdG陽1・生核の比率を算出した。

XO活性
市販キット (Sigma-Aldrich)で排腹筋の XO活性を測定した。炎症性サイトカインの測定enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)キット(BDBioscience)を用いて TNF-aとIL-6の定最分析を行った。

【結果】
In vitroにおいて DCF-DA assayでは CMで 2時間培蓑した C2C12筋管細胞の ROSはコントロールに比して 1.9倍に増加し、 24時間では 1.8倍に増加した。一方、3mMのフェブキソスタットの前投薬では 24時間の CM 培蓑で、 30mMの前投薬では 2時間および 24時間 CM培義で ROSの増加を有意に抑制した。CMでの培養により C2Cl2筋管細胞での Atrogin-1の発現は有意に増加し、筋管の直径は有意に減少した。それに対し 3mMと30mMのフェブキソスタットの前投薬により CM による筋管の萎縮は有意に抑制され、 3m Mの前投薬では Atrogin-1の増加が抑制された。Invivoでは LM8細胞接種の 4週間後で、体重は C群(24.9士1.4g)と比較して TB群(20.8土 1.7g)で有意に低下した。 TB群の誹腹筋(88.3士10.5mg)および前腔骨筋(35.0士2.2mg)はc群の排腹筋(118.3士10.3)および航腔骨筋(45.5士2.7mg)よりも有意に低下した。TB群では骨格筋湿重量減少に加えて筋線維径が低下して Atrogin-1の発現が増加しており、 XO 活性(C群:10.l士2.7IU/mg、TB群 :14.8士3.0IU/mg)および 8-0HdG陽性核の比率は有意に上昇していた。
TNF・a、IL・6 は TB群(TNF・al2.l士l.3pg/ml、IL・61.1士0.3pg/ml)で C 群(10.0士1.7pg/ml、0.8士0.3pg/ml)よりも上昇していた。 フェブキソスタットの投与により体重は F5群(23.2士1.9g)とF25群 (23.5土2.6g)で改善した。筋湿重量も F5群(排腹筋 104.9士10.9mgおよび前腟骨筋41.9土4.7mg)、F25群(排腹筋 105.8士13.1mgおよび前腟骨筋 41.9士4.7mg)とTB群と比べて有意に改善 し、 筋線維径の萎縮も改善した。XO活性は有意に抑制 され(F5群 :9.1士1.6IU/mg、F25群 :8.1士1.5IU/mg)、8・0HdG陽性核の比率が有意に低下した。TNF・aは F5群および F25群で、IL・6は F5群で TB群と比較して有意に減少した。また、TNF・aとIL-6はすべての群で骨格筋の湿重量と負の相開を認めた。C群を除いた 3群すべてのマウスで肉眼的肺転移を認めた。平均生存期間は TB群、F5群、 F25群で各 46.9日、60.5日、56.8日で有意差は認めなかった。

【考察】
悪性腫瘍による悪液質では炎症性サイ トカインやエクソソームを含む腫瘍由来の因子が骨格筋萎縮に関与することが報告されている。また、酸化スト レスは様々な原因による悪液質において病態への関与が報告されている。本研究の invitroでは LM8細胞の分泌物が ROS上昇を介してC2Cl2細胞に Atrogin・lの増加や筋萎縮といった有害な影響を与えることが示された。悪液質の治療戦略の一つとして抗酸化物質の投与が考えられるが、本研究 inn・troではフ ェブキソスタットの投与により CMで培獲された C2Cl2細胞の ROSが低下し、Atrogin・lの増加や筋萎縮が抑えられた。h1vivoでも同様に ROSの低下と筋萎縮の抑制を得られており 、TNF・aや IL・6上昇も抑制した。臨床で高尿酸血症の治療薬として使用されるフェプキソスタットは悪性腫瘍による悪液質での筋萎縮の治療薬になり得るが腫瘍の転移は抑えることも生存期間の改善もできず腫瘍自体の治療にはならないと考えられた。

【結語】
フェブキソスタットに抗腫瘍効果がなかったが、 LM8骨肉腫によって引き起こされた骨格筋萎縮に対して効果を示した。

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