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大学・研究所にある論文を検索できる 「肥満関連大腸癌における腸内細菌叢の解析」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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肥満関連大腸癌における腸内細菌叢の解析

東海林 正邦 山形大学

2020.03.31

概要

【背景】
近年、大腸がんが増加している。この一因として肥満、メタボリックシンドロームの増加があるとされる。大腸がんの発育進展や肥満の病態と腸内細菌叢との関連性が報告されており、腸内細菌叢は肥満からの大腸発がんを繋ぐ因子になりうると考えられる。しかし肥満関連大腸癌における腸内細菌叢の特徴は明らかではない。そこで本研究では肥満の大腸癌患者の腸内細菌叢の特徴を検討した。

【方法】
2016 年 6 月から 2019 年 7 月までに山形大学医学部附属病院で病理組織学的に大腸癌と診断された連続 36 人(大腸癌群)と、同時期の東北中央病院の人間ドックで全大腸内視鏡検査を行った対象者で大腸癌がなく、かつ悪性腫瘍の既往がない連続 38 人(対照群)から糞便を採取した。糞便より抽出した DNAから 16S rRNA 遺伝子解析を行い、腸内細菌を同定した。各群の肥満者(Ob)、非肥満者(nOb)の腸内細菌叢の特徴、代謝因子との関連性を検討した。

【結果】
対照群に比し大腸癌群では年齢、喫煙者、糖尿病、高脂血症治療者の割合、空腹時血糖(FPG)、HbA1c、空腹時血漿インスリン(FPI)、HOMA-IR が有意に高く、BMI、TC、HDL、LDL が有意に低かった。対照群、大腸癌群共に Ob、nOb 間では年齢に有意差を認めなかった。菌種構成は対照群と大腸癌群、対照群の Ob と nOb、大腸癌群の Ob と nOb、対照群の Ob と大腸癌群の Ob でそれぞれ異なる傾向が見られた。α 多様性は大腸癌群でより高い傾向があった。大腸癌群では 3 つの門と 38 の属の割合が有意に高く、9 つの属の割合が有意に低かった。この中で、大腸癌群の Ob では Enterococcus 属の割合が nOb に比し有意に低く Polaribacter 属、Capnocytophaga 属の割合が有意に高かった。また大腸癌群では Enterococcus 属はLDL と正の相関を示し、特に Ob で強い相関を示した。大腸癌群の Ob では、Enterococcus (E) faecalis の割合が少なく、細菌叢全体に占める E. faecalis の割合も Ob で有意に低かった。E. faecalis 以外に大腸癌群の Obと nOb 間で有意差のある Enterococcus 種は認められなかった。大腸癌群の Obでの E. faecalis の割合の低下は年齢層や病期に関わらず認められた。

【結論】
本研究では、肥満関連大腸癌には Enterococcus、Capnocytophaga が関与し、特に Eentercoccus の中でも E. faecalis が肥満関連大腸癌で減少していることを初めて示した。E. faecalis の減少が肥満関連大腸癌の発育進展の原因となっている可能性が考えられた。

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