書き出し
当院における運転免許臨時適性検査(てんかん)の現状と今後の課題
概要
通常は主治医の診断書に基づき公安委員会により運転適性を判定するが,諸事情により判定に苦慮した場合,臨時適性検査が行われる。2014年6月の道路交通法改正後,島根県において対象の増加が予想されたため,当院ではてんかんにおける臨時適性検査のシステムを構築した。てんかん専門医(当院では小児科医)を責任医とし,脳神経内科医と脳神経外科医の各1名を加え判定チームとした。受診時に問診とともに一括した検査を実施し,関連科と連携した。2014年10月~2019年3月に4例施行した。4例中3例は初回の意識消失で,うち2例は非誘発性発作であった。初回の非誘発性発作における判定には,てんかんの実用的臨床定義の活用が有用であった。また,関連診療科と連携した臨時適性検査のシステムの構築に加えて,小児科以外の成人診療科のてんかん専門医の育成が重要であると思われた。