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大学・研究所にある論文を検索できる 「A method for measuring glycerol-blanked triglyceride concentrations by using gas chromatography-isotope dilution mass spectrometry」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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A method for measuring glycerol-blanked triglyceride concentrations by using gas chromatography-isotope dilution mass spectrometry

小山, 勲 大阪大学

2021.01.31

概要

〔目的(Purpose)〕
血清トリグリセライド(TG)濃度は、多くの西欧諸国ではグリセロールを含む総トリグリセライド濃度として測定されている。一方、脳卒中患者が欧米と比較して多い日本では、その治療で用いられるグリセロール製剤のTG測定値への影響を最小限に抑える為、主として遊離グリセロール消去法によるトリグリセリド(TG-GB)の測定試薬が、食後高TG血症のスクリーニングなど、日常診療に用いられている。しかし、このTG-GB測定試薬は未だ国際的な標準化がなされていない。そこで、我々はTG-GBの標準化を目的に同位体希釈ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いたTG-GB測定法を開発した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
我々の開発したガスクロマトグラフィー・同位体希釈質量分析法の基本性能の確認とヒト血清中の総グリセリドと遊離グリセロールの測定を行い、得られた測定値を米国疾病対策予防センター(CDC)の基準分析法の測定値と比較することで本法の有用性の評価を行った。その結果、本法による総グリセリドと遊離グリセロールの測定では、同時再現性ならびに測定間再現性の変動係数が各々1.5%未満、2.7%未満で優れた測定精度を有しており、さらに、遊離グリセロールの添加回収試験でも平均回収率は99.8%で充分な特異性を有することが確認できた。

一方、CDCの基準分析法と本法との測定値の比較において、総トリグリセライド濃度は、Average%Biasが-0.26%で概ね一致した。TG-GB濃度は、Average%BiasがCDCの旧基準法であるクロモトロプ酸法に対して-3.15%であり、総トリグリセライド濃度に比べて差異が大きかった。本法によるTG-GB濃度が旧基準法に比べて低値となった理由として、旧基準法による遊離グリセロールの除去工程が、ケイ酸ナトリウムによる非特異的吸着反応であるため、遊離グリセロールの除去が十分でないことが挙げられた。

〔総括(Conclusion)〕
我々は総トリグリセライドと遊離グリセロールの両方を測定するためのガスクロマトグラフィー-同位体希釈質量分析法に基づく実用的な測定法を開発した。本法により、従来の方法に匹敵する優れた正確度と精度で総トリグリセライドと遊離グリセロールの両方を測定し、ヒト血清中のTG-GB濃度を求めることが出来るようになった。臨床検査室や臨床検査試薬メーカー等々における遊離グリセロール消去法によるTG-GB測定試薬測定値のトレーサビリティに関しては、本法測定値との比較によって検証可能である。

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