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大学・研究所にある論文を検索できる 「Anti‑metastatic effect of methylprednisolone targeting vascular endothelial cells under surgical stress」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Anti‑metastatic effect of methylprednisolone targeting vascular endothelial cells under surgical stress

Hagi, Takaomi 大阪大学

2022.07.31

概要

(目的(Purpose)]
悪性腫瘍手術における術後合併症や術後炎症の程度は予後を規定する因子であることが知られている。我々は、胃 癌手術における後ろ向き研究で、術後合併症症例のみならず、合併症にかかわらず術後CRP (最高値)が高い症例 も予後不良であり、特に再発形式として血行性転移が有意に高いということを報告した。炎症が癌転移を促進する メカニズムは十分に解明されていないが、基礎的検討では炎症により血管内皮細胞におけるEwelectinなどの接着因 子の発現上昇の関与が想定されている。
我々はこれまでに生体侵襲モデルマウスに対する抗炎症薬(methylprednisolone: MP)の投与が腫瘍増殖の抑制効果を 有することを示してきた。一方で、周術期のMPの使用が血行性転移にもたらす効果については未だ不明な点が多い。
本研究では、手術侵襲を想定した生体侵襲時のMP投与による血行性転移の抑制効果を明らかにすることを目的とする。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
Lipopolysaccharide (LPS)による炎症惹起を生体侵襲モデルとして使用した。血管内皮細胞であるHUVEC (human umbilical vein endothelial cells:ヒト臍帯静脈内皮細胞)およびHHSEC (human hepatic sinusoidal endothelial cells:ヒト肝類洞内皮細胞)に対するLPSおよびMP投与による接着因子の発現および細胞接着能の変化を加议ルで比較検討した。接着因子の発現評価として、ウェスタンブロット法(WB法)およびquantitative real-time PCR(qRT-PCR)を用いて血管内皮細胞における細胞接着に関わる分子の発現を比較した。また、細胞接着能の評価として、LPSおよびMP投与後の血管内皮細胞に対し、ヒト胃癌細胞株(AGS,NUGC3)を共培養することで血管内皮細胞表面に接着した腫瘍細胞の個数変化を比較した(adhesion assay)。その結果、LPS投与により血管内皮細胞におけるE-selectinの発現上昇を認め、これらはMP投与により抑制された。また、LPS投与により血管内皮細胞に接着する腫瘍細胞数は増加し、MP投与により増加の抑制を認め、血管内皮細胞における腫瘍細胞の接着にはE・selectinの発現が関与しており、炎症惹起およびMP投与がこれらを制御している可能性が示唆された。

次に、炎症惹起に対するMP投与の血行性転移における有用性についてMレね。で検討した。腫瘍細胞移植前のLPSお よびMP投与による、経時的な肝転移個数の変化について肝転移モデルマウスを用いて比較した。また、生体にお ける接着因子発現の評価として、LPSおよびMP投与6時間後の肝内門脈および血清におけるE-selectinの発現をそれ ぞれWB法、qRT.PCRおよびenzyme-linked immunosorbent assay法を用いて比較した。その結果、LPS投与は肝転移個 数を有意に増加させ、MP投与はこれらを有意に抑制することが示された。また、移植24時間後の肝組織に認めら れる腫瘍細胞個数についても同様の結果を認めた。肝内門脈におけるErelectin発現はLPS投与によって上昇し、MP 投与により上昇は抑制された。同様に、血清E-selectin値についてもLPS投与によって上昇し,MP投与により抑制を 認めた。
さらに、患者血液検体を用いた検討として、胃癌切除術直前のMP投与群および非投与群における術前と術後1日目 の血清E・selectin値の変化を比較した。その結果、MP投与群は非投与群と比較して有意に血清E-selectin値の低下を 認めた。

〔総括(Conclusion)]
生体侵襲が肝の血管内皮細胞におけるE-selectinの発現上昇を来たし、腫瘍細胞の接着を促進させている可能性が示 唆された。生体侵襲時におけるMPの投与は、血管内皮細胞でのE・selectinの発現上昇を抑制することで腫瘍細胞の 接着を抑制し、転移の抑制につながっている可能性が示唆された。

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