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Infiltration of CD204-overexpressing macrophages contributes to the progression of stage II and III colorectal cancer

多田 陽一郎 鳥取大学

2022.03.04

概要

令和4年1月

多田陽一郎


学位論文審査要旨









副主査





善 久











主論文
Infiltration of CD204-overexpressing macrophages contributes to the progression of
stage II and III colorectal cancer
(CD204を過剰に発現したマクロファージの浸潤はステージIIとIIIの大腸癌の進行に寄与
する)
(著者:多田陽一郎、柗見吉朗、原和志、宮内亘、菅澤健、植嶋千尋、谷尾彬充、
木原恭一、山本学、高野周一、坂本照尚、中山祐二、長谷川利路、藤原義之)
令和3年

Anticancer Research

41巻

4857頁~4865頁

参考論文
1. Disinfection with single or double usage of new antiseptic olanexidine gluconate
in general surgery: a randomized study
(一般外科手術における新規感染予防薬オラネキシジングルコン酸塩の単回使用また
は2回使用による消毒:無作為化試験)
(著者:山本学、原和志、菅澤健、植嶋千尋、谷尾彬充、多田陽一郎、宍戸裕二、
宮谷幸造、花木武彦、木原恭一、松永知之、徳安成郎、高野周一、坂本照尚、
本城総一郎、藤原義之)
平成 30 年

Langenbeck's archives of surgery 405 巻

1183 頁~1189 頁













Infiltration of CD204-overexpressing macrophages contributes to the progression of
stage II and III colorectal cancer
(CD204を過剰に発現したマクロファージの浸潤はステージIIとIIIの大腸癌の進行に寄与
する)

M1マクロファージは抗腫瘍効果を持つ一方で、M2マクロファージは腫瘍の増殖と浸潤を
促進する。M2特異的マーカーであるCD204の臨床的意義は、大腸がん(CRC)では解明され
ていない。本研究は、CRC患者の検体におけるCD204陽性とCD68陽性の予後的意義を調査し、
M2極性マクロファージがin vitroでCRC細胞株の増殖能と浸潤能に及ぼす影響を検討した。




鳥取大学医学部附属病院で手術を施行したステージII及びIIIの大腸癌患者206名の外科

的腫瘍標本を免疫組織化学的検査にてCD204の発現とその局在を調査し、予後との関連を検
討した。また、CD68発現と大腸癌患者の予後についても検討した。大腸癌細胞株3種を成人
男性の単球から培養したマクロファージと共培養した場合の浸潤能と増殖能を調べた。ま
た、マクロファージをM2マクロファージ に分化させた場合のCD204の発現レベルを調べる
ために、フローサイトメトリーを用いた。




患者情報を知らない研究者2名が、免疫染色におけるCD204とCD68の発現をvery low、low、

high、very highの4段階に分類し、最終的にlow群(very low、low)とhigh群(high、very
high)の2つに分類した。CD204陽性は、全生存期間および無再発生存期間の短縮と有意に
関連していたが、CD68については関連が認められなかった。また、Cox多変量解析ではCD204
陽性が無再発生存期間と全生存期間短縮の独立した要因であることが示された(それぞれP
= 0.004、P = 0.002)。in vitroの実験では、成人男性から得られた単球をマクロファー
ジに分化させ、さらにIL-4を加えて活性化させた。得られたマクロファージ はフローサイ
トメトリーで分化前よりCD204が増加していることを確認することで確実にM2マクロファ
ージ へと分化していることを示した。M2マクロファージと共培養させた大腸癌細胞株
(SW620、DLD-1、LoVo)は有意に増殖能と浸潤能が促進した。




M2マクロファージ は様々な癌において腫瘍の増殖や浸潤を促進させることが報告され

ている。本研究は、症例が日本人に限られることや後方視的研究である点などの制約があ
るが、大腸癌患者におけるCD204発現が独立した予後不良因子であるということ初めて示し
たものであり、研究的価値のあるものである。今後、腫瘍内でのCD204の発現を制御する分
子メカニズムを解明することで、大腸癌の進行を制御する治療法の開発につながる可能性
がある。




CD204陽性マクロファージの腫瘍微小環境への浸潤は、ステージIIと及びIIIの大腸癌患

者の予後を有意に悪化させる可能性が示唆された。

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