リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「IL4Rα and ADAM33 as genetic markers in asthma exacerbations and type-2 inflammatory endotype」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

IL4Rα and ADAM33 as genetic markers in asthma exacerbations and type-2 inflammatory endotype

Sunadome, Hironobu 京都大学 DOI:10.14989/doctor.k23370

2021.05.24

概要

背景・目的:近年喘息のコントロールは治療の進歩によって著明に改善してきたが、約5-10%の患者は適切な治療にもかかわらず増悪を繰り返している。増悪の臨床的危険因子については多くの報告があるが、遺伝的背景は特に成人で不明である。また喘息は多様な病態が包含される症候群であると理解されてきており、特に2型自然リンパ球・Type-2helperTcellの関与する炎症(2型炎症)の亢進は重症喘息患者の50%を占める病態である。そこで2型炎症に基づいて喘息患者を層別化し、遺伝的背景と増悪の関係について解析を行った。

対象・方法:対象はKiHAC(近畿北陸気道疾患研究会)コホート研究に登録された、4年以上の吸入ステロイド治療歴を有する成人喘息患者224例のうち、登録後2年間の喘息増悪を追跡しえた217例。登録時に病歴聴取、肺機能検査、血液検査、遺伝子検査を施行した。遺伝子多型はIL4RArs8832多型、ADAM33S_2,T_1,T_2,V_4多型について解析した。患者の層別化については、2型炎症を反映する血清ペリオスチンを用い、血清ペリオスチン≥95ng/mL(Kanemitsu et al, JAllergy Clin Immunol 2013)の症例を2型炎症亢進群とした。また血清ペリオスチン高値に関連するPOSTNrs3829365多型についても解析を加えた。喘息増悪は登録後全身ステロイド薬の投与を必要としたものと定義し、登録後2年間の増悪頻度について検討した。

結果:まず217例の患者について、増悪あり群(n=60)・なし群(n=157)の背景を比較した。多変量解析の結果、1秒量(FEV1)<予測値の80%、最近半年以内の増悪が、登録後2年間の増悪への独立した危険因子として残った。このように増悪のみに着目した解析では遺伝子多型の影響は明らかではなく、次に2型炎症亢進(血清ペリオスチン≧95ng/mL)かつ増悪をきたした患者群(n=27)に注目して遺伝子多型の影響を検討した。全217例での多変量解析の結果、FEV1<予測値の80%、IL4RArs8832多型(GG)、ADAM33T_2多型(AGorAA)が2型炎症優位・増悪群の独立した危険因子であった。また、2型炎症とIL4RArs8832多型(GG)・ADAM33T_2多型(AGorAA)の間には有意な正の交互作用を認めた(共にp=0.01)。すなわち非リスク多型例においても2型炎症亢進(血清ペリオスチン≥95ng/mL)は喘息増悪のリスクであるが、リスク多型が存在することでさらに増悪リスクが高まった。最後に各遺伝子多型の炎症のendotypeについても検討した。POSTNrs3829365GG多型はペリオスチン高値に寄与するが、IL4RArs8832多型(GG)はPOSTN非GG群でもペリオスチン高値に寄与した。ADAM33T_2多型(AGorAA)は2型/好酸球性炎症群において好中球増多に寄与した。

結論:IL4RArs8832,ADAM33T_2多型は成人喘息における2型炎症優位・増悪群の遺伝子マーカーである可能性が示唆された。IL4RArs8832多型は2型炎症の亢進に,ADAM33T_2多型は2型/好酸球炎症と好中球性炎症による混合性炎症に関与している可能性がある。また血清ぺリオスチンを用いた層別化が、多様な喘息患者のドライバー遺伝子の同定につながる可能性が示唆された。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る