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神奈川県湯河原町における成人の肥満とアルコールの摂取との関連

倉澤, 里奈 弘田, 量二 小田切, 美緒 渡辺, 賢治 渡辺, 良久 信州大学

2023.08.22

概要

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

演題登録01-3

神奈川県湯河原町における成人の肥満とアルコールの摂取との関連
   神奈川県湯河原町における成人の肥満とアルコールの摂取との関連
01-3

倉澤里奈、弘田量二(松本大学大学院健康科学研究科)、小田切美緒(松本大学人間健康学部)、
倉澤里奈、弘田量二(松本大学大学院健康科学研究科)、小田切美緒(松本大学人間健康学部)、

渡辺賢治(横浜薬科大学薬学部)、渡辺良久(東海大学医学部)
渡辺賢治(横浜薬科大学薬学部)、渡辺良久(東海大学医学部)

キーワード:肥満、飲酒頻度、飲酒量、生活習慣
キーワード:肥満、飲酒頻度、飲酒量、生活習慣

要旨:神奈川県湯河原町の 19~39 歳を対象とした健康状況調査のデータを使用し、肥満と生活習

要旨:神奈川県湯河原町の 19 ~ 39 歳を対象とした健康状況調査のデータを使用し、肥満と生活習慣

慣との関連を、特に肥満とアルコール摂取頻度および飲酒量との間に関連性があるのか調査を行っ
との関連を、特に肥満とアルコール摂取頻度および飲酒量との間に関連性があるのか調査を行った。

た。肥満と「飲酒頻度が少ない」、「飲酒量が
2 合以上」摂取していることと関連性が認められ
肥満と「飲酒頻度が少ない」、「飲酒量が 2 合以上」摂取していることと関連性が認められた。データ

た。データを総合すると、飲酒の頻度は少ないが一回の飲酒量が多いと考えられる。適量の飲酒を
を総合すると、飲酒の頻度は少ないが一回の飲酒量が多いと考えられる。適量の飲酒を心掛ける必要
心掛ける必要があると考えられる。
があると考えられる。
A.目的

A.目的

青年期(19~39歳)

 過体重や肥満は、糖尿病、心血管疾患、がんな

過体重や肥満は、糖尿病、心血管疾患、がんな

返送 393人

どの非感染性疾患の発症リスクを高める可能性

どの非感染性疾患の発症リスクを高める可能性
があるとされる。体重増加に関しては、アルコ

回収率 29.0%
身長・体重の一方または両方

があるとされる。体重増加に関しては、アルコー

の未記入 除外27人

ールの摂取量、飲酒頻度、食事の食べる速さな

ルの摂取量、飲酒頻度、食事の食べる速さなども
ども要因として挙げられている。特に肥満とア

BMI<18.5
除外46人

要因として挙げられている。特に肥満とアルコー
ルコール摂取(頻度・量)に関しては正の相関

ル摂取(頻度・量)に関しては正の相関があると
があるとされる。しかし、一部の研究では BMI

分析対象 320人

される。しかし、一部の研究では
BMI と適度な
と適度なアルコールを摂取量との間には関連性

アルコールを摂取量との間には関連性がないこ
がないことが報告されている。

18.5≦BMI<25.0

25.0≦BMI

とが報告されている。
 本研究では、神奈川県湯河原町の青年期を対

267人

53人

本研究では、神奈川県湯河原町の青年期を対象
象とした健康状況調査のデータを用いて、肥満

図1解析までのフローチャート

と生活習慣の関係、特にアルコール摂取との関
とした健康状況調査のデータを用いて、
肥満と生

24.9 ㎏/㎡未満を普通体重、BMI25.0 ㎏/㎡以上を

 質問項目は、栄養・食生活や運動、心の健康、

係を明らかにすることを目的とする。
活習慣の関係、
特にアルコール摂取との関係を明

肥満とした。

飲酒など全部で 34 項目である。

B.方法
らかにすることを目的とする。

質問項目は、栄養・食生活や運動、心の健康、

 本調査は、神奈川県湯河原町健康増進計画・
B.方法

 解析方法は、目的変数を BMI(普通体重、肥

飲酒など全部で 34 項目である。

食育計画策定のためのアンケートの一環として

満)とし、説明変数は二値化したアンケートの

本調査は、神奈川県湯河原町健康増進計画・食

解析方法は、目的変数を BMI(普通体重、肥満)

行われた。調査は、神奈川県湯河原町に住む青

質 問 項 目、 調 整 因 子 を 年 齢、 性 別 と し て、 二

年期(19 ~ 39 歳)男女を対象に 1355 人にアン

とし、
説明変数は二値化したアンケートの質問項
項ロジスティック回帰分析を行った。アルコー

ケートを送付し、返送されたのは 393 人であっ

目、調整因子を年齢、性別として、二項ロジステ
ル摂取頻度とアルコール量の傾向を調べるため、

た(回収率 29.0%)。身長・体重の記入漏れのあ

ィック回帰分析を行った。
アルコール摂取頻度と
Cochran-Armitage 検定を使用した。p<0.05
を統

るものは除外した(分析対象 366 人)。調査は平

アルコール量の傾向を調べるため、Cochran計学的に有意とした。

成 27 年度の 2 月から 3 月に行った。

Armitage
C.結果 検定を使用した。p<0.05 を統計学的に

 本研究の解析フローチャートを図1に示した。

 有意な関連が認められた項目を表 1 に示した。
有意とした。

育計画策定のためのアンケートの一環として行
われた。調査は、神奈川県湯河原町に住む青年期
(19~39 歳)男女を対象に 1355 人にアンケート
を送付し、返送されたのは 393 人であった(回収
率 29.0%)。身長・体重の記入漏れのあるものは
除外した(分析対象 366 人)。調査は平成 27 年
度の
2 月から 3 月に行った。
身長と体重から
body mass index(BMI)を算出

肥満と「飲酒の頻度が少ない」との間にオッズ比
C.結果

本研究の解析フローチャートを図1に示した。
し、日本人の食事摂取基準(2020
年版)の基準

身長と体重から
body
mass index(BMI)を算出し、
より、BMI18.5 ㎏
/ ㎡未満を低体重、BMI18.5


2.16(95%
信頼区間:下限 1.08、上限
、「飲
有意な関連が認められた項目を表
1 4.29)
に示した。

酒量が多い」との間にオッズ比 3.84(95% 信頼
肥満と「飲酒の頻度が少ない」との間にオッズ比

区間:下限 1.14、上限 12.90)、「健康状態が良く
2.16(95%信頼区間:下限
1.08、上限 4.29)、「飲

日本人の食事摂取基準
(2020 年版)の基準より、
/ ㎡以上 24.9 ㎏ / ㎡未満を普通体重、BMI25.0

BMI18.5
㎏/㎡未満を低体重、BMI18.5 ㎏/㎡以上
/ ㎡以上を肥満とした。

ないと思っている」との間にオッズ比 3.76(95%

酒量が多い」との間にオッズ比 3.84(95%信頼区
26

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. 1, August 2023

Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023

演題登録01-3
演題登録01-3

表 1 二項ロジスティック回帰分析結果(有意な関連が認められた項目のみ)
表 1 二項ロジスティック回帰分析結果(有意な関連が認められた項目のみ)
Crude OR
95%CI
p-value
AOR
95%CI
項目
Crude
OR
95%CI
p-value
AOR
95%CI
項目
健康状態(1=悪いと感じている)
4.19
(2.01-8.73) <0.001
3.76 (1.72-8.20)
健康状態(1=悪いと感じている)
4.19
(2.01-8.73)
3.76
食事の速さ(1=速い)
2.28
(1.18-4.41) <0.001
0.014
2.18 (1.72-8.20)
(1.09-4.37)
食事の速さ(1=速い)
2.28
(1.18-4.41) 0.014
2.18
運動頻度(1=行っている)
2.10
(1.15-3.83)
0.015
1.94 (1.09-4.37)
(1.02-3.68)
運動頻度(1=行っている)
2.10
(1.15-3.83)
0.015
1.94
(1.02-3.68)
ストレス処理(1ヶ月間)
1.96
(1.07-3.58)
0.028
2.33 (1.24-4.40)
ストレス処理(1ヶ月間)
(1=できていない)
1.96
(1.07-3.58)
0.028
2.33 (1.24-4.40)
(1=できていない)
飲酒頻度(1=飲まない)
1.53
(0.82-2.87) 0.184
2.16 (1.08-4.29)
飲酒頻度(1=飲まない)
1.53
(0.82-2.87)
2.16
(1.08-4.29)
飲酒量(1=2合以上)
2.71
(0.94-7.87) 0.184
0.066
3.84 (1.14-12.90)
飲酒量(1=2合以上)
2.71
(0.94-7.87)
0.066
3.84
(1.14-12.90)
調整因子:年齢,性別、AOR:Adjusted OR
調整因子:年齢,性別、AOR:Adjusted OR

2000 年代になって、アルコールの多飲が肥満

表 2 Cochran-Armitage 検定結果
(飲酒頻度)
表 2 Cochran-Armitage
(飲酒頻度)
週3回以上
週1回程度検定結果
飲んでいない
Crude OR
週3回以上
(reference)
Crude OR

全体

1
(reference)

全体

1
n=67
1
n=67

男性
男性
女性
女性

1
n=34
1
n=34
1
n=33

n=33

Crude OR
週1回程度
(95%CI)
Crude
OR

Crude OR
飲んでいない
(95%CI)
Crude
OR

P

p-value
p-value
<0.001
<0.001
0.028
0.028
0.043
0.043
0.009
0.009
0.029
0.029
0.030
0.030

2000 年代になって、アルコールの多飲が肥満
と負の相関という報告が増えてきている。適量
と負の相関という報告が増えてきている。
適量の

と負の相関という報告が増えてきている。
適量の
のアルコールを頻繁に飲む人は健康的な生活を
アルコールを頻繁に飲む人は健康的な生活を楽
アルコールを頻繁に飲む人は健康的な生活を楽
楽しむことができるため、ストレス食いによる
しむことができるため、ストレス食いによる体重
体重増加を防ぐと考えられている。飲酒を行う
しむことができるため、
ストレス食いによる体重
増加を防ぐと考えられている。飲酒を行う人は過
人は過体重を防ぐという観点から適量のアルコ
増加を防ぐと考えられている。
飲酒を行う人は過
体重を防ぐという観点から適量のアルコールを
ールを楽しむために厚生労働省が設定した 1 日
体重を防ぐという観点から適量のアルコールを
楽しむために厚生労働省が設定した 1 日 20g を
20g を目安に飲酒することが良いと考えられる。
楽しむために厚生労働省が設定した
1 日 20g を
目安に飲酒することが良いと考えられる。
 過去の研究によれば、肥満と飲酒量には正の
目安に飲酒することが良いと考えられる。
過去の研究によれば、肥満と飲酒量には正の相
相関があり、特に男性では 3 合以上の飲酒量と
過去の研究によれば、肥満と飲酒量には正の相
関があり、
特に男性では 3 合以上の飲酒量と BMI
BMI の上昇が関連していることが示されている。
関があり、
特に男性では 3 合以上の飲酒量と BMI
の上昇が関連していることが示されている。
韓国
韓国の研究でも飲酒量とメタボリックシンドロ
の上昇が関連していることが示されている。韓国
の研究でも飲酒量とメタボリックシンドローム
ームの関連が報告され、アルコールの過剰摂取
の研究でも飲酒量とメタボリックシンドローム
の関連が報告され、
アルコールの過剰摂取はカロ
はカロリー摂取量や体重増加に関与する可能性
の関連が報告され、アルコールの過剰摂取はカロ
リー摂取量や体重増加に関与する可能性が示唆
が示唆されている。したがって、湯河原町の青
リー摂取量や体重増加に関与する可能性が示唆
されている。したがって、湯河原町の青年期にお
年期においては飲酒量と肥満の関係に注意が必
されている。したがって、湯河原町の青年期にお
要であり、過剰な飲酒は肥満を通して健康リス
いては飲酒量と肥満の関係に注意が必要であり、
いては飲酒量と肥満の関係に注意が必要であり、
クを引き起こす可能性があると考えられる。
過剰な飲酒は肥満を通して健康リスクを引き起
過剰な飲酒は肥満を通して健康リスクを引き起
E.まとめ
こす可能性があると考えられる。
こす可能性があると考えられる。
 湯河原町の青年期の健康調査で、「健康状態が
E.まとめ
E.まとめ
悪いと感じる人」、「食べる速度が速い人」
、「ス
湯河原町の青年期の健康調査で、「健康状態が
トレスを処理できない人」と肥満の関連が認めら
湯河原町の青年期の健康調査で、「健康状態が
悪いと感じる人」、「食べる速度が速い人」、「ス
れた。データを総合すると飲酒頻度は少ないが
1
悪いと感じる人」
、「食べる速度が速い人」、「ス
トレスを処理できない人」と肥満の関連が認めら
回の飲酒量が多いことが示唆される。飲酒者は、
トレスを処理できない人」
と肥満の関連が認めら
れた。データを総合すると飲酒頻度は少ないが 1
適度な飲酒を心がけ、健康に気をつけ、ゆっく 1
れた。データを総合すると飲酒頻度は少ないが
回の飲酒量が多いことが示唆される。飲酒者は、
り食べることやストレス処理方法を見つける必
回の飲酒量が多いことが示唆される。飲酒者は、
適度な飲酒を心がけ、健康に気をつけ、ゆっくり
要がある。
適度な飲酒を心がけ、健康に気をつけ、ゆっくり
食べることやストレス処理方法を見つける必要
F.利益相反
食べることやストレス処理方法を見つける必要
がある。
 利益相反なし。
がある。
F.利益相反
F.利益相反
利益相反なし。
利益相反なし。

for trend

1.79
2.03
0.159
P for
trend
(95%CI)
(95%CI)
(0.74-4.35)
(0.80-5.18)
1.79
2.03
0.159
n=156
n=94
(0.74-4.35)
(0.80-5.18)
2.55
3.75
0.038
n=156
n=94
(0.79-8.23)
(1.05-13.30)
2.55
3.75
0.038
n=71
n=33
(0.79-8.23)
(1.05-13.30)
1.18
1.30
0.724
n=71
n=33
(0.30-4.67)
(0.31-5.38)
1.18
1.30
0.724
n=85
n=61
(0.30-4.67)
(0.31-5.38)
n=85
n=61

表 3 Cochran-Armitage 検定結果(飲酒量)
表 3 Cochran-Armitage 検定結果(飲酒量)

間:下限 1.14、上限 12.90)、「健康状態が良くな
間:下限 1.14、上限 12.90)、「健康状態が良くな
いと思っている」との間にオッズ比 3.76(95%信
信頼区間:下限
1.72、上限
8.20)、
「食べる速度が
いと思っている」
との間にオッズ比
3.76(95%信
頼区間:下限 1.72、上限 8.20)、「食べる速度が
速い」との間にオッズ比
頼区間:下限 1.72、上限2.18(95%信頼区間:下
8.20)、「食べる速度が
速い」との間にオッズ比 2.18(95%信頼区間:下

1.09、上限
4.37)

「ストレスを処理できない」
速い」との間にオッズ比 2.18(95%信頼区間:下
限 1.09、上限 4.37)、「ストレスを処理できな
との間にオッズ比 2.33(95% 信頼区間:下限 1.24、
限 1.09、上限 4.37)、「ストレスを処理できな
い」との間にオッズ比 2.33(95%信頼区間:下限
上限 4.40)と有意な関連が認められた。
い」との間にオッズ比 2.33(95%信頼区間:下限
1.24、上限 4.40)と有意な関連が認められた。
 Cochran-Armitage
検定によるアルコール摂取
1.24、上限 4.40)と有意な関連が認められた。
Cochran-Armitage
検定によるアルコール摂
頻度と飲酒量の結果を表
2・3 に示した。男性に
Cochran-Armitage 検定によるアルコール摂
取頻度と飲酒量の結果を表 2・3 に示した。男性
おいて肥満とアルコール摂取頻度は負の相関を
取頻度と飲酒量の結果を表 2・3 に示した。男性
において肥満とアルコール摂取頻度は負の相関
示した(表
2)。肥満と飲酒量では、全体におい
において肥満とアルコール摂取頻度は負の相関
を示した(表 2)。肥満と飲酒量では、全体にお
て正の相関が認められた(表3)

を示した(表 2)。肥満と飲酒量では、全体にお
D.考察
いて正の相関が認められた(表3)。
いて正の相関が認められた(表3)。
 2000
年代になって、アルコールの多飲が肥満
D.考察
D.考察
27

信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. ...

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