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大学・研究所にある論文を検索できる 「Studies on the reaction dynamics of structural and intermolecular interaction changes during signal transduction of the photosensor protein YtvA」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Studies on the reaction dynamics of structural and intermolecular interaction changes during signal transduction of the photosensor protein YtvA

Choi, Suekwoo 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23033

2021.03.23

概要

生物は、外部からの光、熱などの環境ストレスを感知して身を守れるストレス応答システムを持ち、環境に適応・進化し続けている。こうした外部刺激は、センサータンパク質により感知され、タンパク質の構造変化や分子内または分子間相互作用変化などを介して下流へとシグナルを伝達、機能に至る。こうした機能発現の分子機構については、特に光シグナル伝達過程に関して先端的な分光手法での研究が進みつつあるが、まだ反応ダイナミクスに関しては未知な部分が多い。本研究では、枯草菌から発見された、光受容ドメインLOVを持つ青色光センサータンパク質YtvAを対象に、光シグナル伝達過程における反応ダイナミクスを、過渡回折格子(TG)法を用いて明らかにしている。

YtvAのLOVドメインの両末端に付随しているヘリックスA′αとJαの光励起による構造変化を調べるため、A′αとJαの有無が異なる4種類のサンプルを用いてTG測定を行っている。その結果、両方のヘリックスとも付随していない場合を除き、ヘリックスが1つ以上付随している場合においては光励起による拡散係数(D)の変化が観測された。この原因としてA′αとJαの回転構造変化がD変化を誘起することを明らかにし、この反応は70 µsより速い時間で独立に起こることを示した。さらに、A′αとJα両方とも付随しているサンプルの場合のみ、光励起により530 µsの時定数を持つ体積変化反応が観測された。A′αとJα両方が回転することで生じる強いトルクがさらなる体積変化反応を誘起したと考えられ、YtvAの光シグナル伝達過程において重要な反応過程であることが示唆された。

ところが、全長YtvAでは光励起によるD変化が観測されなかった。その原因としては、全長YtvAのC末端に存在するSTASドメインがJαの動きを抑制したためであると考えられる。しかし、全長の場合においても、体積変化反応が保存されていることが確認された。このことは、全長YtvAでは光励起によるヘリックスの動きがD変化としては観測されないが、ヘリックスの回転を駆動力とした光反応は同様に起こっていることを示唆している。

このように、全長YtvAでは光励起によるD変化が観測されないが、下流分子の1つであるRsbRAを混合することで大きなD変化が誘起された。これはYtvAとRsbRAが基底状態で互いのSTASドメイン間の相互作用を介して相互作用し、それが光励起でD変化として表れる構造変化を起こしていることの明確な証拠である。また、基底状態ではYtvAダイマーとRsbRAダイマーがヘテロテトラマーを形成していることをゲルろ過法などで確認しており、このヘテロテトラマーのD変化反応が70 µsより速い時間で起こることを示した。

以上のように、光励起後に起こるYtvAの分子内およびRsbRAへの分子間シグナル伝達反応ダイナミクスをTG法を用いることで明らかにしている。今回得られた知見は、枯草菌における光シグナル伝達機構の理解に役に立つと考えられる。

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