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大学・研究所にある論文を検索できる 「頭頸部癌に対するAuグレインを用いた小線源治療に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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頭頸部癌に対するAuグレインを用いた小線源治療に関する研究

岸田 桂太 東北大学

2021.03.25

概要

【目的】
頭頸部癌患者に対する、Au グレインを用いた組織内照射の治療成績について検討する。また、線量体積ヒストグラムの観点から治療の有効性や安全性を評価する。

【方法】
東北大学病院放射線治療科で 2013 年から 2019 年にかけて、Au グレインによる密封小線源治療を受けた頭頸部癌患者 27 例を対象とした。適格症例について、最終観察日における治療結果、5 年全生存率、5 年無再発生存率、5 年局所領域制御率、遠隔転移や局所領域の再発までの期間について検討した。また、有害事象について、Radiation Therapy Oncology Group (RTOG) の基準や Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) version 4.0 に基づいて評価した。GTV を定義可能な 22 例を対象として、再発群と非再発群との 2 群間における GTV、CTV の D90、D100、 V100、V150、V200 の平均値について比較した。GTV は治療前の画像を基に定義し、CTV は GTV の周囲 5mm の領域とした。スペーサーを装着した状態での線量評価が可能な 20 例を対象として、下顎骨の D0.1cc、 D1cc、D2cc について検討した。

【結果】
23 人は小線源単独で治療を受け、4 人は小線源治療と外照射との併用で治療を受けた。年齢中央値は 74 歳、アップデート版チャールソン併存疾患指数(CCI)の中央値はスコア 1 だった。最終観察日までに再発を認めたのは 8 例で、局所再発は 2 例、頸部リンパ節再発は 5 例、遠隔転移は 1 例 だった。観察期間中央値は 24 ヶ月(1~84 ヶ月)で、5 年全生存率は 81.7%(95%信頼区間(CI):61.6%-93.4%)だった。5 年無再発生存率は 63.4%(95%CI: 39.8%-77.6%)だった。5 年局所領域制御率は 72.0%(95%CI: 49.5%-87.1%)だった。局所領域における再発までの期間の中央値は 5 ヶ月(1~26 ヶ月)だった。GTV D90, GTV D200 の平均値は、非再発群において再発群よりも有意に高値だった(p=0.0444, 0.0154)。他のパラメータについては有意差を認めなかった。晩期有害事象として、潰瘍形成(RTOG:粘膜のグレード 4)を 3 例(11.5%)で認め、1 例に対して高気圧酸素療法を実施した。下顎骨については、有害事象を認めなかった。下顎骨の D0.1cc、D1cc、D2cc について検討したところ、中央値はそれぞれ 45.77Gy、31.12Gy、25.55Gy だった。D0.1cc の最大線量は 119.15Gyであり、この値はこの症例における処方線量の 125%の線量だった。

【結論】
本研究において、過去の報告と同程度の治療結果を得た。GTV、CTV における照射線量や高線量域については再発群よりも非再発群で高い傾向があり、また GTV D90、V200 が再発の有無に影響している可能性が考えられた。Au グレインを用いた組織内照射の晩期有害事象は軽微であり、リスクの高い患者に対しても安全に治療を行えることを示した。

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